健康・医療

《健康習慣》名医と健康のプロがやっている“食事前のルーティン”「水分補給」「運動」「うがい、歯磨き」「ガムを噛む」「野菜ジュースを飲む」

腹式呼吸を意識し、精神を落ち着かせる【深呼吸、瞑想をする】

神経内科医の米山公啓さんは、仕事後に帰宅し、夕食をとる前に軽い瞑想と深呼吸を取り入れることにしている。

「私は家に帰っても、すぐに食事をすることはありません。仕事モードから帰ってきてすぐは心拍数が上がっていて緊張状態が続いています。それでは食事を楽しめず、精神的にもよくありません。そこで私は、目を閉じて大きく深呼吸を行い、リラックスモードに切り替える時間を10分ほど作るようにしています」(米山さん)

「深呼吸は消化吸収を促し、消化不良の予防につながります」(望月さん)
「深呼吸は消化吸収を促し、消化不良の予防につながります」(望月さん)(写真/foly/PIXTA)
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食前に飲むと血糖値の上昇がゆるやかに【野菜ジュースを飲む】

野菜不足を補うために野菜ジュースを飲むといいと言うのは石原さん。

「白米を食べる30分前に野菜ジュースを飲むと、食後の血糖値を抑えられるという研究データ(上グラフ)があります」(石原さん)

望月さんはさらにヨーグルトを加えている。

「無糖の野菜ジュース1パック(200ml)とヨーグルト50gを摂ると、ジュースに含まれる食物繊維とヨーグルトのたんぱく質の働きで血糖値の上昇が抑えられます」(望月さん)

血糖値最大変化量の結果 
血糖値最大変化量の結果
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カロリーのあるものを少量口にし、満足感を出す【何かを口にひと口入れておく】

少量のおやつなどを口にするのもいいようだ。

「夕食前、お腹がすきすぎているときはチョコレートや黒糖などを1〜2粒口に入れます。少しだけ血糖値を上げることで満足感が出て、食べすぎを防ぎます」(石原さん)

内科医の左藤桂子さんは外食前のプロテイン摂取を欠かさない。

「プロテインは腹持ちもよく、ドカ食いを防げます。たんぱく質も摂れるので、栄養補充にもなります」(左藤さん)

「ゼリータイプのプロテインを持ち歩いて飲んでいます」(左藤さん)
「ゼリータイプのプロテインを持ち歩いて飲んでいます」(左藤さん)(写真/Naoki/PIXTA)
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熱めの温度で交感神経を優位にし、食欲を抑制【お風呂に入る】

意外にも、「食事前に入浴すると食べすぎを防止できる」と、松村さんは言う。

「目覚めをよくするため、朝食前に41℃のお湯に10分間つかります。熱めのお湯にすることで交感神経が優位になり、やる気が出るうえ、適度に食欲を抑えてくれるので、食べすぎ防止にもなります」(松村さん)

山形さんは夕食前に入浴すると言う。

「血流がよくなり、消化器官の働きが活発になります。入浴後は常温の水をコップ1杯飲み、代謝を高めています」(山形さん)

炭酸水などと割って、胃の動きをよくする【酢を飲む】

大塚さんは、炭酸水で割ったりんご酢を飲むのを続けていると話す。

「食前に飲むことで胃の動きがよくなり、糖の吸収を抑えてくれます」(大塚さん)

薬膳コンサルタントの阪口珠未さんも、食前酢の効果に期待する。

「薬膳では、開胃といって、食事の前に酢の物を食べて消化液の分泌を高めます。消化を高めつつ、食欲をコントロールしやすくなります」(阪口さん)

骨を丈夫にし、質のよい睡眠を促す【カーテンを開けて日光を浴びる】

朝食をとる前にカーテンを開け、10分ほど日光を浴びる、と言うのは大塚さんだ。

「日光を浴びることでビタミンDが形成され、骨も丈夫になります」(大塚さん)

山形さんも朝の日光を浴びることを大切にしている。

「背中でもいいので朝日を浴びます。体内時計が整うのか、エネルギーが上がりやすくなるのを感じます。特に朝の自然光にはセロトニン(幸せホルモン)の分泌を促す効果があり、夜の睡眠にも重要です」(山形さん)

「蛍光灯の光では効果がないので、曇りの日でも必ずカーテンを開け、日光を浴びましょう」(大塚さん)
「蛍光灯の光では効果がないので、曇りの日でも必ずカーテンを開け、日光を浴びましょう」(大塚さん)(写真/mits/PIXTA)
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※人物写真はすべてイメージ。

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2025年3月27日・4月3日号