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美しさだけでなく歯を強くする「ホワイトニング」、歯の表面を覆う膜を除去しフッ素を塗布するため虫歯予防効果も

ホワイトニングは歯を強くする(Ph/photoAC)
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女性の平均寿命は60年前と比べて20才近く延びているが、余命が20才延びると食事回数は生涯で2万回増えるという。死ぬまで自分の歯でおいしく食べるためにデンタルケアを見直すべきだ。正しい歯みがきに加え、ホワイトニングで強く輝く歯を作ることも大切だ。ジュエルホワイトクリニック広尾院長の登坂万喜さんに聞いた。

「歯を強く」を実現するホワイトニングの秘訣

「歯の健康が重要視される現代では、審美歯科への意識も高まり、幅広い年齢層の人が自分の歯の色を気にしていると感じます」と話す登坂さん。

「まず知ってほしいのはクリーニングとホワイトニングの違いです。歯の表面についている汚れ(ステイン)を落とすのがクリーニングで、歯自体の色を白くするのがホワイトニングです。つまり、クリーニングで歯が白くなるわけではありません」(登坂さん・以下同)

ホワイトニングの前(上)と後(下)。白く健康な歯だと見た目がマイナス5才若返る!(写真提供/ジュエルホワイトクリニック広尾)
ホワイトニングの前(上)と後(下)。白く健康な歯だと見た目がマイナス5才若返る!(写真提供/ジュエルホワイトクリニック広尾)
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どんなに歯みがきをしても、歯は日々の生活で黄ばんでしまうものだが……。

「歯が黄ばむ原因は大きく分けて2つあります。1つ目は外的要因で、コーヒーや赤ワイン、カレーなど濃い色の食品を摂取することで歯の表面に着色汚れがつくことで起こります。

2つ目は内的要因です。歯の表面にある半透明のエナメル質が、加齢とともに摩耗して薄くなるため、その下の黄色みを帯びた象牙質の色が透けて見えてしまうのです」

黄ばんだ歯を漂白して白くするホワイトニングは、主に過酸化水素や過酸化尿素を使用する。以前は、歯がもろくなるなどといわれ、ホワイトニングは歯に悪いイメージがあったが…。

「現在使用されている過酸化水素や過酸化尿素はもともと歯周病の治療薬として研究されていた成分です。殺菌効果で口腔内環境を改善でき、漂白処置により歯の表面を覆う膜(ペリクル)を除去し、その直後にフッ素を塗布するため、虫歯予防効果もあります」

歯を美しくすることで、強くもしてくれるのだ。

歯科医院のホワイトニングはエナメル質と象牙質に作用する

歯科医院のホワイトニングはエナメル質と象牙質に作用する
歯科医院のホワイトニングはエナメル質と象牙質に作用する(イラスト/Koti/PIXTA)
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歯冠の表面を覆うエナメル質は人体で最も硬く、その下の象牙質は黄色。加齢とともにエナメル質が薄くなり象牙質の色が濃くなるのが、年々歯が黄ばむ要因だ。ホワイトニング専門の歯科医院では、この両者を専用の薬剤で漂白していく。

オフィスホワイトニングの施術の流れとは?

オフィスホワイトニングの施術は以下の流れになる。

【1】カウンセリング

【2】クリーニング

【3】ホワイトニング

【4】仕上げとチェック

ホワイトニングの施術が終わったら、歯の表面の薬剤をなじませた後、仕上げに再度、歯のクリーニングを行い、歯の色をチェックする。施術前と施術後の歯の色を比べ、どのくらい白くなったかを確認して、施術は終了となる。

オフィスホワイトニングの施術の流れ
オフィスホワイトニングの施術の流れ
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ホワイトニングの種類

ホワイトニングは、通院でのオフィスホワイトニング、自宅でのホームホワイトニング、両方併用のデュアルホワイトニングの3種類から選べる。

【1】オフィスホワイトニング

施術場所:歯科クリニック

施術者:歯科医師または歯科衛生士

施術方法とメリット・デメリット:口腔内を確認し、歯茎を守る処置をして薬剤塗布、光などを当てる施術を行う。早く効果が出て、痛みや違和感のトラブル対応可なので安心だ。

使用薬剤:過酸化水素

1回の所要時間:約40分〜2時間

料金目安:約2万〜6万円

【2】ホームホワイトニング

施術場所:歯科クリニック+自宅

施術者:歯科医師または歯科衛生士+自分自身

施術方法とメリット・デメリット:歯科医院で自分の歯型のマウスピースを作り、薬剤の処方を受け、自宅でセルフケア。自宅用の低濃度の薬剤を使うため、知覚過敏などの痛みが出にくく、白さが長持ちする。一方で、効果を感じるまでに時間がかかる場合もある。

使用薬剤:過酸化尿素

1回の所要時間:約40分〜8時間

料金目安:約1.5万〜4万円

【3】デュアルホワイトニング

施術場所:歯科クリニック+自宅

施術者:歯科医師または歯科衛生士+自分自身

施術方法とメリット・デメリット:オフィスホワイトニングの施術を受診した後、ホームホワイトニングを自宅で行う。併用することで最も歯を白くできる方法。集中的に施術を行うため、痛みや違和感が出やすい面も。歯白くする効果が高く、来院回数が少なくて済む。

使用薬剤:過酸化水素+過酸化尿素

1回の所要時間:約40分〜8時間

料金目安約3.5万円〜

※「オフィスホワイトニング」は歯の総数28〜32本を対象に、薬剤塗布と光照射によるホワイトニング施術を行った場合の料金(ただし奥歯などは施術できないためクリニックによって範囲は異なる)。「ホームホワイトニング」は全歯型をとったマウスピース作成料と専用ジェルセット代。「デュアルホワイトニング」はオフィスホワイトニングとホームホワイトニング両方の合計額。

ホワイトニングの種類
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◆教えてくれたのは:「ジュエルホワイトクリニック広尾」院長・登坂万喜さん

歯科医師。大手審美歯科医院勤務後、現在の女性専用ホワイトニング専門クリニックを開業して13年目。一人ひとりの歯の質に合ったオーダーメードのホワイトニングを行っている。

取材・文/北武司

※女性セブン2024年11月21日号

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