時間がかかりがちな鍋料理も、コツさえ押さえれば驚くほど短時間で仕上がる。食材の使い方や煮込んだ風にする工夫によって、短時間で作ったとは思えない絶品料理に! 寒くなるこれからの季節にぴったりな新・時短レシピを、ぜひマスターしてください。
火が通りやすい食材使いと“煮込んだ風”にする工夫で
「火の通りが早い食材や、加熱しなくても食べられる食材を使うといいですよ。例えば、薄切り肉や魚の切り身、練り物、きのこやトマトなどです。また、細かく切る、薄く切る、小房に分けるなどして、火が通りやすい形状にすることも大事。
調味料で、コクや濃厚さをプラスするのも手です。まるでしっかり煮込んだような仕上がりになるため、本来なら長時間かけないと出ないはずの味わいが、短時間で完成します」(フードコーディネーター・大友育美さん)
【10分】「丸ごとトマトとかぶのおでん」のレシピ
具から味が出るので調味は白だし1つでOK。練り物、かぶ、トマトはどれもさっと加熱する程度で火が通り、だしとしても優秀。
《作り方》
【1】かぶ小2個は皮をむき、葉は3cm長さに切る。トマト2個はヘタ部分をくりぬき、ちくわ2本は斜め半分に切る。
【2】鍋に水2カップ、白だし大さじ3、かぶの葉以外の【1】、さつま揚げ4枚を入れ、中火にかける。煮立ったら蓋をし、弱火で10分煮る。
【3】かぶの葉を加えてさっと煮て、トマトの皮が気になる場合は除く。好みで練り辛子、柚子こしょう、黄柚子こしょうなどを適量を添える。
【6分】「塩さばの南蛮漬け風」のレシピ
揚げずにさっぱり!野菜がシャキシャキ。塩さばを使うことで、時間をかけなくてもしっかり煮たような味わいに。
《作り方》
【1】玉ねぎ1/4個とピーマン1個は薄切り、にんじん4cmはせん切りにし、塩さば(骨抜き済み)半身1枚は食べやすく切る。
【2】鍋に白だし大さじ2、水・酢・砂糖各大さじ1、玉ねぎ、にんじんを入れ、さばをのせてこしょうを振る。蓋をして中火にかけ、5分加熱する。
【3】ピーマンをのせ、蓋をして1分加熱する。
【10分】「ロールチャーシュー」のレシピ
見た目も味もチャーシューそのもの。薄切り肉を巻くことで、塊肉よりも早く火が通り味染みに。細めに巻くのがコツ。
《作り方》
【1】まな板にラップを敷き、豚ロース薄切り肉200gを少しずつ重ねながら縦向きに並べる。片栗粉小さじ1と1/2を全体に薄く振り、手前から細く巻く。
【2】鍋に水1カップ、しょうゆ・砂糖・みそ各大さじ1、つぶしたにんにく1片を入れて中火にかける。煮立ったら【1】を巻き終わりを下にして加え、蓋をして中弱火で10分煮る。器に盛って煮汁をかけ、好みで豆板醤・サラダ菜各適量を添える。
【10分】「とろっとサムゲタン風スープ」のレシピ
鶏の旨みとしょうがの風味でポカポカ!加熱された餅が溶けて、煮込んだような口あたりに。塩麹で味に深みも出る。
《作り方》
【1】長ねぎ1本は斜め切りにし、切り餅2個は1個を4等分に切る。
【2】鍋に水1と1/2カップ、しょうがの薄切り2枚、鶏もも唐揚げ用肉150g、【1】、塩麹大さじ1を入れて中火にかけ、煮立ったら弱火で10分煮る。器に盛り、クコの実適量をのせる。
【10分】「鮭のカポナータ風」のレシピ
鮭の加熱とソース作りを同時に。鮭を上にのせることで野菜が蒸されて早く火が通る。野菜は小さめにカット。
《作り方》
【1】玉ねぎ1/4個、なす1本、黄パプリカ1/4個は1cm角に切る。
【2】鍋に【1】、トマトの水煮1/2パック(200g)、コンソメ(顆粒)小さじ11/2を入れ、塩・こしょう各少量を振った生鮭2切れをのせる。蓋をして中火にかけ、10分煮る(途中煮立ってきたら火を弱める)。器に鮭を盛ってソースをかけ、パセリのみじん切り適量を振る。
【10分】「みそドミグラスシチュー」のレシピ
ドミグラス缶と牛肉でごちそう感たっぷり。みそでコクが加わり、長時間煮込んだ風に。みそはドミグラス味とも好相性。
《作り方》
【1】玉ねぎ1/2個は8mm幅に切り、にんじん3cmは薄い半月切りにし、エリンギ2本は長さを半分に切ってから4つ割りにする。
【2】鍋に水1と1/2カップ、みそ・トマトケチャップ各大さじ2、砂糖小さじ1、ドミグラスソース缶1/2缶(150g)、【1】を入れて中火で8分煮る。
【3】小房に分けたブロッコリー6個を加え、塩・こしょう各少量を振った牛切り落とし肉200gをほぐし入れ、2分煮る。
◆教えてくれたのは:フードコーディネーター・大友育美さん
国際中医薬膳師。作りやすく体に優しい料理が人気。『いたわり発酵ごはん 不調しらずの体をつくるおいしい薬膳の知恵』(マイナビ出版)など著書多数。https://www.instagram.com/ikumi_otomo/?hl=ja
撮影/菅井淳子 スタイリング/三谷亜利咲 取材・文/平井薫子
※女性セブン2024年10月24日・31日号