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【全文公開】有吉弘行、16年ぶりに俳優として大河ドラマ『べらぼう』に出演 志村けんさんと上島竜兵さん、背中を押した2人の恩師への感謝と憧れ

大河ドラマ『べらぼう』に出演する有吉弘行と恩師である志村けんさん
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コメディアンを貫き、俳優業はやらないと決めていた志村けんさん(享年70)の、最初で最後のドラマ出演となったのは朝ドラ『エール』だった。彼が亡くなった年のことだ。その演技は、志村さんを慕うあの毒舌芸人の心にも深く刺さっていたようだ。

横浜流星(28才)演じる蔦重こと蔦屋重三郎が小さな貸本屋を開いてから10年。日本橋に書店「耕書堂」を開業し、全国に書物を流通させるという夢への第一歩を踏み出した──現在、佳境を迎えているNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、後に江戸随一の“出版プロデューサー”と評される蔦重の波乱に富む生涯を描く。

日本橋に進出し、飛躍の足掛かりはできたものの、蔦重が手がける本が幕府の出版統制に引っかかるなど、この先も一筋縄ではいかない展開が待ち受けている。

「数々の困難を蔦重がどのように切り抜けていくのかが見どころです。さらに、いまの豪華なキャストに加え、今後もスパイスを与えてくれる新キャストが登場すると聞いています。そのうちのひとりが、有吉弘行さん(51才)です。

彼のドラマ出演は実に16年ぶりで、大河ドラマは初出演。徳川家康の時代に忍者として活躍した服部半蔵と同名の役を演じるそうで、どのような演技を見せてくれるのか、関係者の間では注目の的になっているんですよ」(テレビ局関係者)

とにかく多忙な有吉の今年上半期のテレビ出演回数は255回。テレビでは11本のレギュラー番組を持ち、自分の名前を冠したラジオ番組にも毎週出演している。

「お笑い芸人の枠に収まらない活躍で、2023年、2024年と連続でNHK紅白歌合戦の司会を務めました。大物アーティストと軽妙なトークを交わしつつ、『猿岩石』時代の大ヒット曲『白い雲のように』を披露するなど八面六臂の働きでした」(芸能記者)

一方で、意外にも経験が少ないのが俳優としての仕事だ。映画出演は2016年が最後で、テレビドラマにいたっては2009年にNHKの時代劇にゲスト出演したのが最後になっている。

「一時期は映画や舞台で主演していたのですが……『ドランクドラゴン』の塚地武雅さん(53才)や、『ネプチューン』の原田泰造さん(55才)をはじめ、同世代の芸人さんには、俳優として目覚ましい活躍を見せる人が少なくありません。でも、有吉さんは10年近く芝居の仕事を断り続けてきたそうです」(芸能関係者)

2020年3月に亡くなった志村けんさん
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なぜ、今回大河ドラマへの出演を決意したのか。

「そこには、亡くなった2人の恩師、上島竜兵さん(享年61)と志村けんさんの存在があるようです」(前出・芸能関係者)

有吉が彼らを慕うようになったのは、有吉自身の浮き沈みの激しい芸能生活が大きく関係しているようだ。1度目の大ブレークは『猿岩石』時代。当時22才の有吉は、『進め!電波少年』(日本テレビ系)のヒッチハイクの旅で大きな注目を集め、帰国後は空前の“猿岩石ブーム”が起きた。前述のデビュー曲『白い雲のように』は100万枚を売り上げ、レコード大賞の新人賞を受賞した。

彼が俳優としてのキャリアをスタートさせたのもこの頃。1997年に深夜ドラマで俳優デビューすると、翌年には連続テレビ小説『天うらら』(NHK)に出演したほか映画主演も果たした。

「しかし、ほどなくして猿岩石ブームは下火に。以降は仕事が大きく減ってしまい、食いつないでいくのに精一杯だったそうです」(前出・芸能関係者)

そんなどん底時代を支えたのが上島さんだった。

「上島さんは、仕事がなくくすぶっていた若手芸人をよく飲みにつれて行き、これが『竜兵会』の始まりになった。中でも有吉さんには目をかけていて、『たとえいまはくすぶっていても、自分の信じる道を進め』と励ましていました。有吉さんも上島さんを慕い、深夜2時であっても電話があれば駆けつけたそうです」(前出・芸能関係者)

上島さんがこれほど後輩に目をかけたのはある人物への恩返しでもあるという。それが5年前に新型コロナで亡くなった志村さんだ。

「上島さんも下積み時代、志村さんに『自分の信じる道を進め』と励まされ続けてきました。だからこそ、その教えを今度は有吉さんにつないだのです。今日の有吉さんの活躍は、志村さんから上島さんへの愛ある教えがあったからこそといえるでしょう」(前出・芸能関係者)

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