
17チームがノンストップでかけ抜けた80分。審査を待つ間は介護福祉士のDJ GENが登場し、高齢者施設で人気の「ロマンディスコ」タイムへ突入した。客席には厚生労働省「健康一番プロジェクト」のロゴが入った長いペンライトが配られており、一斉に点灯。GOLDダンサーたちはステージを終えた解放感も手伝い、ウォーミングアップのダンスチャレンジをはるかに上回る熱量で音楽とダンスを楽しんだ。
ステージの楽曲にTikTokでバズったMiyauchi『SWAG』が使われるなど、普段から流行歌にも触れているGOLD世代だけに、Creepy Nuts『Bling-Bang-Bang-Born』がかかるとコールに合わせてペンライトを振るタイミングも完璧。ダンスは杉が願う心身の健康だけでなく、感度も若返らせることを実証した。
審査を経て、まずは印象深かったチームへ特別賞が発表された。平均71.8才・最高齢85才の『YDK65』に《痛みに耐えながら頑張ったで賞》、初出場のHIPHOPチーム・宮崎『HOUEI GOLD』に《アフロで腰が痛かったで賞》、平和への祈りを届けた『UNLIMITED』に《心に響く芋で賞》(賞品のさつま芋にかけて)がそれぞれ贈られた。
そして、いよいよ結果発表。3位は静岡『ソウルフルフーズ』。第1回の黎明期から大会を支えるチームのベスト3入りに会場も沸き、他チームが駆け寄り、抱き合って喜ぶ光景も。お互いの健闘を讃え合う、GOLD世代の友情も感動を与えた。2位は埼玉『GOLD DRAGON』。1位には大分『JBRevolution大分』が輝いた。
悲願の初優勝を遂げ、メンバーは「耳が遠くなって音は取れないし、膝や股関節が痛くなるし、曲も難しい。でもその大変さが私たちにとって嬉しく、元気になる秘訣なんです」「先日、胆のうの手術をしました。元気にダンスをすることが体調管理のバロメーターになっています」と口々に語り、喜びを爆発させた。チームは年明けに米NBAのオープニングアクトを務める予定で、過去の『FIDA GOLD CUP』での活躍が関係者の目に留まり、オファーが届いたのだという。
表彰式を終え、杉は「皆さん、本当によく頑張りました! 今年は相当レベルが上がった!」と感心した面持ちで出場者をねぎらった。
「練習量、メーキャップ、衣装、選曲、自分たちの見せ方……と、どれをとっても、皆さんの意識が高まっていることが伝わってきました。できれば全員に賞をあげたいのが本音で、審査はいつも以上に悩みました。来年はさらなるレベルアップが期待できますから、賞をもらったチームもそうでないチームも、また次を目指して頑張っていただきたいと思います」(杉)
長年、世界平和と豊かな社会づくりに尽力してきた杉はまた、「日本を見習って、世界の人たちが争いではなくて、健康で平和に長生きをする。人類が進むべき道だと思います。今日は広島のチームが『NO MORE HIROSHIMA』を掲げてダンスをしました。こういったメッセージを公の場で発信することは困難なのですが、勇気をもって、見せていただきました」と感動を述べた。
最後は特別健康対策監の言葉として、「厚生労働省が願うのは、国民の皆さんがすこやかに長生きをすることです。毎日を元気に、自分のカラダ、健康というものをしっかりと見つめて、また来年の大会でお会いしましょう」としめくくった杉。国際交流も踏まえ、「今後はGOLD世代のダンスを通じて、“ゼニカネより大切なのは健康”なのだと世界へアピールしていきたい」と新たなビジョンを明かした。