
年をとるにつれ気になる白髪や薄毛など髪トラブルの原因は、頭皮下のリンパ管に老廃物がたまることにあるという。頭を触ってボコボコとした膨らみを感じたり痛む場合は、老廃物がたまっている可能性大!頭皮をほぐせば美髪も小顔も手に入る。
美容師として長年、素髪の美しさを追求してきたヘアサロン「美髪堂」代表の横田有里惠さんは、40代後半から髪にまつわる悩みが増えたと話す。
「もともと私は猫っ毛でしたが、加齢とともに髪のボリュームが減り、悩むようになりました」(横田さん・以下同)
改善したいと試行錯誤する中、横田さんは髪のトラブルは頭皮下に蓄積する老廃物にあることに辿り着く。
「10年前にあるお客様から『頭にもリンパが流れているの?』と聞かれて調べてみると、頭皮でも細胞が活動する過程で生じた老廃物を回収する役割をリンパが果たしていることがわかりました。リンパの流れをよくするためにも頭皮下にたまった老廃物をはがす必要がある。そう考え、頭皮ほぐしを考案しました」
顔や体に比べると、頭皮は筋肉運動が難しいためリンパの流れが滞りやすく、老廃物が蓄積されやすい。
「そのため自分の手で頭皮をほぐしてリンパを流し、老廃物を排出する必要があります。老廃物が排出されると土壌が整い、太くて元気な髪が生えてくるのです。また、リンパの流れがよくなることで顔のむくみがとれて、小顔効果やくすみ改善も期待できます」
実際に横田さんも頭皮ほぐしを始めてから、髪のボリュームが戻ることを実感したという。
「毎日続けたところ、1年で髪のボリュームが戻ってきました。61才のいまも白髪染めはしていません。私が指導したかたの中には、1日2分で薄毛が解消されたというかたもいます」
リンパの流れがよくなることで、肩こりや頭痛、疲れ目が改善された人も多いという。
「私自身、寝つきもよくなりました」
道具不要で場所を選ばず、いつでもできる頭皮ほぐし。正しいやり方を身につけて頭皮から若返ろう。
ほぐす場所
頭皮下のリンパ管に老廃物がたまると、その部分にトラブルが起きやすくなる。まずは老廃物がたまりやすい場所をチェックしよう。

頭頂部
皮膚が薄いためリンパや血液の流れが悪くなり、薄毛や白髪、つむじ割れを起こしやすい。
後頭部
老廃物がたまると毛が細くなり、絡まりやすくなる上、毛先がはねやすくなる。
前頭部
重力の関係で下に引っ張られ、リンパや血流が滞りやすく、薄毛、割れやうねりが出やすい。
側頭部
はねやすかったり、白髪が多い場合は老廃物がたまっている可能性大。左右見比べてみよう。
老廃物の“たまり場”を探してマッサージ
まず、頭皮を触って老廃物の“たまり場”を探してみよう。
「触ると『骨かも?』と思うような硬いボコボコしたところがあれば、そこが老廃物のたまり場です。重点的にほぐして老廃物の排出を促しましょう」(横田さん・以下同)
指で頭皮下にある老廃物をはがすようなイメージでほぐすことがポイントだ。
「少し強めに押すとほぐれやすくなります。テーブルなどにひじをついて行えば、力が入れやすく、手も疲れにくいですよ」
ほぐすときは、頭皮が乾いた状態で行うのがポイントです。
「シャンプーのついでにマッサージする人は多いのですが、シャンプーは洗浄力が強いため頭皮に洗浄成分をすり込むことになり、必要な皮脂まで落としてしまい頭皮ダメージの原因に。
テレビを見ながら家事の合間に、1日2分でいいので毎日続けると髪の若返りを実感できると思います」
ほぐす前の準備
頭皮下の老廃物をスムーズに排出するために、首のリンパ節まわりの筋肉を動かし、リンパの出口を開いておこう。肩や首のこりに悩まされている人にもおすすめだ。
ボコボコしているところを探す

【1】頭皮に指の腹を当て、圧をかけながら、頭頂部に向かって頭皮を指でなぞっていく

【2】指を前後、斜めにずらしながら頭皮全体に圧をかける。ボコボコしていたり、痛い場所があれば、そこに老廃物がたまっている

【Point】髪をかきわけて指の腹で頭皮をしっかり触ろう
ほぐす前にリンパの出口を開く
リンパがスムーズに流れるようにストレッチを行う。やり方は、左手を右の側頭部にのせ、頭を左側に押しながら倒し、首の右側を伸ばす。倒し切ったところで10秒キープ。反対側も同様に。

やりやすい姿勢
両ひじをテーブルについて頭を支えながらほぐすと、疲れにくい。

指先で小刻みに弧を描くように動かす。爪は立てないこと。

後頭部は、こぶしを作り、第二関節とその下の平らな部分を頭に当てて。
