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67歳オバ記者、大病から2年 “鉄旅”を決意して青森へ「体が動く動く!」で朝から海鮮丼を堪能

オバ記者、いざ青森へ!
オバ記者、いざ青森へ!
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。大病を患ってから2年、体調も少しずつ上向き傾向となり、今回5日間の“鉄旅”を決意。のっけからテンション上がりまくっているが、果たして──?

* * *

「卵巣がん」の疑いから2年

あれは2年前のちょうど今ごろのこと。卵巣がんの疑いで某大学病院で手術をして10月12日に退院したのよね。そして2年後の今、「私、いける!」と私の身体がハッキリと宣言した感じ。

オバ記者
卵巣がんの疑いで手術を受けた時のオバ記者
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「ええ〜、オバは茨城まで原チャで90km走ったりしているじゃない」と言われそうだけど、いやいやいや。それは短期決戦。今回は5日間の長期戦を決意したの。

だいたいさ、自分の心身のコンディションの良し悪しって、好きなことに向き合ったときにわかるんだよね。私の場合、どんなにくさくさしたことがあっても電車に乗るとコロッ。暗い部屋の電気がパーッとつき出す感じ。新幹線になんか乗った日には、てか、さぁ、これから何時の列車に乗ろうか調べ出した時から気分、爆上がり!

オバ記者
ヤフオクで3万5000円で買った愛車(原付バイク)に乗って東京と茨城の往復旅
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が、しかし、この2年は自分が思うほどじゃなくてね。『大人の休日倶楽部パス』を手にしても一瞬はアガるし、「乗り倒してやる」と口では言うのよ。けど、ちょっとした用事が入ると「今日はいいかな」と、私の身体が言い出すのよ。「ま、いいじゃない。そんなにがっつかなくても」と、耳の後ろから囁く声が聞こえた時は、なーんかさ、「老境」ってこういうこと?ってかなりガックリきたよね。

初日から気合い充分!

ところがところがよ。今回は初日からして気合い充分! 初日は午前中にかかりつけ医に常備薬をもらいに行ったり、買い物を片付けたりと、まぁ、身体が動く動く。「今日から5日間、大人の休日倶楽部パスでJR東日本は私のもの!」と思ったら足の裏が地上から浮いてるみたい。

オバ記者
大人の休日倶楽部で購入したチケット
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結局、東京駅にたどり着いたのは午後2時を回っていたけど、それが何か?って感じ。まずは乗り鉄の熱い血を抜くべく新青森を目指してはやぶさ号だな、と。これから4時間たっぷり時速300kmの列車に揺られるぞ、と。

オバ記者
はやぶさ号に乗ってテンションは爆上がり!
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でね。東京駅の新幹線ホームで入線してくるはやぶさ号を待っていると私と同世代らしき外国人のご一行が! 最近、私の最寄駅の秋葉原でも外国人がものすごく目立つんだわ。アメリカ?それともヨーロッパから?どこから来たかわからないけど、みんなそれぞれ山あり谷ありの人生をおくって、日本旅行にたどり着いたのかな、なんて思ったりして。

オバ記者
駅のホームには外国人観光客がいっぱい
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さて、一夜明けた翌朝、ぼんやり目を覚ますと、ベッドの横に見慣れないカーテンが下がっている。

前日、新幹線の中で選んだこのホテルは、正直な話、このクラスでこの値段?と思わなくもなかったけれど、でも夜食カレーがついているし、「おひとつ選んでください」とカゴに盛られた菓子パンをすすめてくれてね。外に食事に出る元気のない身にはありがたいったらない。

それとね。これまで何度も人気のない夜の青森をふらついたことのある私は、昨夜の駅前の人混みが嬉しくて。ホテル代だって「ほんとにこの値段でいいの?」と心配になる価格より、「少し高くね?」のほうが心強かったりするんだわ。

行きあたりばったりのホテルに泊まり朝から海鮮丼

なーんてことをぼんやりした頭で思いながら、行き当たりばったりのホテルで迎える朝のなんと心安らかなことよ。この感覚はなかなか人に理解してもらえないんだけど、私は思い当たることがひとつだけあるの。それは徳島で生まれながら故郷を飛び出し鉄道工員になって茨城まで北上してきた祖父、久七さんなんだよね。昭和18年に亡くなっているし、写真の一枚も残っていない人だけど、きっと気が合ったと思う。

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青森で泊まったホテル
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で、この日の朝食は7時オープンの古川魚菜センターで海鮮のっけ丼だ! 2000円のチケットを買って市場内の店を回って好きな魚を選んで丼に乗せてもらうシステム。まぐろとブリは「切り身の半分?」というデカさでした。

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海鮮のっけ丼
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さあさ、ではでは10時10分新青森発はやぶさ52号で帰りましょうっと。夕方に着いて翌朝には帰京? 馬鹿じゃねーの、という声が遠くから聞こえて来るけど、翌日は糸魚川で撮影の仕事が入っているの。疲れた顔でカメラの前に立つわけにはいかないから、なるべく早く帰りたいのよ。それでも青森に来たのは、北国特有のアイスブルー色の空気を胸いっぱい吸い込みたかったから。

オバ記者
アイスブルー色の空気を胸いっぱい吸い込んで
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東京に向かって走り出したばかりのはやぶさ号の車窓から見たこの空の色はどうよ! ああ、あと3日、このチケットが有効のうちは日本の半分は私のものよ、なーんてね。まだまだ鉄旅は続く。67歳。元気ならなんでもできる気がするわ。

オバ記者
東京へ帰ります!
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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