
グループ名変更と新メンバーの追加という激震に揺れていても、菊池風磨の「アイドル像」はブレなかった。その思いは“彼女”にも伝えたようだ。アイドルの本分を全うしようとする彼が選んだ“最善策”は──。
5人のメンバーが加わり、8人体制での活動を開始した新生『timelesz』。6月11日には新アルバム『FAM』を発売し、同月下旬からは全国8か所、全24公演を行うアリーナツアーが予定されている。
『Sexy Zone』時代からメンバーの脱退、改名などの紆余曲折を経た彼らの“リスタート”が上々の滑り出しとなった背景には、新メンバーを決めた一般公募オーディションの存在がある。
「オーディションに密着した番組『timelesz project(通称・タイプロ)』は、Netflixで昨年9月から世界独占配信され、社会現象にまでなりました。
自分たちの手で新たな仲間を探し、グループを再構築するというのは、旧ジャニーズ事務所のグループとしては前代未聞の試み。一部には新メンバーを公募することに批判的な意見もありましたが、選考の様子をリアルに見せたのが功を奏しました。オーディションでは候補者だけでなく、3人のメンバーの心情まで赤裸々に描かれ、視聴者はまるで“スポ根モノ”を見ているような感覚に。結果、多くのファンを獲得したのです」(芸能関係者)
オーディション番組が飽和状態のなか、既存メンバーの菊池風磨(30才)、佐藤勝利(28才)、松島聡(27才)の3人が審査員となり厳しい基準で候補者を選抜していくという、これまでにない新しい側面を見せたことも、多くの視聴者が釘付けになる理由だった。
2月15日配信の『タイプロ』の最終エピソードで、寺西拓人(30才)、原嘉孝(29才)、橋本将生(25才)、猪俣周杜(23才)、篠塚大輝(22才)の5人が新メンバーとして選ばれた。
新体制発足後には、グループ初の配信楽曲『Rock this Party』をリリース。ミュージックビデオも公開され、新メンバーたちの個性とパフォーマンスに注目が集まった。また、寺西が出演するミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が5月10日に開幕するなど、既存・新メンバーの隔てなくそれぞれが動き始めた。timeleszには、正式なリーダーは存在しない。しかし、これまでグループの中心的な役割を担ってきたのは菊池だ。
「前身のセクゾ時代から、いわゆる“渉外担当”で、彼の鋭い感性と発言力、明確なビジョンはよく知られていました。もう一度グループに向き合うための方法として、オーディションを提案したのも菊池さんです。メンバーがメンバーを選ぶという難しさもありましたが、タイプロでは、候補者に対して時に厳しい言葉で叱咤激励し高いレベルを要求しつつ、それぞれの個性を最大限に引き出そうとする姿が話題でした」(前出・芸能関係者)
5月11日、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『菊池風磨 hoursz』(TOKYO FM)で、過去に仕事に恵まれない時期があり、「もうダメだ、どうしていけばいいんだろう」と悩んだことがあったと振り返った。
「そんな苦しい時代を経験してきたからこそ、変化を恐れずに道を切り開き、タイプロという初の試みに挑戦できたのかもしれません」(前出・芸能関係者)