
雅子さまと同世代の女性政治家が、ついに「ガラスの天井」を破った。一方、保守政治家として知られる彼女は、プリンセスに対して強い思いを抱いていて──国母と日本初の女性首相のファッションから浮かび上がる、“皇室の未来”を巡る思いとは。
ファッションで思いを表現する──ガラスの天井を破り、日本の憲政史上初めて誕生した女性首相は、それを実践する。10月21日、首班指名選挙を経て内閣総理大臣に任命された高市早苗首相(64才)。彼女が首相として初めて官邸に足を踏み入れたその日、傍らに携えていたのは、シンプルながら存在感のある黒いバッグだった。
「長野に拠点を構える『濱野皮革工藝』というブランドの『ディライト トートバッグ』です。このブランドは、美智子さまの時代から女性皇族方が愛用され、海外賓客への贈り物としても重宝される“皇室御用達”の品。美智子さまは同ブランドのバッグを雅子さまへご成婚時に贈られたほか、イギリスの故・ダイアナ元妃にもプレゼントされています」(皇室ジャーナリスト)
そうした由緒あるバッグを“初出勤日”に選んだ高市首相。この選択は、「自身のファッションが注目されるのを意識した上でのことではないか」と、ある政治部記者は語る。
「高市さんは自民党総裁選の期間中、フランスの高級ブランドである『クリスチャン・ディオール』のバッグを使っていたことがSNS上で取り上げられ、“庶民の感覚とかけ離れている”と、やっかみを浴びました。
一方、初出邸の際のファッションも注目を浴びましたが、今回使っていたのは皇室御用達の国産ブランド。一転して好意的な意見が相次ぐ結果となったのです。高市さんは皇室に“急接近”する姿勢を見せたことで、批判をかわすことに成功したのです」
就任直後から、ファッションで話題を集めてみせた高市首相。10月25、26日に産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した世論調査では75.4%という高支持率を記録した。秋の園遊会にもロングドレスで参加し、同世代の雅子さまと挨拶を交わして、女性首相となって初めて国母との対面が実現した。
「奈良県出身の高市さんは、幼少の頃から初代天皇の神武天皇が祀られている橿原神宮に毎年お参りをしてきたそうです。そうした中で、子供の頃から皇室への思いを育ててきたようで、初当選を果たし、初めて国会で陛下の声を聞いた際は、思わず涙がこぼれてきたと聞いています」(前出・政治部記者)

一方、“安倍晋三元首相の直系”とも言われ、保守政治家として知られる高市首相は、政界入り当初から現在のような思想を持っていたわけではないという。
「政界入りしたばかりの頃の高市さんは、自民党を離党した政策集団『リベラルズ』のメンバーに加わり、左寄りの主張も唱えていた。その後もなかなか軸足が定まらなかった彼女を寵愛したのが安倍元首相で、安倍内閣で重役を任されることで保守傾向を強め、与党内での立場を確固たるものにしました。
最近では欧州でも女性の保守系リーダーが多く登場していますが、彼女たちは次第に“現実路線”にシフトする傾向にあります。高市さんも時流に合わせて求められるものを適切に判断していくでしょう」(前出・政治部記者)
実際、保守政治家の多くは現在皇室典範で定められている「男系男子」での皇位継承に強いこだわりを持っているが、高市首相は「愛子天皇」を容認する発言もしている。
「『文藝春秋』(2022年1月号)で、《私は女性天皇に反対する立場ではありません》と明言しています。また今年9月には、産経新聞のインタビューで《過去の男系の女性天皇を否定するような発言は絶対に避けたい》とも話している。
背景には、女性同士の“共感”のようなものもあるようです。前回の参院選以降、保守政治家として存在感を発揮する参政党の神谷宗幣代表は以前、男系男子での継承を維持するため、“天皇陛下には側室をたくさん持っていただきたい”と発言して物議を醸しましたが、一方の高市さんは側室制度の復活の可能性を問われた際、《考えたこともございません(笑)》と、一笑に付しています。
総裁選の直前には、自身の岩盤支持層と読者が重なる産経新聞で改めて、同様の主張をしていました。今後も雅子さまや愛子さまに寄り添うような発言が増えていくのではないか」(前出・政治部記者)
今年12月に24才を迎えられる愛子さま。数年以内に“将来を添い遂げたい”と思えるようなお相手が出てきても不思議ではないが、現在の皇室典範では、女性皇族は結婚後、皇室を離れる必要がある。
「しかし、現在30才以下の皇族は佳子さま、愛子さま、悠仁さまの3名のみ。現状では愛子さまのご結婚は皇族数の減少に直結します。高市さんがここ最近、皇室に関する発言を度々行っているのも、愛子さまをはじめとする次世代の皇族方の将来に危機感を持っているからでしょう。ガラスの天井を破った高市さんには、長らく停滞が続く愛子さまの将来にかかわる議論に風穴をあけてくれることを期待する声もある」(前出・皇室ジャーナリスト)
新首相は、愛子さまの将来の道筋を指し示すことはできるのか。
※女性セブン2025年11月13・20日号








