健康・医療

《目の健康を保つために…》目に負担をかけない生活習慣「かゆみには冷たいタオル」「水の一気飲みは緑内障のリスク高めるのでNG」、意識して食べるべきは緑黄色野菜 

目に負担をかけない生活を意識するのが重要になる(写真/イメージマート)
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 目のかすみ、疲れ目、老眼、見えにくさ──加齢とともにさまざまな目の不調が発生するが、そのケアを怠ると一気に視力が落ちることもある。また、目が見えづらくなることで、日常生活も楽しみにくくなるし、全身の健康にも大きな影響を与えるのだ。一生使う「目」を100年長持ちさせる方法を専門家に聞いた。【全3回の第3回。第1回から読む

ドライアイ・意識的にまばたきを増やす

 ドライアイは3つの「コン」対策がポイントになる。二本松眼科病院副院長の平松類さんはこう語る。

「乾燥によりドライアイを悪化させるのが『エアコン』、使用中に無意識にまばたきの回数を減らしてしまうのが『パソコン(スマホも含む)』。3つめの『コンタクトレンズ』は、目の水分を奪うのでドライアイを悪化させます。

 パソコンやスマホを見ているとまばたきの回数が減るので、意識的にまばたきを増やすようにしてください。コンタクトレンズは使用時間を短くして、質のいいものを使用する。価格は高いが、シリコンハイドロゲルなどの素材がおすすめ」

異変を感じたらクリニックの診断を受けること(写真/PIXTA)
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 飛蚊症だと思ったら、まず一度クリニックの診断を受けることだ。札幌かとう眼科院長の加藤祐司さんが解説する。

「文字通り視界に蚊が飛んでいるような症状でほとんどの人は問題ありませんが、光のようなものが暗闇で点滅したり、視野の一部が見えにくいなら、網膜に穴が開く『網膜裂孔』や網膜が?がれる『網膜?離』を起こしている可能性がある。大きな病気が隠れていなければしばらくすると治ることが多いですが、自費でレーザー治療を受けることもできます」(加藤さん・以下同)

 近視を矯正する「オルソケラトロジー」は、メスを使わない治療として利用者が増えているが、高齢者にも効果はあるのか。

「夜間に特殊なコンタクトレンズを装用して視力を矯正し、日中は裸眼で過ごす治療ですが、若い人ほど効果が出やすい。60才以上は近視を矯正できても老眼で近くが見えにくくなるので、やめた方がいいでしょう」

意識して摂るべきは緑黄色野菜

 目に負担をかけない生活習慣も大事になる。

「紫外線は目の角膜や水晶体にダメージを与えます。白内障と加齢黄斑変性の予防は、サングラスや帽子で目に入る紫外線を防ぐことです。ブルーライトの見すぎも目を酸化させるのでよくありません」

 平松さんは直接的な刺激もよくないと指摘する。

「目をこする習慣がある人は白内障が悪化しやすいので、かゆいときは冷たいタオルで冷やすといいでしょう。水500mlを5分以内に飲むなど一気飲みも控えてください。眼圧が上がり緑内障のリスクが高くなります」

100年見える目を守る習慣
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 食生活でも目の老化や病気を予防することはできる。

「特に目の生活習慣病ともいわれる加齢黄斑変性や、白内障の予防には食事が重要。意識して摂るべきは緑黄色野菜です。ほうれん草やパプリカ、ブロッコリーなどは抗酸化作用のあるルテインが豊富で、老化の原因とされる活性酸素を除去し、紫外線やブルーライトも吸収します」(平松さん)

 アントシアニンが多い食品も積極的に摂ってほしいと話すのは、管理栄養士の望月理恵子さんだ。

「アントシアニンは、目の網膜に存在するたんぱく質の再合成を促進する働きがあり、目の機能改善にいい。夜間視力の向上や緑内障予防、眼精疲労の軽減に効果が期待されています。さつまいもや紫キャベツ、なす、ぶどう、ブルーベリーなどに多く含まれます」

 小さな目の不調を「年のせい」ですませないことが、「100年見える目」を守る最大の予防になる。

100年見える目を守る食品
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「アイフレイル」チェックリスト
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(第1回から読む)

女性セブン2025116日号 

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