料理・レシピ

お正月太りの心配なんていらない、日本のパワーフード”餅”の楽しみ方

 

おかずアレンジやスイーツ系などバリエーション豊かに楽しめる(写真/PIXTA・以下同)
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日本のお正月に欠かせない“餅”。お雑煮はもちろん、和・洋・中さまざまな料理にアレンジして楽しみたいが、気になるのはカロリー。食べ始めたら止まらない餅を、おいしく健康的に食べるコツを管理栄養士で料理家の新谷友里江さんに聞いた。

効率よくエネルギーを摂取できて腹持ちがいいパワーフード

「切り餅1個(50g)は112kcal。2個食べると、ご飯1杯(150g/234kcal))とほぼ同じカロリーになります。餅に多く含まれている炭水化物は体を動かすエネルギー源。餅とお米同量だと餅のほうが含まれる炭水化物量が多いため、少量で効率よくエネルギーが摂取できます。そのため、マラソンランナーなど持久力が必要なアスリートは、試合の日の朝ごはんに餅を食べる人もいるそう。また、餅に含まれる餅米由来のでんぷんは消化酵素による分解速度が遅いため、腹持ちがよいのも特徴です。揚げるとさらにカロリーが高くなってしまうので、油を使わずに焼いたりゆでたりするのがおすすめです。

カロリーと同様気になるのが糖質。糖質の吸収が穏やかになる食物繊維が多い食品と一緒に食べて血糖値の急上昇を防ぐことで、太りにくくなります。野菜がたっぷり入ったお雑煮は理にかなった食べ方ですね」(新谷さん)

野菜や肉と一緒に食べるお雑煮は、血糖値が上がりにくい
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食物繊維豊富な食材と一緒に摂ることで糖質の吸収が穏やかに

餅は炭水化物のほか食物繊維やたんぱく質、カリウム、ビタミンB1などが含まれる、栄養面でも優秀な食材。一緒に食べると糖質の吸収が穏やかになり、より効率的に栄養を摂れる食材も教えてもらった。

●大根おろし・・・大根おろしには糖質の消化を助ける酵素が入っているので、一緒に食べると消化が促進される。
●納豆・・・たんぱく質や食物繊維が豊富で、糖質の吸収を緩やかにしてくれる。
●のり・・・食物繊維やミネラル分が豊富で、糖の吸収を緩やかにしてくれる。また、餅に含まれていないビタミン類も取れる。
●豚肉や卵・・・糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB群を豊富に含んでいる。

定番のからみ餅やのりを巻いた焼き餅は、健康面でもおすすめのメニューだ。

小腹が空いたときにうれしい納豆餅は、栄養面も優秀
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よく噛んで事故を防止。むくみ予防、フェイスアップ効果も

さらに注意したいのが、餅を喉につまらせる事故。安全に食べるためには
●噛みやすいよう、小さく薄く切る。
●食べる前に水分を摂り、喉の通りをよくする。またはお雑煮など汁物として摂る。
●充分噛んでから飲み込む。
といったことを心がけたい。

前出の新谷さんは、「よく噛むことは美容にもつながる」と言う。
「噛む回数が増えることで満腹感が得られやすくなります。さらに、頬や口周りをよく動かすことで血流がアップ。むくみ予防やフェイスラインのシェイプ効果も期待できます」

食べ方を工夫すれば、お正月太りの心配なし!  健康、美容効果もばっちりなので、今年の冬はたっぷりお餅を楽しみたい。

取材・文/丸山月世美