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《中山美穂さんが亡くなって1年、妹・中山忍の告白》「遺品整理で見つかった秘蔵の“忍ファイル”」「1度だけ伝えられた“遺言めいた言葉”」、遺骨は「リビングにあります」

秘められた思いを明かした中山忍
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 2024年12月6日、入浴中の不慮の事故で亡くなった中山美穂さん(享年54)。突然の死に多くの関係者やファンが悲しみに暮れてから1年、最愛の姉を失った中山忍(52才)が秘められた思いを明かした。【前後編の後編】

 葬儀を済ませたものの、突然の永別の悲嘆に暮れる忍を救ったのが、美穂さんの葬儀で弔辞を読んだ小泉今日子(59才)だった。

「それまで面識がなかったのですが、私がどうやって生きればいいかわからず泣くばかりだった2025年の春頃に初めてお会いすると、『じゃあ美穂の次に頼りにして』と言ってくれました。

 姉も今日子さんもアイドル時代は超多忙でしたが、仕事の合間に少しでも時間ができると会って遊んでいたそうです。10代のお姉ちゃんにもちゃんと青春時代があってよかったと思った。今日子さんと姉は同時代を駆け抜けた同志みたいな関係なのでしょうね」(忍・以下同)

 6月には小泉が代表を務める個人事務所「明後日」のイベントで童話『くまとやまねこ』を一緒に朗読。

『くまとやまねこ』を朗読した忍(左)と小泉(右)の2人(インスタグラムより)
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「姉が亡くなった後、映画監督の故・崔洋一さんの奥様・青木映子さんから『忍ちゃんを支えると思う』とプレゼントされた童話でした。仲よしの小鳥が突然死んでしまい、悲しむクマを山猫が楽しい旅に誘うお話です。私には、自由気ままに誘う山猫と今日子さんの姿が重なりました。私が望んだ朗読会もすごいスピードで実現してくれて、頼っていいんだと思えるかたが現れたことが救いになりました」

 一周忌を迎えても美穂さんのお墓はまだ決まらないままだが、忍はお墓などについても小泉に相談しているという。

「遺骨はまだ私の家のリビングにあります。お姉ちゃんが落ち着いて休める場は作ってあげたいし、ファンのかたが手を合わせることができる場所も必要だと思うのですが、もう少しお姉ちゃんと一緒にいて先のことはゆっくり考えようと思っています」

ただ会いたい。その一言です

 いまは日当たりがよい場所に遺骨とともに姉と彼女の息子が写った写真などを飾り、毎朝お茶や炊き立てのご飯を供えるのが忍の日課だ。美穂さんの死後、忍は姉の自宅で遺品を片づけた。

「姉は手触りがあるものが好きで、刺しゅうや編み物の道具があり、本棚には現代アートの写真集やピアノの楽譜のほか、樹木希林さんや茨木のり子さんの本などもありました。ステージで着る衣装に装飾をしたかったのか、キラキラしたスパンコールもたくさん見つかりました」

 遺品整理の際、忍のお宝グッズで占められた、秘蔵の“忍ファイル”も見つかった。

「姉はいろんなものをファイリングしていましたが、その中に私が15才でデビューした当時の帽子を被った宣材写真がありました。同じように帽子を被った15才くらいの姉の写真とセットで納められていました。ほかにも私が出演した舞台のフライヤーや私が送った年賀状など、私にかかわるものがファイリングしてあって、“なんだ、結局私のことすごく好きだったんだね”と思ってまた泣いちゃいました」

 遺品の整理はしたが処分はしていない。美穂さんの部屋を退去するタイミングで倉庫を借りて主な遺品は丸ごと移動させたという。

「遺品の処分はまだできていません。冷蔵庫に『豚肉・昆布・カリフラワー』という姉のメモ書きが猫のマグネットで貼ってあって、何を作る気だったのかわからないけど(苦笑)、そんなメモ書きすら捨てられず、自分の家の冷蔵庫に貼っています」

 美穂さんの転機となった映画『Love Letter』は2025年が公開30周年。劇中、美穂さんが演じるヒロインが、亡き婚約者に向かって「お元気ですか? 私は元気です」と呼びかけるシーンは、いまも根強い人気を誇る。姉が亡くなった後、同作の岩井俊二監督のすすめもあり、忍は改めて鑑賞したという。

本誌の取材に答える忍
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「絶対泣いちゃうと思ったけど案外スッと物語に引き込まれました。ただポラロイドカメラを持って校庭をぐるぐる回るシーンと、おじいちゃんと庭で焼きいもを焼くシーンの快活な姉は、お芝居をしていない顔に見えた。あの名場面のように亡き姉に何かを呼びかけるとしたら? そうですね……ただ会いたい、その一言です」

 美穂さんはいつも「忍のやりたいようにやればいい。忍はかわいいから大丈夫」と口にして、仕事に関する具体的な助言をしなかった。だが一度だけ、“遺言”めいた言葉を忍に伝えたことがあった。

「紫吹さんとのステージを準備していたとき、姉が少し真面目な顔をして『まずあなたが楽しむことが大事で、続けることに意味があるんだよ。1回で終わらず続けるんだよ』と言ってくれました。姉が自分自身にも重ねた言葉でしょうが、私にとっては姉の遺言となりました」

 その言葉を胸に、前を向いて生きていきたいと、最後に忍が決意を語る。

「この1年は周囲に支えられて甘えて生きてきたので、いつまでも泣いているのではなく、自分の足で歩けるようにしたい。それをお姉ちゃんも望むだろうから。明るいコメディーの作品にも出てみたいですね。悲しみは消えないし、会いたい気持ちは募るけど、もう一周忌を迎えたから、これから頑張るから見ていてねとお姉ちゃんに呼びかけたいです」

 人一倍寂しがり屋で、「サヨナラ」という言葉を何より嫌っていた天国の美穂さんは、世界中の誰より最愛の妹を見守っているはずだ。

女性セブン20251225日・202611日号

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