
自分を夢中にさせる「趣味」や「人とのつながり」は生きる活力となり、健康寿命を大きく延ばしてくれるはず。人生100年といわれる時代。まだまだ長い第二の人生、せっかくなら好きなこと、一生懸命になれることを見つけて生きていきたい。元テレビリポーターの東海林のり子(91才)に、いま夢中になっている「生きがい」について聞いた。
「初恋、それから主人との出会い。そしていまが人生3度目の恋なの(笑い)」
イキイキとした表情でそう語る東海林。恋のお相手はビジュアル系バンド「アリス九號.」のギタリスト・HIROTO。暇さえあれば“彼”にLINEのメッセージを送るという。1990年代初めにX(現X JAPAN)と知り合ったことをきっかけにビジュアル系バンドにハマり、LUNA SEAやGLAYとも親交が深く、「ロックの母」と呼ばれる。90代になった現在も、若いミュージシャンを応援することが東海林さんの元気の源だ。
「70代半ばで仕事の第一線から退いてボーッとするのではなく、やりがいを持って生きようとビジュアル系バンドの応援に打ち込むようになりました。相手は20〜30代の若い子ばかりで、演奏が上手になるたびにライブに招待されるから終わりがありません(笑い)」(東海林さん・以下同)
いまも現役時代と変わらず“現場”に足を運ぶ。
「スケジュールにライブの予定を書き込み、体調に不安があっても当日になると“行かなきゃ”と気持ちに張りが出ます。ライブで盛り上がって夜遅くに帰宅すると疲れるけど、寝て起きると楽しかった記憶だけが残っている。まるでライブに引きずられて生きているようで、ライブがあるからこそ元気でいられます」

2018年に最愛の夫を亡くしひとり暮らしを続けるが、「全然寂しくない」と言う。
「同じマンションに住む家族に『ひとりで大丈夫?』と聞かれるけど毎日ライブ三昧で楽しく、ひとりは自由に生きられてラク。世間体を気にしないから、この年で真っ赤なマニキュアも塗っちゃう。年を取ったら、自分が元気になれるものを見つけることが大事なのよ」
愛されキャラの東海林さんは本誌『女性セブン』取材の翌日、ミュージシャンらによる「お誕生日会」が予定されていた。
「ビジュアル系の子たちが『東海林さんの誕生会なら行きますよ!』とバンドの垣根を越えて集まってくれて本当にうれしい。これ以上望むものはないし、力になりますよ。人と会うときは元気でいたいから、偽りでもいいから元気を出すんです。そうすると本当に元気になれます(笑い)」
ビジュアル系の推し活というと驚かれることもあるが、迷わず突き進むのが東海林流だ。
「私にとって推し活は、生きている人間に対する愛の積み重ねです。50才も年の離れた相手が自分をどう思うかではなく、自分がその人を好きだという気持ちを大切にする。“もうこんな年齢だから”と諦めず、自分が好きなことを抑えず生きることができたら、みんなが幸せになるはずです」
【プロフィール】
東海林のり子(しょうじ・のりこ)/1934年埼玉県出身。2024年にYouTubeチャンネル『東海林のり子現場に直撃チャンネル』を開設。
※女性セブン2025年7月3・10日号