
長引く物価高騰の影響や、インバウンドの増加による混雑を避けたいと、旅行を控える人も多い。しかし、これから迎える夏休みやお盆に、ただ家にいるのはもったいない! コスパ最強の旅を旅と節約のプロが厳選してくれた。
●旅と節約のプロ 10人
旅行ライター/小浜みゆさん、トラベルライター/SHIORIさん、トラベルYouTuber/タナカタケシさん、旅行ライター/谷崎竜さん、航空・旅行アナリスト/鳥海高太朗さん、旅行系インスタグラマー/ねもぱいさん、温泉と宿のライター/野添ちかこさん、家事アドバイザー・All About節約ガイド/矢野きくのさん、ファイナンシャルプランナー/山口京子さん、節約アドバイザー/和田由貴さん
【1位】お得きっぷを利用する
多くのプロが挙げていたのが、往復割引や周遊券などの付いた鉄道系「お得きっぷ」。その理由を旅行ライターの谷崎竜さんが説明する。
「移動費が抑えられるのはもちろん、観光施設の利用券やご当地グルメの食事券、お土産などの特典付きが多いんです」

行き先によっては、「直行バスがお得」と温泉と宿のライターの野添ちかこさんは言う。
「草津温泉や四万温泉など、都心から直行バスが出ているところは狙い目。たとえば草津温泉は、新宿から特急列車を利用すると約6000円ですが、直行の高速バスで得割を使えば約2500円〜と格安に」(野添さん)

【2位】シニア割を活用する
60才以上の場合、「シニア割を活用しない手はない」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの山口京子さん。
「JRの大人の休日倶楽部ジパングは、きっぷが3割引で購入できます。航空会社だと、当日予約で通常料金の半額以下になる航空券もあるので要チェック。
ホテルビュッフェやファミレス、外食チェーン店でシニア割を利用すれば500円程度の割引に。詳細は公式サイトで確認できます」(山口さん)
「ジョナサン」や「ガスト」を運営する「すかいらーくグループ」には60才以上が利用できる「プラチナパスポート」があり、提示すれば5%割引(同行者6人まで)になる。

【2位】ポイントやマイルを活用する
家事アドバイザー・All About節約ガイドの矢野きくのさんは「マイルはふだんの買い物で貯めるのが効率的」とすすめる。
「JALやANAのクレジットカードのマイルは、スーパーで食料品を買うときや光熱費の支払いなどの生活費を支払うと貯まりやすいです」(矢野さん・以下同)
行き先を限定しなければ、少ないマイルで旅行することもできる。
「ANAの『今週のトクたびマイル』は東京〜名古屋間で片道3500マイルから、JALの『どこかにマイル』は一律往復7000マイルなど、少ないマイル数で搭乗できるものも。いずれも対象路線、対象期間は限定されますが、ふらっとお得に旅したい人にはぴったりです」
さらに、「預貯金をしながらマイルを貯める方法もある」と山口さんは言う。
「ソニー銀行の『ANAマイル付き外貨定期預金』は預金金額に応じてマイルが貯まります。まずソニー銀行の新規口座を開設し、提携デビットカード『ANAマイレージクラブ/Sony Bank WALLET』を発行するだけで500マイルがもらえます。
金利は高くありませんがマイル還元率が高いので、米ドル定期預金を考えている人にはおすすめです」(山口さん)
【4位】格安航空会社を利用する
格安航空会社(LCC)の利用を推すのは、トラベルYouTuberのタナカタケシさん。
「人気の韓国もLCCが狙い目です。というのも、多くの航空会社が日本に乗り入れしているため価格競争が起きており、東京〜ソウル間が往復2万円台というチケットも出ています。
中国もおすすめです。円安の影響が少ないため、中国南方航空などの大手航空会社で往復2万円台のチケットがあります。
LCCのチケットは格安航空券比較サイト『スカイスキャナー』などで検索できますが、気になったチケットがあったら公式サイトのチェックを。同じ便でも公式サイトで申し込んだ方が安い場合があるんです」(タナカさん・以下同)
LCCは安いから安全性に問題があるのでは?と思う人もいるが、「それは誤解」とタナカさん。
「LCCが安いのは各社の企業努力によるもの。安全性は担保されています。ただし、機内持ち込みの手荷物は7㎏までが主流なので、超えると別途料金がかかります。できるだけ手荷物は軽くして、事前に追加料金はいくらかかるか公式サイトで確認しておきましょう」

【5位】航空券のタイムセールを狙う
飛行機代を節約するワザはまだある。「航空会社のタイムセールが狙い目」と言うのは、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんだ。
「たとえば、北海道や沖縄など人気路線のチケットが片道7000〜9000円程度と格安です。ANAやJALなど大手でも毎月のようにやっているので、公式サイトをこまめに確認すると見つけやすいですよ」(鳥海さん)
【5位】宿泊比較サイトを利用する
行き先を決め、宿泊先を探すときに活用したいのが、複数のホテルや旅館の料金を掲載している宿泊比較サイトだ。

節約アドバイザーの和田由貴さんは「安い料金が見つかっても、すぐに予約をしない方がいい」とアドバイスする。
「比較サイトで最安値を見つける場合、1つのサイトだけでなく、複数サイトを比較することが大切。サイトによってはポイントが貯められるものもあります」(和田さん)
また、旅先の観光施設のチケットも、「宿泊比較サイトから購入した方がお得になる」と旅行系インスタグラマーのねもぱいさんは言う。
「じゃらんや楽天トラベルなどサイトごとに、ポイント付与や、クーポンが利用できるものなどがあり、数百円から数千円の節約になるので、確認してから購入を」(ねもぱいさん)

【7位】ホテルや旅館は直接予約する
宿泊比較サイトを見ると同時に、「ホテルや旅館の公式サイトもチェックすべき」と言うのは、トラベルライターのSHIORIさんだ。
「宿泊比較サイトの場合だと、手数料が上乗せされていることもあります。ホテルや旅館の公式サイトは手数料がない分、最安料金で案内しているところも少なくありません。インスタグラムなどSNSにお得なキャンペーンを載せていることも多いので、気になる宿泊先のSNSはチェックしておきましょう」(SHIORIさん)
【7位】穴場スポットに出かける
京都など人気の観光地は、オーバーツーリズムの影響で宿泊施設の料金が高騰しているが、「安く旅行ができる場所はたくさんあります」と鳥海さんは言う。
「島根や鳥取、富山、宮崎など、海外から飛行機が乗り入れの少ない場所は比較的外国人観光客が少なく、宿も取りやすい。宿泊費も高騰していないので狙い目です」(鳥海さん)

【9位】旅のサブスクを利用する
旅でもサブスクを活用するとお得になる。
「旅行サービス『HafH(ハフ)』の場合、月額2980円または9800円でコインを購入して積み立て、旅行の際にそのコインを使ってホテルや航空券を予約します。提携ホテルは国内外に約1万5000軒あり、繁忙期でも予約に必要なコイン数は変動しにくいのでハイシーズンに利用すればお得に泊まれます。宿泊前日までキャンセル無料で、急な予定変更にも対応しやすいです」(ねもぱいさん)
【10位】ふるさと納税を利用する
「最近はふるさと納税の返礼品に、旅のものが増えている」と言うのは、旅行ライターの小浜みゆさんだ。
「ふるさと納税の中には宿泊費が無料になる返礼品があります。ふるさと納税控除上限額と見合わせながら検索するとよいでしょう」(小浜さん)
取材・文/廉屋友美乃 写真/PIXTA
※女性セブン2025年7月3・10日号