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《「死後の世界」「あちらの世界」に関する研究》「この世に生きたすべての人の意識の記憶は“ゼロ・ポイント・フィールド”に波動の形で記録されている」との仮説も

死後の世界は実際にあるものなのか(写真/PIXTA)
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 人は死後、どうなるのか──“死後の世界”への解釈は、古来さまざまな考えがめぐらされてきた。そして、エンタメの世界では“転生モノ”が支持されている。「死後の世界」や「転生」は、ファンタジーなのか。それとも実際にあるものなのか──。【前後編の後編。前編から読む

「三途の川」を越えずに戻ってくると「臨死体験」として記憶に残る

 過去生である「前世」と、現在の「今世」。その狭間にあるのが「臨死体験」の記憶だ。臨死体験の報告例は多く、ジョン・トラボルタや小倉智昭さんといった著名人も自身の経験を明かしている。『「生まれ変わり」を科学する』などの著書を持つ、生まれ変わり現象研究国際センター学術評議会委員の大門正幸さんは、「数々の証言を検証した結果、臨死体験の多くには、一定のパターンが存在する」と話す。

「まず、心肺停止など、肉体が『医学的な死』を迎えかけたとき、自分の体を上から俯瞰する『体外離脱体験』をします。このとき、自分を蘇生しようとする医師や、嘆く家族の姿も見ていると言います。その後『トンネルのようなところ』に入り、慈愛を感じるような心地よい『光』に包まれるのだそう。そして、その光の中で、『すでに亡くなった大切な人に会う』そうです」(大門さん・以下同)

暗いトンネルの中で、亡くなった大切な人と会えることが多い(写真/PIXTA)
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 死に瀕した際に亡くなった人が「お迎え」に来る体験は、おそらくこの段階のこと。信仰心の強い人の場合、この光の中で「イエスさま」や「菩薩さま」などに会い、啓示のようなものを授かることもあるという。

 その後、パノラマのように自分の人生を一気に振り返る「走馬灯」を体験する。このとき、自分が当時影響を与えた相手の目線で客観的に自分を見る出来事を体験することもある。そして、“これ以上進んではいけないライン”にたどり着く。すなわち「三途の川」だ。

「人によっては川ではなく塀のこともあり、いずれにしてもこれを越えると、死ぬことになるようです。越えずに戻ってこられた人が、『臨死体験』として記憶に残るのでしょう」

臨死体験で目にする「三途の川」のようなイメージは、世界的に共通している(写真/PIXTA)
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 ある男の子が臨死体験をし、生還するなり母親に「ぼくにお姉ちゃん、いるでしょう?」と尋ねたケースがある。

「男の子は知らされていませんでしたが、実際にその母親は、女の子、つまり男の子のお姉さんを死産していたのです。お母さんはいないよと答えましたが、男の子は“でも、ぼくが生まれる何年か前に先に天国に行ったって言ってたよ”と話したそうです」

 事実確認ができる部分とそうでない部分がある臨死体験だが、確認できる部分については、体外離脱から走馬灯までの体験の流れは世界的に共通しているほか、こうした体験談を持つ人は少なくない。

「生まれてくる前に亡くなった祖父に会った」という子供に祖父の写真を見せたら「そう、この人」と答えたなど、枚挙に暇がない。

「こうした体験談が“あちらの世界”と現実の接点になっていると考えられるのではないでしょうか」

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