
長らく衆議院の議員会館でアルバイトを続けているライターのオバ記者こと野原広子氏。間近で見てきたからこそ気づいた“政治の面白さ”があるという。いったい何か? オバ記者が綴る。
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議員会館で再びアルバイト
昨年末から議員会館でのアルバイトを休止してライターに専念していたけれど、再び「手が足りないから国会案内に来てよ」ということで、再び永田町に参上した私。これまでさまざまな事情で生活苦になるといろんな肉体系アルバイトをしてきたけれど、いやもう、あらためてここの面白さは別格だわ。

なんたっていきなりだもん。衆議院の議員会館でアルバイトを始めた2018年秋、「代議士が法務委員会に出ているから、この書類を届けて」と政策秘書氏から仰せつかったのよ。で、警備の人にワケを言って部屋に入った私の目に飛び込んてきたのは、何十人かの男女の怒号とつかみ合いだよ。みんなかなり高そうなダークスーツを着ているのに、つかんだり、蹴落としたり、机に飛び乗って怒鳴っている人もいて、思わず「警察、警察呼ばなくていいの?」と言いそうになったわよ。これが渋谷のセンター街だったら機動隊が出動するくらいの乱闘だって。
あとから入管法の改正案を通過したい与党と、そうはさせまいと頑張る野党という構図だったらしいけど、テレビで見ていた“与野党の攻防”が目の前で、ほんとにやってる衝撃といったらない。
すれ違う政治家たちに感じる“何か”
まあーね、そんなことはそれ以来、一度もなくて刺激といえばテレビニュースで見かける有名政治家とすれ違うくらい。それでも生で見る高石早苗さんとか、小泉進次郎さんとか、石破総理とか、共産党のマドンナ、吉良佳子さんとか、それぞれ発している空気が違うんだよ。人はみんな違うと言われたらたしかにそうだけど“キャラ立ち”なんて生ぬるいもんじゃない。もう一段、二段、煮詰まった何かを感じるんだよね。
それはどこから来るのか。その答えをくれた人がいる。若いころ、地方議員をしていたという同世代の女性が「そりゃあ、選挙だよ。選挙でもないと自分の名前を怒鳴って歩いたりしないでしょ。したらかなりヤバい人でしょ」とカカカと笑ったんだわ。
それからよね。政治家の見方が変わったんだわ。何を成し遂げたくて政治家を志したのかはそれぞれだけど、自分の名前を大声で言った人。一線を超えた人という意味ではいっしょ。ふつうに、安寧な暮らしをしたいと思っている人ではないんだよね。
石丸伸二氏の街頭演説に多くの人が…

私はどうか。うーむ、人には「つまんない欲を出すもんじゃないって。安心安全がいちばんよ」とか言ってるけど、そのたびに「あんたのやってることは真反対だけとね」と笑われるんだよねー。そう言われたら、うううー、なるほどねー、グーの音も出ない。
今だってさー、2日続きの国会案内で広い広い国会議事堂とその前庭を歩き回って足が棒のようなのに、これから寿司を食べに行こうとすぐそこで友だちが待っているのに、しばらく前から有楽町イトシア前に立っている私。
そうしたら続々と人が集まってきて、今や遅しと政治団体、「再生の道」の街頭演説会を待っているの。これから久しぶりに石丸伸二さんがマイクを握るというので、ん? わわわ、振り向いたら、人がこんなに!
だよねー、こう来なくっちゃー。これから都議会議員、参議院議員、もしかしたら衆議院議員の選挙もある? てことはいよいよ政治の季節が始まる? ヒャホー! おもしれー(笑)。
◆ライター・オバ記者(野原広子)

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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