米価格が高止まりを続けるなか、政府は小泉進次郎農林水産相主導で、5㎏2000円程度の備蓄米を市場に放出。6月2日にイオンで発売されたときは1200人を超える長蛇の列ができた店舗も。イトーヨーカドーのネット通販では10分で完売した。備蓄米の争奪戦が繰り広げられる一方で、味や品質に不安を持つ消費者も。でも安心して！ 炊き方や調理法次第でおいしくなるのだ。そこで、ブレンド米がおいしくなる炊き方や食べ方を紹介する。
【ブレンド米】は米の個性を楽しむ組み合わせ
「ブレンドされている品種によって水分量の微調整が必要。吸水力の高い古米や雑穀米が多いなら“やや多めの水量”がベター。浸水は30分～1時間が目安」（料理研究家の尾田衣子さん・以下同）
ブレンド米も、味の濃いおかずに合わせたり、混ぜご飯にしたりすれば、よりおいしく食べられる。ここからブレンド米をおいしく食べるレシピを紹介する。（※レシピの材料は2人分。電子レンジは600Wを使用）
《あきたこまちブレンド》「うなぎめし」レシピ
【1】炊飯器に米1合、規定の量の水を入れて炊く。
【2】うなぎのかば焼き1／2尾は1cm幅に切る。きゅうり1／2本（80g）は薄い細切りにする。みょうが2個は小口切りにする。
【3】器に【1】のご飯を盛り、【2】と付属のたれ適量を入れ、混ぜ合わせる。大葉のせん切り4枚分を散らし、粉山椒少量を振る。
《ひとめぼれブレンド》「夏野菜ピラフ」レシピ
【1】鶏もも肉100g、玉ねぎ1／4個（50g）、赤・黄パプリカ各1／4個（30g）は1cm角に切る。
【2】炊飯器に米1合、規定の量の水を入れ、【1】、コンソメスープの素（顆粒）小さじ1、カレー粉小さじ1／2、塩・こしょう各少量、サラダ油大さじ1を加えて炊く。
【3】夏野菜（パプリカやズッキーニなど）各適量を食べやすく切り、グリルやオーブントースターで焼き色がつくまで焼く。器に盛った【2】に添える。
《ササニシキブレンド》「ツナ＆しば漬けおにぎり（4～6個分）」レシピ
【1】ボウルに温かいご飯2杯分、油を切った油漬けツナ1／2缶（35g）、マヨネーズ大さじ1、粗く刻んだしば漬け30g、青ねぎの小口切り適量を入れ、混ぜ合わせる。
【2】【1】を好みの形のおにぎり（4～6個）にする。
《ササニシキブレンド》「梅ささ身の冷や茶漬け」レシピ
【1】耐熱容器に鶏ささ身2本を並べ、酒少量を振り、ラップをかけて電子レンジで2分加熱。粗熱がとれたらほぐす。
【2】梅干し2個は果肉を包丁で叩きペースト状にする。塩もみしたおくら4本は小口切りにする。
【3】器にご飯1杯分を盛り、【1】と【2】の半量、刻みのり適量、おろししょうが少量をのせる。冷たいお茶適量を注ぐ。もう1人分も同様に。
《雑穀米ブレンド》「焼き肉飯レタス包み」レシピ
【1】炊飯器に米1合、規定より少し多めの量の水を入れて炊く。
【2】フライパンに味つき焼き肉100gを入れて中火で2～3分焼く。
【3】リーフレタス4枚それぞれに【1】と【2】各1／4量、キムチ25g、白髪ねぎ適量をのせて巻く。好みでごま油少量をつける。
《複数米ブレンド》「豚しゃぶ丼」レシピ
【1】しゃぶしゃぶ用豚肉150gは熱湯でさっとゆで、冷水にとり水気を切る。
【2】器にご飯1杯分を盛り、ちぎったフリルレタス1～2枚分（50g）、ブロッコリースプラウト少量をのせる。
【3】【2】に【1】の半量を盛り、ぽん酢・ごまだれ各大さじ1をかけ、ごま少量を振る。もう1人分も同様に作る。
《アメリカ産ブレンド》「トマトリゾット」レシピ
【1】フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、みじん切りにした玉ねぎ1／4個（50g）、にんにく1片分を入れて中火で1分炒める。生米1合を加えて炒め合わせる。
【2】【1】にコンソメスープの素（顆粒）小さじ1と無塩トマトジュース1カップを入れ、混ぜながら煮詰める。水分が少なくなり、米が好みの硬さになったら、粉チーズ大さじ2、塩・粗びき黒こしょう各適量で味を調える。
【3】器に【2】の半量を盛り、バジルの葉1～2枚をのせる。もう1人分も同様に作る。
《雑穀米ブレンド》「スパムバター炒めライス」レシピ
【1】炊飯器に米½合と規定よりやや多めの量の水を入れて炊く。
【2】フライパンにバター大さじ2を熱し、【1】、1cm角に切ったスパム80gを入れて中火で2分炒める。コーン80g、パセリの粗みじん切り1／2束（8g）を加え、塩・こしょう各適量で味を調える。
【豆知識】米の「マイった！」を解決！原料米が明記されているものを！
「ブレンド米は、旨みや食感など特徴の違うブランド米を組み合わせておいしさを追求したものや、ブランド米に安価な米を混ぜてコストを調整したものなどがあり、表示からはその意図がわかりにくい。何がブレンドされているのか明記されたものを選ぶのがおすすめ」（日本健康食育協会代表理事・柏原ゆきよさん）
◆料理研究家・尾田衣子さん
料理教室『アシェット・ド・キヌ』主宰。多国籍な家庭料理が得意。監修に『一般社団法人おにぎり協会公認 おにぎりの本』（辰巳出版）など。本企画のレシピをすべて考案。
◆日本健康食育協会代表理事・柏原ゆきよさん
管理栄養士。YouTubeでお米チャンネル『人生が変わる食べ方』を配信中。若玄米×雑穀のパックご飯『スラメシ』を開発。著書に累計15万部の『お腹からやせる食べ方』（三笠書房）など。
取材・文／佐々木めぐみ
※女性セブン2025年6月26日号