
スペシャル番組や話題のドラマの一挙放送などが目白押しの年末年始。でも、放送日をうっかり忘れて見逃すことも。そこで、年末年始のエンタメ情報をテレビ通の見どころ解説付きでお届けします!
話題作にどっぷりバラエティーで大笑い
「年末は、その年に話題になったドラマを一気に見直すチャンス」とテレビ解説者の木村隆志さんは言う。
「12月27日には『119エマージェンシーコール』(フジテレビ系)が、29日には『不適切にもほどがある!』(TBS系)などイッキ見放送が予定され、新年にはさらに両番組の特別番組も放送されます。見逃した人はもちろん、もう一度まとめて見たい人にも、特別番組を楽しむためにも過去作から見直してほしいですね。
そのほか、『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)など2025年に話題になった秋ドラマも、ネットフリックス、U-NEXTなど動画配信サービスでいち早く配信されているので、イッキ見には適しています」(木村さん・以下同)
バラエティーでは、「12月31日放送の『ザワつく!大晦日』(テレビ朝日系)など、各局レギュラー番組の拡大放送が目立つ」と木村さんは続ける。

「番組のファンは、一年の締めくくりにふさわしいゲストと内容を期待していいでしょう。新たにセットを作る必要がないため、制作費が抑えられるという制作サイドの利点も。名シーンの総集編やクイズ番組など気楽に見られて、世代を超えて盛り上がれる内容が多いので、家族が集まる時期にみんなで見たいですね。
スポーツでは、大谷翔平選手などが活躍した野球をはじめ、9月に34年ぶりに東京で開催された『世界陸上』などで活躍したアスリートたちが出演する番組も増える。彼らの違った魅力を見つけられます」
2026年2月にはミラノ・コルティナ冬季五輪が、3月には『2026 ワールドベースボールクラシック』が、6月には『サッカーW杯』と、注目の国際大会が開催される。スポーツバラエティーには、これらの大会に出場が見込まれる選手が紹介されることもあるだろう。
「大会の“宣伝”も兼ねていますから予習のつもりで見ておくと、本番がより楽しめます」
年末年始の風物詩として見逃せないのが、音楽番組の特番だ。
「実は、音楽番組はレギュラー放送では視聴率が取れないといわれていますが、大型特番は別。理由は、生中継が多いため、その特番でしか見られないパフォーマンスなどのレア感があるから。会場に行けなくても臨場感が楽しめます」
さらに、2025年が昭和100年だったこともあり、昭和を振り返る企画も注目だ。
「若者の間で昭和レトロや平成レトロが人気ですが、昭和100年をキーワードにした番組は、中高年には懐かしく、若い世代は新鮮に感じられると思います」

何を見るか迷ったり、見たい番組を探す際は次からの番組表を参考に。年末年始のエンタメを楽しもう。
※番組情報は2025年12月11日時点のもの。


年末年始これを見れば間違いなし!
ここからは年末年始に放送される番組から、注目度の高いものをピックアップ。見どころも解説します!
バラエティー
注目は「懐かしい番組の特番復活です」と木村さんは話す。
「久しぶりにウッチャンナンチャンの番組が2本放送されます。12月29日放送の『ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア 笑わせたら100万円』(TBS系)は、2005年から放送された高視聴率番組。芸人が一発ギャグやモノマネ、ショートコントなどを行い、審査員全員を笑わせると賞金がもらえるというネタバトルで、2025年2月にも8年ぶりに復活し、大きな話題となりました」(木村さん・以下同)

1月2日深夜に放送予定の『ウンナンの気分は上々。ご無沙汰しておりましたSP』(TBS系)は、2026年で放送30周年を迎える旅ロケ番組の草分け的存在。
「ロケ先での心温まる出会いや、思わぬアクシデントなど、旅気分が味わえます。
ウッチャンナンチャンとともに旅をする多彩なゲストの意外な人間性を垣間見て、温かい気持ちになれそうです」
また、1月1日には伝説のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)が、二宮和也の司会で復活する。

「2000年に放送され、司会のみのもんたさんの決めぜりふ『ファイナルアンサー』が流行語になりました。令和になってどんな演出になるか必見です」
新しい年を笑って迎えたい人には、1月2日放送の『爆笑レッドカーペット2026新春SP』(フジテレビ系)がおすすめだ。
「2025年の夏に11年ぶりに復活し、芸人たちが1分のショートネタで笑いを取っていくところが“タイパ重視”の令和でもウケました。旬の芸人たちのネタが福笑いを招いてくれるはず」
報道・スポーツ・ドキュメンタリー
2025年の1年を振り返ることは、新しい年への決意を新たにできる。
「12月24日放送の『羽鳥慎一モーニングショー 2025年をザワつかせたニュース100連発‼』(テレビ朝日系)では、『こんなニュースあったな』と思わず言いたくなる事件や事故を総ざらいできます。
スポーツ番組では、TBSが12月24・25日の2夜連続で『SASUKE2025』を放送。元日の『ニューイヤー駅伝』(TBS系)や1月2・3日に放送の『箱根駅伝』(日本テレビ系)は、お正月の風物詩として欠かせません。
また、2日の『新春ドリームバトル2026 木梨憲武のスポーツKING!』(テレビ朝日系)では、病気療養中の石橋貴明さんに代わり、長嶋一茂さんが出演。武豊さんと水谷豊さんの豪華共演対決なども見ものです」(木村さん・以下同)

ドキュメンタリーも見逃せない。
「12月30日放送の『ドキュメント72時間 年末スペシャル2025』(NHK総合)のように、人間模様が見られるのもドキュメンタリーのよさ。31日放送の『密着!中村屋ファミリー 勘九郎の涙 七之助の結婚 歌舞伎の絆…宿命の大舞台』(フジテレビ系)は、映画『国宝』のヒットもあり、また違った見方ができそうです」
音楽
12月22日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)に始まり、大晦日の『第76回NHK紅白歌合戦』にいたるまで、音楽番組ラッシュは続く。
「Mrs.GREEN APPLEや、SixTONES、Number_i、BE:FIRST、福山雅治さんといった幅広い世代に人気のアーティストが一堂に会するのも年末の特番ならではだと思います。
注目してほしいのは、志尊淳さんと新木優子さんがMCを務める12月29日放送の『発表!今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワード2025~』(日本テレビ系)。『配信で今年最も聴かれた歌』という基準は新しく、ほかの特番とどんな違いを見せるのか楽しみです」(木村さん・以下同)
若い世代のミュージシャンはどうせわからないから…と嘆いていてはもったいない。
「大晦日の『第58回年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)は、演歌の大御所や、昔のヒット曲をじっくり楽しめます」
また、昭和100年をテーマにした番組では、「12月25日放送の『昭和100年の総決算今夜決定!全国1万人が選んだ100年先も残したい昭和の名曲』(テレビ朝日系)がおすすめ」だという。
「坂本九さん、山口百恵さん、沢田研二さん、西城秀樹さん、中森明菜さんといった昭和に活躍した歌手の懐かしいお宝映像とともに、氷川きよしさんや島津亜矢さんなどの実力歌手がスタジオで名曲を熱唱します」
ドラマ・映画
名バイプレーヤーとして名を馳せてきたベテラン俳優が主演を務める作品が多いのが特徴だ。
「12月24日放送の『ドビュッシーが弾けるまで』(フジテレビ系)は、いぶし銀の演技が人気の國村隼さんが主演。國村さんは、大人が見て共感でき、面白いと感じるドラマに欠かせない名優ですから上質なドラマになると思います」(木村さん・以下同)
名バイプレーヤーといえば、12月31日放送の、松重豊主演の『孤独のグルメ2025大晦日スペシャル』(テレビ東京系)も見逃せない。
「大晦日の放送は2025年で9年連続となりますが、今回新潟の佐渡、山形の米沢が舞台になります」

NHKでは時代劇ファンをうならせる作品が待機している。
「12月29日には特集時代劇『丹下左膳〜大岡越前外伝〜』(NHKBS)が放送されます。多くの名優たちが演じてきた隻眼隻手(※※片目が見えず、腕も片方しかない状態)の剣豪・丹下左膳を森山未來さんが魅力たっぷりに演じてくれます。
また、1月4日にはNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』がスタート。豊臣家はこれまで大河ドラマでも度々取り上げてこられただけに、『半沢直樹』(TBS系)などで知られる脚本家の八津弘幸さんが、どう料理するかも楽しみです」
また映画では、続編が公開中のアバターシリーズ第2作の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や、木村拓哉主演のヒット作『マスカレード・ナイト』(いずれもフジテレビ系)が放送予定だ。
配信もアツい
配信サイトで見られる作品では、「韓国や欧米の作品がおすすめ」と言うのは、映画・ドラマライターの清水久美子さんだ。
「ネットフリックスは、ジョージ・クルーニー主演の『ジェイ・ケリー』が必見。有名な映画俳優のジェイ・ケリー(クルーニー)と敏腕マネジャーがヨーロッパを旅しながら苦悩や葛藤をコミカルに描くコメディー。クルーニー自身と役が重なり、楽しめます。
U–NEXTでは、韓国のコメディードラマ『次の人生はないから』がおすすめ。育児に追われ、キャリアを中断することになった40代女性のセカンドステージを描いています。

プライムビデオは、『梨泰院クラス』のパク・ソジュンが7年ぶりにラブロマンスに挑戦した『明日はきっと』を独占配信中。胸キュン必至です。
ディズニープラスでは、ヒョンビンとチョン・ウソンの2大スターが共演する『メイド・イン・コリア』が12月24日よりスタート。
韓国と日本を舞台にアクションと頭脳戦が映画級のスケールで描かれます」
取材・文/廉屋友美乃 取材/三好洋輝 写真/本誌写真部、アフロ、共同通信
※女性セブン2026年1月8・15日号