家事・ライフ

がんステージ4の森永卓郎さん“毎日違うヨーグルト”と“脂っこい肉”を積極的に食べる食生活で「いまは絶好調。死ぬ気がしない」 和田秀樹医師も「理に適っています」 

終末期のがんと公言している経済アナリストの森永卓郎さん
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昨年末に「ステージ4のすい臓がん」を宣告されてから約1年。「終末期のがん」と公言しながらも、変わらぬ活動を続ける森永卓郎さん(67才)が、現在の食生活について女性セブンに語った──。

好きなものを好きなだけ食う

終末期のがんを抱えたとき、人は何を口にするだろう。「食事はおろか水も口にすることすらできない」と考える人は多いのではないだろうか。

原発不明がんと生きる森永さんは、発見時にすでに「ステージ4」と診断され余命宣告もされたが、いまなおラジオ番組などを中心に精力的に活動を続けている。10月23日に出演したラジオ番組では、その日の朝食をこう明かした。

「今朝ね、調子がいいのに、調子に乗って……。カレーライスと、それから、たぬきそばと、温泉卵を食ったらですね、ちょっと食いすぎて……そうですね。ちょっといま、お腹がもたれてます(笑い)」

がんを宣告され、抗がん剤治療で“死の淵を見た”という森永さんが退院後に選んだのは、「好きなものを好きなだけ何も気にせず食う。やりたい放題。何も気にせずバットを振り抜く」生き方だ。

ヨーグルトは毎日、肉も積極的に

本誌・女性セブン前号(11月7日号)で紹介したのは、ラジオ番組で語るとおりの自由奔放な食生活だ。ラーメン、ケーキ、アイス、カレー、から揚げと好きなものを好きなだけ食べる自由な食生活で、毎日欠かさずに食べているものがある。

今では毎日ヨーグルトを食べている(写真/PIXTA)
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「がんになる前はほとんど食べてなかったのですが、いまは毎日ヨーグルトを食べています。唯一変わったところですね。がんになっていろいろな食事法や食材を“アドバイス”される中で、ヨーグルトは北欧などでずっと食べられてきた食品だし摂取のリスクはないだろうと食べ始めました。

すすめられたのはお医者さんが開発したヨーグルトで、これがけっこう高いんだけどすごくおいしい。ただ、お医者さんから『ヨーグルトはそれぞれ菌が違うから、毎日違う種類を食べた方がいい』と言われて、すっごい安いのからかなり高いのまで何百種類と変えてます。本当は気に入ったのを食べ続けたいんだけどね。毎日違うのを食べるってとても大変なんですよ(笑い)」(森永さん・以下同)

そして積極的に食べているのが肉。

体重を減らさないために肉を食べている(写真/PIXTA)
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「脂っこいものが好きだから、ロース、カルビ、あとは豚バラブロックなんかをよく食べます。私の最大の課題は体重減少を食い止めることですから。

避けているのは、効率が悪い野菜。少しの量しか食べられないのに、野菜は少量じゃ栄養がほとんど摂れませんから」

ベジファーストより肉ファースト

好きなものを好きなだけ食べることを決意してから、森永さんは「いまは絶好調。死ぬ気がしない」と話す。長年、高齢者医療の現場に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは、森永さんの食生活をこう評する。

「自分が好きなものを食べて、残りの人生を楽しもうとすることで免疫力が上がる」と精神科医の和田秀樹さん
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「まったくもって正しいです。がんに限らず、高齢になったら基本的に体重は落としてはいけないんです。免疫力が落ちますから。

がんの場合は余計にそうで、がん細胞は普通の細胞に比べて高頻度で分裂を繰り返すので、ものすごくカロリーを消費します。だからがんになるとやせてしまう。やせると体力も免疫力も落ちて余計に病状が悪化するという悪循環です」(和田さん・以下同)

和田さんはかねてより、シニアこそ野菜より肉を食べるべきと指南してきた。

「健康のためにはベジファーストとよくいいますが、高齢になったら肉ファーストです。野菜はそれだけでお腹いっぱいになり、やせてしまう。

また、免疫力を上げたいのであれば、好きなものを食べるのがいちばんで、森永さんの姿勢は非常に理に適っています。栄養素がどうとかを考えて、医者の言うとおりにしているから先進国の中で日本だけががんが増えていると思います」

免疫力が高まれば、がんに限らずあらゆる病気のリスクが減ると続ける。

「ぼくは糖尿病も高血圧も心不全もあって基礎疾患の塊みたいな体ですが、ワインが好きだから毎日飲むし、好物の揚げものもすごく食べる。だから免疫力が高い。これまで3回ほどコロナ陽性になりましたがいずれも無症状でした」

ヨーグルトが免疫細胞を活性化

毎日のヨーグルトも、森永さんの健康に寄与している。整腸効果が高く、腸活の代表食品であるヨーグルトは免疫力を高める効果についても期待されている。

ヨーグルトには免疫力を高める効果があるといわれている(写真/イメージマート)
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「免疫学者によると、ヨーグルトには免疫細胞であるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるという研究がある。NK細胞は、がん細胞も殺すといわれています。

ぼくも毎朝食べてますよ。朝食の定番はスパイスをかけたヨーグルトです。スパイスには血管拡張効果があるので、血流をよくするために摂っています。腸内細菌を整えるというヨーグルトもあれば、免疫力を活性化させると謳っているのもあるわけで、いろいろな種類を取り入れる方が、健康効果はより望めるかもしれません」

森永さんのお気に入りは、700gで3500円と高価だが、ヨーグルトの善しあしは価格ではない。

「値段が高いほどいいヨーグルトかといったら、そうとは限らないと思います。森永さんが実践されているように、違う種類のものをいろいろ食べてみるのがいいんじゃないでしょうか」

好きなものを自由に食べるという生き方には、当然リスクも伴う。森永さんも、「やりたい放題やって自由に生きることで、寿命が短くなる可能性もある」と、自身の食生活はあくまで個人の判断だと話す。

塩分やカロリーは過剰よりも不足する方が害に?

一方で、シニアだからこそ、塩分やカロリーといった数値にとらわれすぎないことも必要だ。

「年を取れば取るほど、過剰よりも不足する害の方が大きくなります。例えば塩分。日本人の塩分摂取量の目安は1日あたり、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満とされていますが、17か国を対象とした10万人以上の大規模調査ではその摂取量だと、1日あたり10~15g摂っている人より40%も死亡率が高いと報告されました。

コレステロールも生活習慣病のリスクが高まるなんていうけれど、女性ホルモンや免疫細胞の材料となる重要な栄養素ですから、制限しすぎると免疫力も低下するし、骨粗しょう症になるリスクも高まる。摂りすぎることよりも足りないことに気を配るべきです」

自分の命をどう生かすか。これまで森永さんの経済分析からマネー術を学んできたように、いま森永さんが本当に食べている食事から学ぶことは大いにある。

※女性セブン2024年11月14日号

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