
暑くて食欲がないときでもつるっと食べられて一皿で野菜もたんぱく質も摂れる冷やし中華は、夏の食卓に欠かせないメニュー。ひと夏楽しめるオリジナルレシピを、ANAインターコンチネンタルホテル東京 中国料理「花梨」の料理長・大久保武志さんに教えてもらった。
中国料理 「花梨」のしょうがが効いた『冷やしそば』
ホテル開業から39年、夏の人気メニューとなっている『冷やしそば』。具材は少しずつアレンジしているものの、たれは変わらぬ味を守り続けているという。今回は店の特徴を残しつつ、家庭でも作りやすいレシピを特別に考案してもらった。
「店の『冷やしそば』同様に、しょうがを効かせたたれがポイント。たれ作りの最初にお湯を使うことで、砂糖が溶けやすくなります。
具はツナ缶やかに風味かまぼこ、ミックス野菜などを活用して手軽に。きゅうりやラディッシュは、スライサーを使えば極薄にカットできて食感がよくなるのでおすすめです」(大久保さん・以下同)

冷やし中華の極意は麺のしめ方にあり!
今回の企画で取材した全店が「冷やし中華をおいしくするポイント」として挙げたのが麺のしめ方。でんぷんが残っていると味がぼやけるので、ゆでた麺は流水でぬめりがなくなるまで洗い、氷水でキンキンに冷やしてコシを出す。たれが薄まらないように、水気をしっかり切ることも大切。
【1】よく洗ってぬめりを取る

ゆで上がった麺は流水でよくもみ洗いし、余分なでんぷんのぬめりを落とす。
【2】氷水に入れてしっかりしめる

麺を洗ったら冷水や氷水に浸けて一気に冷やすことで、麺が引きしまる。
【3】麺はざるに押しつけて絞る

麺は手でざるに押しつけ、麺の中の水気まで押し出すと水っぽくなりにくい。
「冷やしそば」のレシピ
盛りつけにもこだわりあり!具にガリを加えてさっぱりと。野菜にツナ、かにかま、卵焼きなど具だくさんなので、食べ応えも充分。粒マスタードがよいアクセント。
《作り方》(2人分)
【1】きゅうり1/2本、ラディッシュ2個は薄い輪切りにする。ブロッコリースプラウト2/3パックは根元を切る。切った野菜を水で洗い、水気を切って冷蔵庫で冷やす。
【2】フルーツトマト1個は半分に切ってから薄切りにする。かに風味かまぼこ50gはほぐす。ツナ缶1缶(140g)はツナと油を分ける。
【3】厚焼き卵(卵2個に塩ひとつまみを加えたもの)を1.5cmの角切りにする。
【4】ボウルに湯・砂糖各大さじ2を入れてよく混ぜる。酢大さじ3、しょうゆ大さじ4、ごま油大さじ1、しょうがすりおろし・白ごま各小さじ2を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
【5】鍋に湯を沸かし中華麺2玉を表示の通りにゆでたら、流水で洗ってぬめりを取り、氷水で冷やし水気を切る。
【6】【2】のツナ半量、ミックスサラダ(レタス、玉ねぎ入り)1パック、きゅうり、ラディッシュ、かに風味かまぼこ、【3】、ガリ適量、ツナの油を混ぜる。
【7】器に【5】をやや平らに盛り、【6】をのせる。ブロッコリースプラウトをのせ、トマトを円形に並べて中央に残りのツナ、粒マスタード適量をのせる。【4】をかけて食べる。
※たれは作りやすい分量。かける際は好みで量を調整を。
Point

たれにはしょうがすりおろしを、具にはガリを加えて、しょうがを効かせた味わいに仕上げる。

野菜や卵などの具材は、ツナの油で和えておく。
「旨みたっぷりの油で和えることで、具材もおいしく食べられます」
◆ANAインターコンチネンタルホテル東京 中国料理「花梨」料理長・大久保武志さん

医食同源、多種多彩という中国料理の食思想を基本に、日本人の繊細な味覚に合わせた本格的な中国料理を提供する。

住所:東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京3F
撮影/玉井幹郎 取材・文/青山貴子
※女性セブン2025年7月17日号