
加齢とともに衰えるものを数えてもキリがない。新陳代謝もそのひとつ。食事制限や運動をするのは億劫で、いまいち効果も見えにくい――。そんなあなたにオススメなのがサウナ健康法。ブームのただ中に増え続けるオシャレなサウナに入らなくとも、スーパー銭湯にあるサウナで「ととのう」、とっておきの健康術を伝授します!
《健康効果》健康も美も叶える!サウナの効果と効能
サウナブームが到来するよりもずっと前から、銭湯に必ずあるサウナ。驚くほどの健康効果があるんです。フレイルも不眠も関節の痛みもすっかり解消し、認知機能も免疫力もアップ! 日本サウナ学会代表理事・医師・加藤容崇さんとモデル・実業家・笹野美紀恵さんに、サウナの健康効果を解説してもらった。


【健康効果1】血流を促進して血管系疾患のリスクを下げる
「サウナの熱によって血管が広がり、血流がよくなります。これが心臓のストレッチになって心肺機能が高まり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系疾患のリスクや、認知症のリスクを低下させることにつながる。
フィンランドの研究では、週4〜7回サウナに入る人は、週に1回の人に比べて認知症リスクが66%低かったと報告されました。体温が上がることで免疫の働きが上がることも期待できます」(加藤さん、以下同)

【健康効果2】肩こり、腰痛解消!痛みをとってフレイル予防も
「温熱効果による血流促進は、心肺機能向上だけでなく、肩やひざといった関節の痛みにも効果が期待されます。血流が促されることで痛みの原因となる疲労物質を排出することによるもので、疲労回復も促進。
また、ウオーキングやジョギングのように短期間で体に負荷をかける運動と同じような効果が得られるため、フレイル予防にもなるでしょう」

【健康効果3】睡眠の質がアップ!ぐっすり眠れてスッキリ目覚める
「ある研究によると、サウナに入ることで75%の人に睡眠改善効果が現れたという結果が報告されました。これはサウナ後に副交感神経が優位になることで深部体温が下がり、質の高い睡眠が促されるからだと考えられます。
サウナは交感神経と副交感神経を交互に活性化させるため、自律神経を整える効果も期待されます。心地よい脳の疲労が睡眠を促し、深い眠りを得られるため、目覚めがよくなるとも分析されています。就寝の90分〜2時間前に入るのが理想です」
【健康効果4】代謝がアップ!肌が若返って美しくなる
「肌のターンオーバーは通常、27~28日に1回といわれますが、サウナに入ることでヒートプロテクションといって、熱から肌を守るためにたんぱく質を生成するような状態になって代謝が上がります。
これはサウナ後に水風呂に入ることでより効果が高まる。代謝が上がることに加え、血行がよくなって老廃物が排出されることで肌の若返り、美肌効果が期待されます」(笹野さん・以下同)

【健康効果5】冷え症改善も!ホルモンバランスを整える
「血行が促進され、リラックス効果を得られることでエストロゲンなどの女性ホルモンが分泌されてホルモンバランスが整うといわれ、PMS(月経前症候群)が軽くなったり、更年期症状をやわらげることが期待されます。
子宮や腸といった内臓が温まり、体の内部から冷えが解消され、血流がよくなることで足先や手指といった末端の冷えの改善効果もあります」