《“生涯の友人”インタビュー》酒井和歌子、青春期を一緒に過ごした柏木由紀子と引かれ合うように再会し友人関係が復活「つきあった年数は長いから、積み重ねがあって気取らなくていい関係」
![俳優・酒井和歌子](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
友人は家族とは違い、関係を続けるのも、遠ざけるのも自由で「個人の判断」で構築される存在だ。だからこそ何十年も続く関係はとても大切で、大事にしたい。酒井和歌子(75才)が数年ぶりに再会し復活した柏木由紀子の関係性について語る。
行動力だけはある私とは対照的でした(笑い)
どれだけ月日が経っても、幼き日の友人と再会すればすぐに打ち解け合える。2016年8月に放送された『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で、俳優の柏木由紀子(76才)と数年ぶりに顔を合わせたのは俳優の酒井和歌子だ。
「すごく久しぶりに柏木さんとお会いして、私の方から“携帯電話の番号を交換しましょう”と提案しました。それまでは仕事現場などでたまに会っても連絡先を交換するまではいきませんでしたが、私も年を取って暇もできましたし、柏木さんも子育てが終わって時間があるだろうなと思いました」(酒井・以下同)
番組で旧交を温めて以降、2~3か月に1回は2人きりで会う関係になった。
「私は旅行好きで、柏木さんはファッション好きなので趣味は違います。けれど、お互いに芸能の世界にいるという共通項があるので、宝塚歌劇や歌舞伎を一緒に見に行きます。
最近は、子犬を飼い始めた柏木さんの家に行っておしゃべりすることが多いと思います。古い友達との会話なので何を話すでもなくずっとおしゃべりしていますが、どちらかというとおっとりした柏木さんが聞き役です」
そんな2人の出会いは65年前に遡る。酒井が小学4年生、柏木が小学6年生のときに揃って「劇団若草」に入団し、その後も一緒にファッションショーや雑誌のモデルなどを務めた。
![左から柏木、酒井](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「第一印象はあまり覚えていませんが、とにかく柏木さんは目立っていましたね。彼女は良家のお嬢さんでおしゃれでクールな都会派。外に出ることが好きで、行動力だけはある私とは対照的でした(笑い)」
互いに励まし合いながら思春期を過ごした2人は、ともに俳優の道に進んだ。中でも1972年の「カンヌ国際映画祭」で一緒の時間を過ごしたことは、忘れられない思い出となった。
「篠田正浩監督、岩下志麻さん主演の『沈黙』がカンヌにノミネートされて、たまたま同行しました。柏木さんはちょうど坂本九さんとの新婚旅行を兼ねて現地に来ていて、一緒にリドのショーを見に行ったのを覚えています。新婚さんのお邪魔をして悪かったけど、とても楽しい時間でした」
年齢もほとんど同じで、“同志”のような存在
その後、独身を貫きながら仕事を続けた酒井と、1985年に夫の坂本さんを43才で飛行機事故で亡くしたのち、2人の娘を育て上げた柏木。仕事に子育てと、人生の半ばはお互いにやるべきことが多く、あまり接点がなかった。そんな2人が引かれ合うように再接近したのが、前述の『徹子の部屋』だった。
「重ねた経験はお互いそれぞれですけど、つきあった年数は長いから、その積み重ねがあって気取らなくていい関係です。年齢もほとんど同じで、“同志”のような存在です」
ほかにも気持ちをわかり合える同世代の仲間がいるのもうれしいことだ。酒井、柏木に音無美紀子、小川知子、渡辺政江を加えた70才超のベテラン俳優たちは「子役会」を結成し、年に数回の集いを楽しんでいる。
「お正月や5月のバラの季節に集まって、持ち寄りパーティーなどでワイワイ過ごします。柏木さんはお料理が上手だけど、私と渡辺さんはまるでダメ。もっぱらスイーツを持参する係です(笑い)」
子役会を楽しみつつ、柏木との気の置けない関係をゆっくりと味わうのが酒井のスタイルだ。
「柏木さんと会ってからしばらくすると、何となく、どうしているかなって電話をします。2人の気が合うのでしょうか、そのタイミングも絶妙です。
それで顔を合わせて、お茶を飲んで2~3時間おしゃべりをする。心地いい時間です」
SNSでもしばしば幸せそうな笑顔の2ショットを披露する2人。65年来の親友に、酒井はこんな言葉を送る。
「お互いにいくつまで生きるかは、こればかりはわからないからね。がんばって一緒に健康で長生きしよう! ただそれだけですよ」
◆俳優・酒井和歌子
1949年、東京都生まれ。1959年、劇団若草入団。中学3年生のときにスカウトされ東宝に入社し、同年(1964年)の東宝映画『今日もわれ大空にあり』でデビュー。「若大将シリーズ」でマドンナを演じたほかドラマや舞台で活躍。
※女性セブン2024年12月19日号