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《宮崎謙介さんが語る「生前葬」の体験談》棺桶に入って実感「残りの人生はあと何年だろうと意識するようになった」

元衆議院議員の宮崎謙介さん
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「最低な夫と報道されていたけど、私にとってあなたは最高の夫でした」──“喪主”を務めた、妻で元衆議院議員の金子恵美さん(47才)は“遺体”にそう語りかけた。冷たい棺桶の中で、その“弔辞”を聞いた元衆議院議員の宮崎謙介さん(44才)が振り返る。

「あのときはありがたいなという気持ちになりました。棺桶の中はすごく静かで、“あちらの世界に行ったんだな”と感じる不思議な空間でした」

葬儀業界の展示イベント「エンディング産業展」(東京ビッグサイト)で宮崎さんが自身の生前葬を行ったのは2018年8月。

「神社仏閣関係の仕事をしていた縁もあり、生前葬を広めるイベントとして声をかけてもらいました。お世話になった人に感謝の気持ちを込めて生前葬をするのはとても興味深く、引き受けました」(宮崎さん・以下同)

この生前葬では宮崎さんの人生を振り返るメモリアル映像が流れた。2015年の金子さんとの結婚披露宴のシーンでは、安倍晋三元首相(享年67)や菅義偉元首相(76才)ら大物政治家が祝福する姿がみられ、世間を騒がせた不倫騒動も紹介された。

その後、宮崎さんが棺の中に入ると、友人代表として芸人の狩野英孝(43才)がサプライズ登場。「過去にいろいろあったけど、がんばっていこうと言い合っていた。亡くなって悔しい気持ちでいっぱい」と挨拶し、ギターの弾き語りを披露した。

宮崎さんの最後の“復活”シーン。「これからは妻と子供のためにも、しっかりがんばってまいります」と挨拶した(写真提供/宮崎謙介さん)
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「英孝ちゃんから“ぼくの炎上仲間”と呼ばれ、彼は完全に笑いを取りにいっていましたね(苦笑)。でも湿っぽくならず、弔辞で笑いを取るのが生前葬ならでは。ぼくの実際の葬儀も、和気あいあいとやってほしいと思います」

最後は本人が棺桶から出てきて「生前はお世話になりました」と挨拶。何より伝えたかったのは「感謝」の気持ちだという。

「生前に感謝の気持ちを周囲に伝える機会はなかなかないので、生前葬は大切だと思います。還暦になった頃にまたやりたいですね」

笑いあり涙ありの生前葬を経て、「人生は有限」であることを意識するようになったと語る。

「棺桶の中にいると、死後はこういう世界が待っているのかと新鮮で、自分の今後の人生はあと何年だろうと数字を意識するようになりました。残された時間を有効に使おうと思い、生前葬以来、行きたい場所などをリストアップして一つひとつ消化しています」

【プロフィール】
宮崎謙介(みやざき・けんすけ) /2012年に衆議院議員初当選。2015年に同じ衆議院議員だった金子恵美さんと結婚。2016年に辞職すると、同年に8infinity株式会社を設立し、現在30社の企業顧問を務める。

※女性セブン2025年9月25日・10月2日号

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