
今年3月から休養していた山瀬まみ(56才)が、パーソナリティーを務めるラジオ番組で復帰した。初めて明かした休養の理由は、子宮体がんの手術と脳梗塞の発症だった。想定外のことが起きたオペ室。壮絶なリハビリ生活、そして支えになった存在──復帰までの7か月を詳報する。
砂浜と松林がどこまでも続き、茜色に染まった海越しの雄大な山々に夕日が沈む。絶景スポットとして知られる関東南部ののどかな海辺の街で、ここ数か月、山瀬まみ(56才)の姿が頻繁に目撃されていた。
「週に4〜5日はお見かけしますよ。彼女のお母さんが暮らす実家があって、親子で買い物に出かけることも多いみたい。山瀬さんはもともと華奢だけど、お顔はふっくらしてたでしょ。でも最近は、お顔もほっそりしたなと思っていたんです。そうしたら闘病していたってニュースがあって、びっくりしました」(近隣住民)
今年3月、山瀬はレギュラー出演するラジオ番組『BAYFM it!!』(BAYFM)で休養を発表。10月7日に復帰した同番組で、驚きの事実を口にした。
「番組内で山瀬さんは『子宮体がん』にかかり、3月に子宮の全摘出手術を受けたことを明かしました。卵巣やリンパ節も取り除いたそうです。それだけでも大変ですが、手術時に脳梗塞を発症してICU(集中治療室)に運ばれました。家族は医師から、“(山瀬さんが)もう言葉を話すことはできない”と伝えられたそうです」(芸能関係者)

術後、意識を取り戻した山瀬は懸命にリハビリに励み、医師の宣告を覆す回復を見せた。“想定外”の闘病生活を山瀬は、「大変だったんだ」と彼女らしく明るい声で振り返ったが、実際の病状はどうだったのか。成城松村クリニック(婦人科)の松村圭子院長が解説する。
「リンパ節も取り除いていることから、おそらくステージIII程度まで進行していたと考えられます。子宮体がんは子宮の奥の子宮内膜に発生するがんです。子宮内膜は女性ホルモンの『エストロゲン』と『プロゲステロン』がバランスを保つことで整えられていますが、何らかの理由でプロゲステロンの分泌量が減少して、エストロゲンが相対的に多くなると子宮体がんになりやくなります。50〜60代で発症する女性が多いのが特徴です」
エストロゲンの分泌期間が長くなる出産を経験していない人や、初潮が早く閉経が遅い人は、影響を受けやすいこともわかっているという。国立がん研究センターによれば、1990年に3574人だった子宮体がんの罹患数は、1921年は1万9071人に増加。約30年で5倍近く増えており、出産経験のない女性が増えていることも要因のひとつと考えられているという。脳梗塞の併発について、松村さんはこう話す。
「がん細胞は血を固まりやすくする物質を分泌しており、血栓ができやすくなります。これにより発症する、がんに伴う脳梗塞は『トルソー症候群』と呼ばれています。トルソー症候群は子宮がんのほかにも、卵巣がんや乳がんなど、女性特有のがんに多いとされています」
夫のことを話さなくなった
当初はがんの手術だけと想定しており、2か月ほどで仕事に戻る予定だったが、脳梗塞の発症で復帰まで7か月を要した。その間、奇跡を信じてリハビリに励む山瀬を支えたのは、3才年下の夫・中上雅巳(53才)だった。
ふたりが出会ったのは1989年。当時19才だった山瀬は『笑っていいとも!』(フジテレビ系)にレギュラー出演しており、同番組のオープニングでテーマ曲を歌って踊る「いいとも青年隊」のオーディションに応募してきたのが高校生の中上だった。審査員のひとりだった山瀬が、「この人がいい」と彼を推したことで、中上は芸能界入りした。
「中上さんが合格した『いいとも青年隊』の6代目メンバーは、アイドル顔負けの人気でした。いつも新宿駅(東京)から撮影場所のスタジオアルタまでは、警備員と一緒にもみくちゃになりながら移動したほどです。1年9か月で『いいとも』を卒業した後は大手事務所に所属し、俳優としての活動に注力。1990年代は多くのテレビドラマや映画に出演していました」(芸能担当記者)
ふたりは1996年に交際を始め、約2年の同棲を経て1999年に結婚。当時の山瀬は“バラドル(バラエティー番組で活躍する女性アイドル)”として『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)や『ブロードキャスター』(TBS系)、『ためしてガッテン』(NHK)など数々の人気番組にレギュラー出演する超売れっ子だったが、そんな彼女の私生活を支えたのが、中上だった。
「中上さんは山瀬さんの仕事を尊重し、掃除や洗濯などの家事を一手に引き受けていました。特に掃除は徹底していて、山瀬さんが“毎日が年末の大掃除みたい”と表現したこともあったほどです。次第にドラマや映画への出演が減った中上さんは、所属事務所を移籍。2000年以降は舞台を中心に活動していましたが、2015年にドラマにゲスト出演して以降、表舞台から遠ざかっています」(前出・芸能関係者)

一方の山瀬は2016年に『ためしてガッテン』のリニューアルに伴い番組を降板。以降、レギュラー番組の終了が相次ぎ、2022年に番組の顔として25年間出演してきた『新婚さんいらっしゃい!』を卒業すると、レギュラー出演は闘病を告白した前出のラジオ番組のみとなった。多忙な妻と、それを支える夫。結婚以来続けてきた関係性の変化が、ある噂を助長した。
「以前は夫婦仲について積極的にメディアで話してきた山瀬さんでしたが、中上さんが表に出なくなった頃から彼の話題に触れる機会が激減したのです。中上さんの近況がまったく伝わってこないことで、いつしか不仲説や別居が囁かれるようになりました。実際に別居の“裏どり”に動いたマスコミもあったようです」(前出・芸能関係者)
山瀬が実家周辺で頻繁に目撃されるようになったのは、夫婦の歯車が狂ったからなのだろうか。山瀬の関係者が明かす。
「あのふたりは不仲とは無縁ですよ。むしろ、以前にも増して仲がいいと聞いています。奇跡の回復を見せた今回の闘病でも、中上さんは頻繁に病室を訪れてサポートしていました。彼女が実家に帰ることが多いのは、父親が亡くなって、高齢の母親がひとり暮らしになったからなんです。中上さんは山瀬さんに、自宅でゆっくり療養してほしいという気持ちもありますが、母親思いの彼女の気持ちを尊重して見守っているようです」
ふたりの時間はこれからも続く。
※女性セブン2025年10月30日号