社会

《史上最高値更新》スーパーのコメ「4000円」突破で「きっと備蓄米放出でも下がらない」庶民の悲鳴

オバ記者
この間まで3380円で売っていたお米が4480円に値上がりしてる!
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農林水産省の発表により、コメの高騰を巡る厳しい現実が突きつけられた。3月17日、農水省は、3月3日~9日にスーパーマーケットで販売されたコメ5キロあたりの平均価格が、4077円だったと発表した。これは前年同期と比べて99.3%、前週比でも125円高い。

「スーパーで売られるコメ(5キロ)は、これまで4000円を超えたことがなく、史上最高値だといわれています。これは平均の値段ですから、ブランド米だと5000円を超えて、もはや6000円に近いものまであります。この流れを止めるべく、21万トンもの政府備蓄米が3月下旬に放出され、スーパーの店頭に並ぶようです」(全国紙社会部記者)

イレギュラーな状況です

備蓄米放出に期待する声が聞こえるが、効果は限定的だともっぱらだ。そもそも昨年夏からコメが値上がりし、その頃は、当時の坂本哲志農水相が「新米が出回れば品薄が回復する」と言っていたが、それがどうだろうか。現実は、新米が出回る秋を迎えてもコメの値段は上がり続けた。

「備蓄米が放出されればクリアになるような状況ではありません。それほどイレギュラーな状況です。そもそも備蓄米は食料安全保障のために確保されているもので、品種や産地がバラバラ。一般のスーパーに出回るというより、業務用や加工米として流通するのがメインだとみられています。買い占め業者が、値段が下がらないうちに転売することは考えられますから、一時的にコメの値段が下がる可能性はあります。ただ、根本的な解決にはならず、効果は限定的という見立てが強い」(前出・全国紙社会部記者)

値下がりした白米を冷凍

既に、「備蓄米放出でも米価はそこまで下がらない」という報道がなされていることもあり、庶民の食卓では“コメ控え”が進んでいるという。埼玉県在住の50代主婦が話す。

「うどんやパスタ、パンが主食になる日を増やしています。ただ、それでも“お得”ということではありません。冷凍食品のチャーハンやおむすびはそこまで値上がりした感じがしないので、今のうちに買い込んでいますし、スーパーの閉店間際にお惣菜コーナーの値下がりした白米を買って冷凍したりと、家に備えているコメを減らさない努力をしています。いずれにせよ、エンゲル係数は上がり続けています」

政府の見立てと異なり、“令和のコメ騒動”は、まだ解決の糸口が見つからない。

備蓄米を蓄えている倉庫(時事通信フォト)
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スーパーの米の価格は、5kgあたり5000円近くまで高騰。「令和の米騒動」と呼ばれる事態に陥っている(時事通信フォト)
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日本人の生活に欠かせない米の価格が急騰している(写真/イメージマート)
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