マネー

夫の退職金を2億円に化けさせた“億り人主婦”も!人生の後半戦から投資を始めたマネーの達人たちの投資術

しわだらけの手でマウスを持ちパソコンを操作する人の手元
人生の後半戦から投資を始めて軌道に乗せたプロたちの成功例は(写真/PIXTA)
写真4枚

老後資金「2000万円問題」がいまだ解決する兆しをみせずにいるなか、不安に思う人も多いはず。しかし心配は無用。わずか3年半で“億り人”になった主婦など、お金のプロや達人に、60才以降に行う資産運用のコツを聞いた。

株価10倍の「テンバガー」

人生の後半戦から投資を始めて軌道に乗せたプロたちの中には、夫の退職金をわずか3年半で2億円にした“億り人主婦”もいる。現在は専業投資家となったナスダッ子さん(63才)だ。

オーバー60の資産運用の株と債権の割合のグラフ
オーバー60の資産運用の鉄則は「株4:債権6」
写真4枚

「投資を始めたのは55才だった2017年です。夫の退職金のほか、それまでの貯蓄など約6000万円を元手に個別株に投資しました。

アマゾン・ドット・コムやエヌビディアといった『ハイテク銘柄』のおかげで、3年間で2億円を超えました。“賭け”でもあったので、誰にでもおすすめできる方法ではありませんが、私は主にアメリカのハイテク企業に500万円、1000万円単位で高額一括投資して、持ち続けていました。いまでは、評価額は3億5000万円になっています」

老後資金づくりのために始めた投資で思いがけず億り人になる人は少なくない。6年前に旧つみたてNISAで投資デビューした助産師の塩塚さん(62才)もその1人だ。

「会社員の夫と2人で始め、初年度に投資したのは200万円だけ。夫婦で働きながら少しずつ増やして、評価額は1億1476万円になりました」

新NISAだけではなく個別株を狙う

億単位の成功者になるのは簡単ではないが、不可能ではない。新NISAだけでなく、よりハイリスク・ハイリターンな「個別株」で、短期間での増額をねらうのだ。ナスダッ子さんを億り人たらしめたのは、アメリカのハイテク企業の個別株だった。

「もともとゲームが好きで、ゲームコンピューターの頭脳とも呼べる半導体の製造を手がけていたエヌビディアに興味を持っていたところ、2017年頃にその技術を自動運転に活用しようと世界中の自動車メーカーの注目を浴び始めたのを見て、購入を決めました。

さらに2023年頃には同社が開発を後押ししてきたChatGPTが話題になり、なんと1回の決算で3000万円近い値上がりも。今年の7月頃には、資産の8割近くがエヌビディアの株になったほどです」(ナスダッ子さん)

自身の資産運用のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得したカズターンさんも、アメリカの経済成長と円安の恩恵を受けたと語る。

「私はアメリカの高配当ETFの『VYM』を中心に、コカ・コーラやマイクロソフトといった日本でも有名な大企業の個別株を7~8銘柄ほど長期で保有し、着実に資産を増やすことができています」(カズターンさん)

もちろん、日本株の投資信託に投資するのも有効だ。自分の知っている企業もあり、業績に関するニュースも目に入りやすい。なかのアセットマネジメント代表の中野晴啓さんは言う。

「米国株だけに投資するのは、日本円を海外に流出させることにもなる。せっかく60才を過ぎて投資するのだから、次世代に豊かな日本を残し託すという意味でも、日本株にも目を向けてみてほしい」(中野さん)

日本の個別株で“勝負”に出たいなら、大企業だけでなく「中小型株」「グロース株」を買う手がある。『50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか?』の著者でファイナンシャルプランナーの鬼塚祐一さんが言う。

「インデックスファンドは基本的に有名な大型株に投資していますが、大企業はすでに“成長しきった後”。大きな値上がりをねらうなら、“時価総額500億円以下”の中小企業の中で“今期増収率20%以上、来期増収率15%以上”と成長段階にあり、かつやる気にあふれた“オーナー社長”といった条件で探してみましょう。これらに当てはまる企業は、いずれ株価が10倍になる『テンバガー』になる可能性を秘めています」(鬼塚さん)

※女性セブン2024年10月24・31日号

「新NISA」のほったらかし投資でも2000万円はつくれる!ことを示すグラフ
「新NISA」のほったらかし投資でも2000万円はつくれる!
写真4枚
シニア投資家が本当に持っているいま、注目の投資先の一覧表
シニア投資家が本当に持っているいま、注目の投資先
写真4枚
関連キーワード