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《3年前死去の夫の遺骨はまだ手元に》史上初の大河主演女優・岡田茉莉子「いまでも夫のぶんのコーヒーを淹れる」「エアロビクスとジャズダンス」92才のひとり暮らし

92才のいまでも一人暮らしを続けている。(2019年3月)
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1967年に放送されたNHK大河ドラマ『三姉妹』で史上初の「大河主演女優」となり、映画『秋津温泉』(1962年)や『人間の証明』(1977年)などの代表作を持つ岡田茉莉子(92才)。11月1日、都内で開催中の東京国際映画祭・日本映画クラシックスで上映された「生誕120年 成瀬巳喜男特集 浮雲 4Kデジタルリマスター版」上映会に登壇し、70年前の台本を手に、当時の現場を振り返った。

「岡田さんは92才とは思えない軽やかな足取りで舞台に上がりました。司会を務めたフジテレビの軽部真一アナウンサーに自ら『いくつだと思います?』と尋ね、『70才になります!』と20才以上サバを読んで答えるというお茶目なやりとりで会場の笑いを誘っていました。

その後も、撮影時に監督からかけられた言葉や印象的だったシーンなどについて、当時の記憶をたぐりながら誠実に答えていました。表舞台に出るのは1年ぶりでしたが、ブランクがあるとは思えない貫禄ある振る舞いをみせてくれました」(芸能関係者)

多数の映画やテレビドラマに出演していた。(1966年11月、写真/時事通信)
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2010年に舞台『女優』に主演したのを最後に俳優業から遠ざかっている岡田。2022年には夫で映画監督の吉田喜重さんが89才でこの世を去り、現在は都内のマンションでひとり暮らしをしている。

「岡田さんはいまでも旦那さんと一緒に暮らしていたマンションに住んでいます。さすがに身の回りのことをすべてひとりでやるのは辛いのか、ときどき知人が買い物などを手伝っている姿を見かけますが、受け答えも足腰もとてもしっかりしていますよ。

日中は体操クラブに出かける姿をよくみかけます。エアロビに励むのが日課だそうで、さらに曜日によってはジャズダンスや日本舞踊で汗を流すこともあるといいます。90才超えとは思えない健脚は日頃の運動の成果ではないでしょうか」(岡田の近所の人)

彼女が主演し吉田さんがメガホンを取った『秋津温泉』の撮影をきっかけに愛を深め、59年間もの結婚生活を送ったふたり。岡田の心はいまも夫にぴたりと寄り添っているようだ。

吉田さんとイベントに出演。(2020年2月)
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「いまでも旦那さんの遺骨は納骨せず、自宅で保管しているそうです。片時も離れたくないのでしょう。

また、突然の別れから3年が経ったいまでも、ふたりで暮らしているときの日課だった朝のコーヒーは、旦那さんの分を合わせた2人分淹れているといいます。日常生活を送りながら、ふとしたときに『主人にも見せてあげたかったな』と思ってはちょっぴり切なくなることもあるようです」(岡田の知人)

おしどり夫婦として知られていた。(2020年2月)
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岡田の元を訪ねると、「朝、食事を取って昼は体操教室に通い、いたって元気な生活を送っています。遺骨はまだ自宅においてあります。夫を亡くして3年が経ちますが、生活は何も変わっていませんよ」と話した。

最愛の人との別れから前を向き、卒寿を超えてもなお健脚と健康を維持できる秘訣は、彼女が送る穏やかな日常生活そのものなのかもしれない。

日本アカデミー賞の授賞式に夫婦揃って登壇。(2019年3月)
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