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【老後資金を増やすために…】“働いて安定した収入”を得ながら“余剰資金を低リスクの金融商品に投資”がおすすめ 両者のバランスをとることが豊かな老後につながる

豊かな老後を送るには、それなりの資金が必要になる(写真/イメージマート)
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安心して老後を暮らすためには、それなりの資金が必要だ。もしも老後資金が不足したら、または家族により大きな資産を残したいと思ったら──老後資金を「どうやって増やすか」が議題となる。

退職金を増やそうと知識がないのに投資するのは危険

お金を増やす方法は主に「投資」と「労働」の2つ。新NISAなど投資が注目されているが、中高年以降に安易に投資で増やそうとするのはおすすめできない。行政書士でファイナンシャルプランナーの松尾拓也さんが語る。

知識がないのに退職金を増やそうと投資を始めるのは危険(写真/イメージマート)
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「投資は大きく増やせる可能性がある一方で、大きく減るリスクもあるからです。たとえ減っても若ければ取り戻す時間がありますが、老後の時間は限られています。そもそも投資は一攫千金の裏ワザではなく、リスクとリターンは基本的に比例するもの。

中高年になってからの投資スタートでは、資産を大きく増やすための時間も経験も足りないと思います」

「退職金を受け取るなり、金融機関にすすめられるまま投資デビューして大失敗してしまった」というケースは少なくない。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「退職金を増やそうと、知識がないのに誰かの言いなりになって投資を始めるのは、もっとも危ないパターンです。それを防ぐためには、事前に子供から声をかけること。

“投資なんてしてないよね?”などと、一方的なアドバイスでは親のプライドを傷つけかねないので“自分の将来のために勉強しておきたいから、つきあってなどと持ちかけて一緒に金融機関に相談してみたり、退職金は何に使うか決めているの?と、それとなく探りを入れるのもいいでしょう」

働きながら無理のない範囲で投資

結局のところ、もっとも確実にお金を増やす方法は働くことだと、社会保険労務士の井戸美枝さんは言う。

「投資には資産が減るリスクがありますが、働けばその分のお金は確実に受け取れます。ただし重要なのは、いつまで、どんな仕事を続けるか、現実的に考えること。本人の希望も大切ですが、健康状態などを加味しながらどんな仕事で何才頃に辞めるべきか客観的に考えられるのは、やはり家族でしょう」

働いて安定した収入を得ながら無理のない範囲で投資をするのはひとつの手だ。

働きながら無理のない範囲で投資をするのが良い(写真/PIXTA)
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「パートなどの給与と年金で安定した収入を確保できれば、余剰資金を低リスクの投資商品に回すのは問題ないでしょう。大切なのは両者のバランス。無理をして働き詰めになって体を壊してはかえって医療費がかさみますし、投資だけをあてにして財産を失っては元も子もない。両方を適度に組み合わせることが、無理なく豊かな老後のために必要なのです。

無理に新NISAや株などで投資する必要はなく、低リスクの個人向け国債を買ったり、金利の低い銀行から高い銀行に移すだけでもいい。インフレでお金の価値が目減りしやすく災害や盗難リスクもあるので、たんす預金だけは避けてください」(三原さん)

松尾さんは「親のために家族会議をすると、いずれ自分のためにもなる」とアドバイスする。

「50~60代は、親のことが心配になると同時に、自分たちの未来も気になり始める時期。老後の問題は切羽詰まらないとなかなか動き出せず、動き出したときにはもう遅い場合も少なくありません。

親の老後資金について家族会議を開くと同時に、それを自分たちの将来を考えるきっかけにしてほしい」(松尾さん)

どうやって貯めて、使って、残すか。人生最後にして最大の「お金の問題」を家族一丸となって解決できれば、その後は、本当の意味で自由な老後が待っているはずだ。

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※女性セブン2025年2月20・27日号