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こまめに消灯、エアコンの除湿、スーパーをはしご…節約アドバイザーが教える「意味のない」節約術

スーパーで冷凍コーナーの扉を開ける女性
節約アドバイザーが勘違い節約術を指摘!(写真/photoAC)
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さまざまな物の値上げが続くなか、節約に精を出している人もいるだろう。しかし、思ったよりも貯蓄が増えないと感じているのであれば、もしかしたらあまり意味のない節約をしている可能性がある。また、多少の節約になったとしても、無駄に時間を使ったり、ストレスの原因になっていたりするとしたらそれも考えものだ。やる意味のない節約術と正しい節約術について、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに詳しく教えてもらおう。

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食費に関する意味のない節約術3つ

節約と言われてまず思い浮かびやすいのが「食費の節約」。まずは、意外とやりがちな食費の勘違い節約術を3つご紹介します。

スーパーをはしごする

特売品を狙ってスーパーをはしごするのは、出費が増える可能性がある節約術です。ハシゴすることで得する金額より、ガソリン代のほうが高く付いたり、余計な時間がかかったり、複数のスーパーを巡るなかでお得ハンターとなってしまい、買う予定がなかった余計なものを買ってしまったりする可能性があります。

ただ安いものを買うのではなく、本当に必要かどうかを見極めて、必要なものをメモして、必要な量だけ買うことが大切です。

半額シールの商品を見つけたら買う

買おうと思っていた物に付いていると、お得な気持ちになる半額シール。必要な物であればいいですが、必要でない物ならいくら安くても「ムダな出費」です。例えば、半生菓子に半額シールが貼られていた場合、買えばお金がかかり、必要以上にカロリーを摂取してしまい、ダイエットサプリに手を出してしまう……といったムダ遣いの悪循環になりかねません。

半額シールが貼られた牛肉
お得に買える=節約ではない(写真/photoAC)
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また、半額シールの商品は消費期限や賞味期限が近かったり、傷みかけの商品だったりすることも多く、無理に早く消費しようとしたり、消費しきれずに結局は捨ててしまったりすることにつながります。特に使い慣れていない食材は、たとえ半額でもスルーを推奨します。

安い食材を買うことを節約と考える

買うものが安いに越したことはないですが、「とにかく安い物を買う」「お腹いっぱいになればよい」という考え方はNGです。

安い物ばかりやカップラーメンのように数百円でお腹いっぱいになる食べ物は、栄養が偏りがちです。そんな生活が続けば、健康面に悪影響を及ぼしかねません。健康を害して病気になってしまうと、医療費もかかり、日常生活だけではなく仕事にも影響が出ることで、何重にも損をしてしまうことになるでしょう。

安い食材を買って節約しようとするのではなく、安い食材の中でも、栄養バランスを考えて食材をそろえて、それらを無駄なく食べきることや、旬の手ごろな食材などを選ぶことを意識しましょう。

カップ麺
安い食べ物で健康を損なうのは本末転倒(写真/photoAC)
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食品以外の買い物に関する意味のない節約術3つ

食品以外の買い物でも、節約のつもりで意味のない行動をしていないか確認しましょう。

送料無料になるまで購入する

一定金額以上を購入すると送料が無料になるケースは多くありますが、送料を無料にするために買う物を探すのはやめましょう。送料がもったいないからといって買う物を探すと無駄な物を買ってしまいやすいですし、送料を払った場合よりも多くのお金を支払うのであれば節約にはなりません。

送料がかかったとしても、実店舗に行くより交通費が安く済むのであれば、実店舗で買うより節約になりますし、買う物を探す「時間」を節約することにもつながります。

遠出して給油する

長く続いているガソリン代の高騰。少しでも安いスタンドでガソリンを入れるためにわざわざ遠出しているとしたら、それも意味のない節約です。

例えば20km先のスタンドに燃費10kmの車で給油しに行った場合、ガソリン価格が158円/1Lとすると、往復のガソリン代は158円×40km÷燃費10kmで632円かかる計算です。1Lあたりの価格が近場のスタンドより10円安かったとしても、満タンが40Lだった場合は400円しか節約効果がなく、往復のガソリン代のほうが高く付きます。

ガソリンスタンドの看板
遠出しての給油はムダにごソリンを使っているかも(写真/photoAC)
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出かけた先や家の近所で安いスタンドをガソリン比較サイト(gogo.gs)で比較したり、ポイント経済圏でお得なるガソリンスタンドで給油するようにしましょう。

洋服などはセール品や特売品だけを買う

洋服はシーズンオフだとセールで安く買うことができます。しかし、いざその洋服を着る時期になると、流行が変わって微妙な装いになってしまっていたり、体型が変わってそもそも着られなかったりすることもあります。また、セール品や特売品は安いからと、余計に買ってしまうことにもつながります。特に2枚目から50%オフ、よりどり3点でこのお値段!といった、あおり文句にも要注意です。

「安いから買う」のではなく、「必要だから買う」の意識で、洋服もシーズンの初めによく吟味して購入し、シーズン中にしっかり着倒すのがおすすめです。

光熱費に関する意味のない節約術2つ

光熱費の節約も、無理をするわりに「たいして意味がない」状況になっていることが多くあります。

「冷房」ではなく「除湿」を使う

「冷房」よりも「除湿」機能が節約になると思って使っているとしたら、それも意味がないかもしれません。

エアコンの除湿には、冷やして除湿した後再び温める「再熱除湿」と、弱い冷房で除湿する「弱冷房除湿」の2種類があり、これは機種によって異なります。「再熱除湿」は除湿で冷えた空気を温め直す分、「冷房」より電気代が高いですし、「弱冷房除湿」は電気代が安くても部屋が冷えるのに時間がかかります。早く湿度を下げて部屋を冷やしたいのであれば、いずれにしても「冷房」を使うほうがいいでしょう。

エアコンのリモコンと現金
「除湿」機能は節約にはならない(写真/photoAC)
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こまめに消灯する

誰も使っていない部屋や廊下の電気を消すのは節約につながりますが、こまめに消すことに神経質になったり、ストレスを抱えたりしているのであれば、それも意味のない節約と言えます。

照明の電気代は安いですし、白熱電球など電気代の高い照明を使っているのであれば、一時的な出費になったとしてもLED電球に替えたほうが長期的には安くつきます。こまめに電気を消すことにストレスを感じる前に、照明自体を見直しましょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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