ベストセラー『ツレがうつになりまして。』の著者、細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんが新刊『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』を上梓した。
「ネガティブ思考クイーン」細川さんは、自分のことをこう言う。
漫画家として認められ、夫のうつ病発症というつらい体験はあったものの、それがきっかけになり、『ツレがうつになりまして。』というベストセラーを生み、子供にも恵まれて、これ以上何を望むの、と他人は思うのでは。
でも、と貂々さんは続ける。
ダイエット成功もオシャレも自信にならない自分
「ダイエットも成功しました。オシャレもしてみました。でも、自信にならない。自分は何をやってもうまくいかないダメ人間なんだという思いが、消えないんです」
ほめられることがあっても、「どうせ私なんか」と思い、「幸せそうね」と言われても否定してしまう。
「自分のネガティブ思考に気づいているのだから、ポジティブに変えればいいと自分でも思いました。でも、それができない。子供のときから母親のネガティブ思考で教育されてきて、自分の中にある核というのか、軸というのか、それが変わらないんです」
そんな貂々さんが、「対人関係療法」を手がける精神科医の水島広子さんと出会ったのは昨秋のこと。暗い、人づきあいが苦手、他人に振り回される、人をねたむ…。
ネガティブ思考を認めてあげる
こんな自分を変えたいと訴える貂々さんに、水島さんは言う。「小さいときからネガティブに生きてきたんだから、それでいいんです」。ネガティブな自分を嫌だなと思ったり、否定するのではなくて、自分はネガティブ思考なんだから、ネガティブでもしょうがないんだ、と自分を認めてあげましょう、と。
「最初にこの言葉を聞いたときはえーっという驚きでした。その場ですぐに受け入れられたわけではありません。でも、自分がネガティブ思考と感じている気持ちは、人間として当たり前の感情だと先生に言われて、少しずつ頭がほぐれていき、自分を認める練習をして。最近になって受け入れられるようになったんです。そしたら、とてもラクになって…」
肩こりが消えてきたことも“ラクになった”実感の一つ。
「先生に会う前の私は、夜寝るときも身構え、歯をくいしばって、24時間緊張していた。肩こりがひどいのも当然だったんです」
今もまだ“自分を認める”練習中ながら、「今までと違う見え方が発見できて面白い」と控えめな笑顔を見せた。
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「自分はダメだ」と思っている人に。あなたの背中をそっと押してくれる「魔法の言葉」が満載のコミックエッセイ。
撮影/杉原照夫
※女性セブン2017年7月27日号
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