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《元気に生きるため》杉良太郎がEXILE MAKIDAIらと異例の健康✕ダンスイベント開催「100才のダンスを観ていただく」驚きの展望告白

人生をかけて福祉活動を続ける杉
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みんなが元気で暮らせる世界を“寝ても覚めても”案ずる人――そんなナレーションをバックに映し出されたVTRに登場したのは、厚生労働省の特別健康対策監を務める歌手で俳優の杉良太郎。

8月4日に東京・浅草花劇場で行われた「知って、健康デー2025 in 浅草」で開催趣旨を伝えるべく、初めに杉の取り組みがスクリーンに流された。映像は昨年の『FIDA GOLD CUP』のドキュメント。杉がプロデュースを務める65才以上を出場資格とした“GOLD=Good OLD”世代によるダンス大会で、舞台裏のシーンでは、杉が拳を振り上げて「“自分たちも頑張ろう”と生きていくための目標を、皆さんのダンスを通じて観客へ与えるんです!」と出演者を奮い立たせる光景がクローズアップされた。

この日は厚生労働省「知って、肝炎プロジェクト」「健康一番プロジェクト」が主催し、7月28日の『世界・日本肝炎デー』に合わせて肝炎の知識、予防、治療への理解を促す啓発、「健康」について考えるきっかけを発信する目的で行われた。高校生から80代まで様々な世代のダンサーが浅草へ集い、パフォーマンスを通じて“ダンスによる健康づくり”をアピール。冒頭の映像で観客の関心を引きつけたところで、肝炎対策特別大使の伍代夏子が登壇し、開会宣言を行った。

ダンスをすることで、認知機能や身体機能が向上されるというデータがあります

「われわれのプロジェクトでは、年齢を重ねても病気にならず心身ともに元気に生きるためにダンスを通した健康づくりを推進しております。年齢があがるにつれて若い頃には感じなかった体の痛みや物忘れ、つい最近までできていたことが急にできなくなる……。そういう事例が多くなり、1年の重みが年々大きくなります。

ダンスをすることで、認知機能や身体機能が向上されるというデータがあります。何歳になっても、生き生きと若々しく、心身ともに健康でいるための秘訣がダンスにはたくさん詰まっています。今日は出演者が体現しますので、年齢に注目してご鑑賞ください」(伍代)

トップバッターを白鵬女子高等学校(神奈川県)ダンス部『OBSIDIAN』がフレッシュに務め、大人の部は静岡県から参戦の『エレガンテ』からスタート。彼女たちは、『ミス・ユニバース2007』に輝いた森理世を育てた母・森育子さんが代表を務めるダンススタジオからやってきた平均年齢56才、“GOLD世代予備軍”のトリオだ。クリスティーナ・アギレラ主演の映画『バーレスク』のラストで流れるナンバー『ショウ・ミー・ハウ・ユー・バーレスク』に乗せ、流れるようにしなやかな身のこなしで、チーム名のごとくエレガントなダンスを魅せた。

お次は、全員70代の“GOLD世代”、『ストレッチ♡ダンス神田』(長崎県)の6名がステージへ。20年ぶりのステージや初めてのステージと、メンバーの経験値もそれぞれというチームで、最初こそ緊張感を漂わせたが、踊るにつれて表情もほぐれ、最後はグルーヴ感たっぷりに体を揺らしながら退場する余裕も。チーム全体から“ダンスが楽しい”という高揚感が伝わってきた。メンバーは口々に「練習中は頑張りすぎてあちこち痛んだけど、いざ本番を迎えたら“あれっ、痛くないな”って。ステージに臨むエネルギーが、痛みを消してくれたのかな」「若い頃のようには振りを覚えられないけれど、ステージは楽しかった! ずっとダンスを続けていきたい」と、笑顔で感想を述べた。

開会宣言をする伍代
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トリの『GOLD DRAGON』(埼玉県)からは82才のダンサーも。チームは『FIDA GOLD CUP』に第1回から出場し、昨年大会では3位と特別賞をW受賞。今回はその受賞演目に新たなアレンジを加え、チームの持ち味であるド派手なメイクやコスチュームでも会場を沸かせた。尺八演奏でオープニングアクトを務めたスペシャルサポーターの前田健志も、「82才といえば、自分のおばあちゃんとちょうど同じ歳。とってもお元気でいらっしゃいますね!」とGOLD世代ダンサーのエナジーに刺激を受けていた。

続く「ダンスチャレンジ企画」ではさらに年齢がアップして、『浅草おかみさん会』会長を務める88才の冨永照子さん、93才の滝野文恵さんが登壇。滝野さんはシニアのチアダンスチームを立ち上げ、90才を迎えてもダンスを続けていた実績があり、EXILE MAKIDAIの指導の下、『Choo Choo TRAIN』で軽快にステップ。ラストはGOLD世代のダンサーら客席も総立ちになって、皆でリズムを刻んだ。また、杉が名誉会長を務める世界初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」から2024-2025シーズン完全優勝を果たした『CyberAgent Legit』がパフォーマンスすると、さらなる熱気で会場が包まれた。

朝昼晩、お腹いっぱいになるほど薬を飲んで、それでやっと生きているというのではちょっと切ない

スペシャルサポーターでもあるMAKIDAIは各世代のダンスに触れて、「今日ステージに立たれた皆さんは音楽を吸収して、ご自身を通して観る人に何かを伝える、そんな気持ちを持たれていることがダンスから伝わった。“心から踊る”大切さを再確認しました」と感動しきり。10年前にEXILEのパフォーマーを勇退する際、杉に呼ばれて「自分、MATSU、ÜSAの3人に“年を重ねたなりのその味を出して、自分たちにしかできないステップをこれから踏んでいったらいいんじゃないのかい”と温かく背中を押されたことで、ライフワークとしてダンスとの新たな繋がりが持てた」と熱弁。

ここまでステージを見守っていた杉も、「イベントごとに色々な地域からGOLD世代に来ていただいて、ダンスを通じて“元気だよ”というメッセージが届けられる。毎回ものすごくエネルギーをもらうし、ありがたいなと思っています。付き添いが大変でなかなか実現しないけれど、やる気のある100才はまだまだ全国にいます。これからの時代は100才の人がバンバン出てきて、こういった場所で踊っていただく、そのダンスを観ていただく。そんな機会は必ず生まれますよ」と、展望を明かした。

「『GOLD CUP』に出場するダンサーしかり、真剣にダンスをやっている人はカラダの中にリズムがある。テンポよくはつらつと歩いて、輝いている。気持ちも若い。いくつになっても心は青春ですから。朝昼晩、お腹いっぱいになるほど薬を飲んで、それでやっと生きているというのではちょっと切ない。ダンスで日頃からカラダを動かして、“お医者さんにたまには行くけれど、あまり薬を飲まなくなりました”という健康状態を築いてほしい。自分のカラダには自分で責任を持たなくてはいけません。それがわかっていない人があまりに多い。どんな人も平等に年を取るんですから、皆さん、きちんと向き合ってください」(杉)

カラダが元気じゃないと、社会のために尽くせない――。66年間続ける福祉活動に励みながら常々そう語り、ジム通いなど健康管理を怠らない杉。この日は厚生労働省・特別健康対策監の立場から国民の健康長寿のため、声を大にして、健康づくりの大切さを訴えた。

握力を計る杉
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「健康一番プロジェクト」サポーターの吟詠家で尺八奏者の前田
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「健康一番プロジェクト」サポーターとして左から森理世、RIP SLYMEのSU、前田が登壇
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EXILEのMAKIDAIがダンスを教えた
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世界肝炎デーに行われた
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ダンスによる健康づくりは今後も広げていく
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