
――今作の見どころの1つは、9年前の映画シリーズの主要キャスト、広瀬すずさんや上白石萌音さんらも大勢出演するところですよね
自分たちの学校の先輩役として、映画に出演されていたヒョロさん(坂口涼太郎)が登場します。同世代の共演者や大先輩方から、多くを学びました。皆さんの現場での立ち振る舞いを見て、自分の足りない部分に気づけました。
例えば「センス」。脚本家さんが書かれたセリフを、皆さんはそれぞれのキャラクターに合わせて、表現されていました。自分は「なぜそんな表現をされたのですか?」などと、共演者の方たちにいろんな質問をさせていただき、たくさんのアドバイスをもらいました。
中でも座長の當真さんには感服しました。みんなが緊張しないようにと休憩中も声をかけ回っていらっしゃったし、泣くシーンでは、集中力を切らさないためにと、自分で自分を責める言葉を吐き続けていて。そのストイックな姿に、鳥肌が立ちました。本当に、今まで自分が知らなかった演技の世界に触れることができて、刺激だらけ。感化されまくりの毎日でした。
自分のことを一番大切にしてくれそうで
――筋トレマニアの役を任された一因は、オーディション時に「筋トレとサウナが趣味」とアピールしたからと聞きました。また、劇中では1人だけTシャツの腕をまくって肩を露出しています
プロデューサーさんは、自分のこの発言を覚えてくださっていたようで、役にも反映してくださいました。衣装も、自分だけタンクトップ仕様のTシャツを着ています(笑い)
――ところで、俳優を志したきっかけは?
小6のときに映画館で見た『キングダム』です。役者さんの演技に、そして物語に惹き込まれていきました。それは僕だけじゃなかったようで、エンドロールが流れると、映画館内に拍手が起こったんです。その時「こんなに人を感動させることができる人になりたい。拍手する側じゃなくされる側になりたい」と思いました。ただ、そのときは中学受験の真っ最中で、とにかく中学に入ることが最優先の時期だったので、具体的に動けたわけではありませんでした。
――どうやって芸能界へ?
高校に進学してしばらく経って、友人のお母さんから「ジュノンボーイ」のオーディションがあると教えてもらい、エントリーしてみました。
――芸能プロダクション数十社による争奪戦の末、今田美桜さん所属の芸能事務所に入りました。なぜ今の事務所を?
自分のことを一番大切にしてくれそうで、安心して仕事を頑張れると思ったからです。
――憧れの先輩、また今後の目標や夢は?
憧れの俳優さんは、坂口健太郎さん、菅田将暉さん、安藤サクラさん、そして『キングダム』の主演で、自分と誕生日が同じ山崎賢人さんです。中でも坂口さんは、雰囲気が似ているといわれたことがあって、嬉しいですし特に憧れています。
そして夢は、25才で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞して、海外進出することです。将来は、ハリウッドのアクション映画に出演したくて、今、英会話にも通っています。お芝居はもちろん、25才までに英語も完璧に習得してみせます。
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初々しさの中にも、力強いまなざしと言葉がしっかりと宿っていた。端正なルックスに知性と努力。備わる“能力”を全て生かして、スター街道を駆け上がっていく。