初春の旅はいざ奈良へ!歴史と文化をつなぐ「奈良・大和郡山市」を歩く
滋賀、兵庫、和歌山などいくつもの城を築き、守った秀長が「最後の城主」を務め晩年を過ごしたのは「金魚の街」。
秀長の「商業政策」で栄えた城下町
秀長が郡山城に入城したのは1585年とされる。天守閣こそ現存していないものの、本丸や毘沙門曲輪、堀などは400年前のまま。城を大きく整備した秀長の思いを垣間見ることができる。秀長は街の振興にも力を入れ城下町の町割りを完成させ、商業政策を次々と展開していった。郡山城のほか、市内には日本三大稲荷のひとつ「源九郎稲荷神社」や、秀長が眠る墓「大納言塚」などの史跡を巡ることができる。
豊臣政権が没した後、江戸時代に甲斐甲府藩(山梨県)藩主だった柳沢吉里が、郡山藩主になる際に持ち込んだ「金魚」文化が根づき、周辺地域の豊かな自然を土壌に、「金魚養殖」が盛んに。市内の中央に位置する「やなぎまち商店街」は“金魚ストリート”の別名を持ち、至るところに水槽が。「まちなか金魚水族館」を楽しみながら、「御金魚帖」に「御金魚印」を集めながら街歩きを楽しもう。
続日本100名城、日本さくら名所100選にも選ばれた奈良の名城「大和郡山城」
天正8(1580)年に、織田信長に郡山城を与えられた筒井順慶が入城し、築城を始めた。秀長が入城したのは天正13(1585)年のこと。

本丸や毘沙門郭、緑郭などが造られた。秀長の死、そして関ヶ原の戦いを経て、郡山城は徳川方に明け渡された。現在、天守は残っていないものの天守郭や毘沙門郭などの城郭中心部は残存し、奈良県の史跡に指定されている。
◆大和郡山城
住所:奈良県大和郡山市城内町2-255
1585年創業の老舗和菓子店「本家菊家」、「秀吉が愛した餅」は上品な甘さ
400年以上続く老舗は秀長の“御用達”だった。秀吉を招いて茶会を催した際、初代・菊屋治兵衛に「何か珍しいお菓子を作れ」と命じて献上された餅菓子が銘菓「御城之口餅」の始まり。

「粒あんを餅で包み、きな粉をまぶした餅菓子です。秀吉も気に入って『鶯餅』と命名したそう。それがいつしか当店が城の入り口にあることから『御城之口餅』と呼ばれるようになりました」(菊岡さん・以下同)

小豆は大粒の「丹波大納言小豆」を使用。
「小豆は砲金の大釜で一気に炊き上げます。餅米は近江産で、国産青大豆を使ったきな粉をまぶしたシンプルなお菓子です」

◆本家菊家
住所:奈良県大和郡山市柳1-11

清酒バー併設で醸造体験も「中谷酒造 柳町醸造所」
嘉永6(1853)年創業。
「清酒の伝統を残すため、清酒に親しめる場所として、2022年に清酒バーを併設し、醸造体験もできる『柳町醸造所』を開業しました」(中谷さん)

醸造所内は酒蔵の雰囲気を再現し、酒を運ぶのに使用した巻き上げ機「阿弥陀車」や樽の焼印用コテ、酒造り人形などを展示。醸造所内では酒造り体験(9000円・要予約)もでき、出来たての日本酒を楽しむこともできる。

店内では城下町を築いた秀長にちなんだ「大和大納言 豊臣秀長 磨き6割720ml」(2200円)を数量限定で販売。フルーティーな香りが特徴で、冷酒、常温、燗など万能。


◆中谷酒造 柳町醸造所
住所:奈良県大和郡山市柳2丁目4


テラス席からは城跡のお堀を一望「番屋カフェ」
城の番屋をイメージし、郡山城跡内に2022年にオープン。サークル付きのテラス席なら犬と一緒にカフェタイムが可。

「郡山城は『日本さくら名所100選』にも選ばれ、春には一帯が桜の花で包まれます。地元の人が散歩がてらに来られることも多いですよ」(吉川さん)

人気メニューは奈良のブランド豚・大和ポークを使った「大和ポークカツカレー」(サラダ付・1500円)。年明けからは『豊臣兄弟!』にちなんだ弁当も販売予定。
「ジューシーかつ脂身は甘くて口溶けがいいのが特徴です」

◆番屋カフェ
住所:奈良県大和郡山市城内町2-7
奈良に伝わる古代米を使った絶品ヘルシースイーツ「モリカ米店 和カフェモリカ」
元禄15(1702)年に創業した米店で、カフェのほか米や雑穀米、豆類なども販売。
「古代米はもともとしめ縄用に栽培されていたそうで、平城京の木簡にも『赤米』と書かれているなど歴史ある米です」(森川さん・以下同)

古代米と黒米の餅米を使った白玉、大納言小豆を使った粒あん、青大豆のきな粉にもなか、抹茶をセットにした「古代米の白玉もちセット」(1500円)を1月半ばから提供予定。
「秀長のあだ名が大納言だったことにちなんで大納言小豆を使っています。古代米を使ったもなかはお城を模したもの。秀長は茶人でもあり、折に触れて茶会を催していたので抹茶をセットにしました」


そのほか古代米と五穀を使った「古代米と五穀のおはぎ」(500円)も人気。

◆モリカ米店 和カフェモリカ
住所:奈良県大和郡山市柳3丁目1

期間限定でドラマの衣装や小道具を公開「豊臣兄弟!大和郡山 大河ドラマ館」
秀長の誕生日である3月2日には「豊臣兄弟!大和郡山 大河ドラマ館」が、郡山城前にオープン。

ドラマの時代背景や登場人物の紹介、衣装や小道具の公開のほか、ここでしか見られないオリジナル映像や特集パネルなど『豊臣兄弟!』の世界観を堪能できる。

◆豊臣兄弟!大和郡山 大河ドラマ館
住所:奈良県大和郡山市北郡山町211-3
DMG MORI やまと郡山城ホール1階展示室
開催期間:2026年3月2日~2027年1月22日
◆教えてくれたのは:東京大学史料編纂所教授・本郷和人さん
1960年生まれ。専攻は日本中世政治史と古文書学。『東大教授がおしえるやばい日本史』『ざんねんな日本史』など著書多数。『やばい日本史』はシリーズ88万部を突破。近著に『豊臣の兄弟』などがあり、大河ドラマ『平清盛』など作品の時代考証も担当。
取材/小山内麗香、廉屋友美乃 撮影/二村海
※女性セブン2026年1月22日号