
今田美桜(28才)がヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)は、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかしさんとその妻・小松暢さんをモデルに、「アンパンマン」を生み出すまでの物語だ。小松さんがモデルの朝田のぶ役を今田、やなせさんがモデルの柳井嵩役を北村匠海(27才)が演じている。
物語は、のぶが幼少期を過ごした高知県から始まるため、ロケも実際に高知県などで行われた。朝ドラのヒロインといえば、最終回まで連日画面に登場し、ヒロインの人生の大半が描かれるのが定番だ。
「今田さんは、のぶの10代から晩年までを演じます。第1回の冒頭では50代前半ののぶと嵩が登場し、嵩が初期のアンパンマンを描いているシーンが描かれましたが、今田さんのあの“老けメイク” は3時間近くかかった大作だったそうです」(NHK関係者)
しかし、長い準備時間は、働き方改革とのせめぎ合いでもあったという。
「朝ドラの現場では、2018年後期の『まんぷく』あたりから時短が徹底されるようになり、それまで深夜までかかっていた撮影が午後7時頃には終わるようになりました。ただでさえ短くなった撮影時間が、長時間かかるメイクで圧迫されるため、シーンによってはリハーサル無しのぶっつけ本番というケースもあるそうです」(前出・NHK関係者)
今田にはさぞかしプレッシャーがかかると思われるが、そこは周囲を固める実力派俳優たちのバックアップがあるという。嵩の父母役を演じる二宮和也や松嶋菜々子を筆頭に、のぶの両親は加瀬亮と江口のりこ、妹には日本アカデミー賞主演女優賞を獲得した河合優実。さらに、妻夫木聡、竹野内豊、吉田鋼太郎、阿部サダヲ、戸田菜穂らが名を連ねる。
「松嶋さん(1996年『ひまわり』)と戸田さん(1993年『ええにょぼ』)は、どちらも朝ドラヒロイン経験者で、ヒロインの苦労やプレッシャーを知っていますし、他のキャストを見ても主演級のビッグネームばかり。そのため、リハーサル無しでも一発OKばかりで、時短の影響は微塵も感じさせない」(前出・NHK関係者)
今田にとっては、偉大な先輩たちが「愛と勇気」と同じぐらい心強い存在なのだ。