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《体験談で知る60才からの仕事》「働くことが生きがいに」楽しく稼ぐシニア女性の働き方をリアルレポート

会議をする女性
シニア女性だからこその働き方を知ろう(写真/Getty Images)
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人生100年時代、65才まで定年延長する会社も増え、70才を超えても働くことが当たり前になっている。かつ現在は深刻な人手不足のため、女性の働き手を求める企業や職種は多いという。「この年齢で働ける?」──多くのシニアがそんな不安を抱えているが、皆、振り返ってこう言う。「思い切って始めてよかった」と。そう語る先輩の実録。

客室清掃/リゾートバイト派遣

織田由希さん(60才)の場合

<月収11万~18万円>

広島県内で母親と2人暮らし。これまでは販売業のアルバイト、介護職のパートなどを経験。60才になる年にリゾートバイトの客室清掃に挑戦。現在は岐阜県内の旅館にて就業中。

長く続けたければ契約延長も可能

還暦を迎える年に、初めてリゾートバイトを始めたという織田由希さん。リゾートバイトとは、観光地やリゾート地のホテルや旅館などに住み込みながら働くアルバイトのこと。織田さんは単身、広島県廿日市市のホテルで年末年始の9日間、初めて客室清掃の仕事に従事した。

「仕事は9時から14時まで。大きなホテルで宿泊客も多く大変でしたが、短期だったのでなんとかやりきりました。午後からの自由時間には観光も楽しめました」(織田さん・以下同)

これまで介護施設で夜間専従の介護ヘルパーとして長く勤務してきたが、体力的に夜勤がきつくなり退職。近所に住む孫の面倒を見る機会も、孫の成長とともに減っていた。そんな折、旅行が好きなことから、以前から気になっていたリゾートバイトをやってみようと一念発起したという。

「広島での短期バイトで自信がつき、もう少し長く働いてみようと思いました。いま就業中の岐阜県内の旅館は、2025年2月から始めてもうすぐ1年。実は、当初2か月弱の契約でしたが、延長してもらうことに」

ちりひとつ残さない、徹底した客室清掃を目指す旅館の姿勢に感銘を受けた織田さん。「お客さまのために時間をかけて丁寧に仕事をしたい」という、自分の理想に合った宿だと感じ、じっくり腰を据えて働きたいと契約を延長したという。おかみさんや同僚は皆親切で、住み込みの寮は清潔、かつ温泉付きなのも延長を決めた理由だった。

「リゾートバイトでは就業先が自分に合わない場合、契約期間が終われば辞められるし、長く続けたければ延長もできるんです。派遣会社を通じての採用で、社会保険制度がしっかりしているのもありがたいです」

自宅のある広島県からは遠く離れているが、自然豊かで静かな環境も気に入っている。

「まとまった休みがいただけるので、数か月ごとに広島に帰省しています。しばらくは、この生活を楽しみたいなと思っています」

合掌造りの家々が立ち並ぶ飛騨高山の近くで働く織田さん。仕事が終わるのは14~15時。自由時間が多く、午後は気ままに観光地の散策を楽しめる。

リゾートバイトとは?

・1日2食付き!家賃や食費などの生活費が抑えられる
・憧れのリゾート地で暮らすように働く

「外国人観光客の激増により、宿泊業はコロナ禍収束以降、人手不足が続いています。
年齢層の高いお客さまを接客する機会が多いので、人生経験豊富がゆえにホスピタリティーあふれるシニア世代の採用は年々増えています」

とは、リゾートバイトを主に扱う人材派遣会社・グッドマンサービスの鈴木将人さんだ(「」内以下同)。

リゾートバイトの魅力は、北海道から沖縄まで、好きな観光地を選んで働けること。さらに、勤務先のホテルや旅館には寮が完備されており、1日2食付きの条件が付いているケースも多く、家賃や食費などの生活費を抑えつつ、暮らすように働ける。

「弊社では2023年から都市部を中心に、借り上げた住居を派遣スタッフへ提供する試みを始めました。職場に近く、家具家電付き、プライバシーも保たれると好評です。50~60代のスタッフにもご利用いただいています」

初心者の場合、客室清掃や調理補助が採用されやすいという。

「客室清掃は午前から昼過ぎまでの通し勤務がほとんどですが、その後の自由時間が長いのが利点。規則正しい生活がしやすいという声も聞きます」

ホテル・旅館はもちろん、冬季だけオープンするスキー場、アミューズメントパークなどの求人も多いという。短期から長期まで期間が選べるので、まずは短期で試してみる手もある。

「リゾートバイト」の職種と時給の目安
「リゾートバイト」の職種と時給の目安(※時給はグッドマンサービス調べ)
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育児サポーター/パート

村上明美さん(63才)の場合

<時給1350円~>

都内で夫と2人暮らし。娘は独立。約40年、着付け師として活躍。家事、育児の経験を生かそうと62才で「パソナライフケア」(家事代行事業を運営)が募集する地域の育児サポーターに応募、現職。

未経験でも育児・家事の経験が役立つ

村上明美さんが居住する地域の育児サポーターを始めたのは62才のとき。今年で2年目を迎える。

家事・育児サポーターとは主に、自治体が行う「家事育児サポーター派遣事業」などを指す。産後の家事・育児の負担軽減を目的に、子育て世帯にサポーターを派遣するサービスで、対象年齢は自治体により異なる。サポーターは自宅に直接訪問し、主に料理や掃除などの家事や育児を手伝う。

「育児にまつわる仕事は初めて。それまでは40年ほど、着付け師の資格を生かした仕事を続けてきました」(村上さん・以下同)

夫の赴任先のアメリカや中国でも着付け師として活躍。帰国してからは、外国人観光客に着付けをする都内のレンタル着物店でパートをしていた。

「外国人オーナーだったので、よくも悪くもアバウトな部分がある点が気になって‥‥。結局1年ほどで辞めました。次に何をしようか迷っているときに、求人サイトで家事・育児サポーターの仕事を見つけたんです」

村上さんは、これなら子育ての経験や、得意な料理の腕を生かせるかもしれないと考えた。

「ご自宅にお邪魔して約2時間、 作り置き用の料理を作っています。その間、ママさんはお子さんと入浴したり、部屋を片づけたりしています。料理がおいしかったからまた作ってほしいとリクエストされることも多くて、やりがいを感じます」

勤務の頻度は自由で、村上さんの場合は週に3回程度。午前中に訪問し、2時間ほど滞在。一度帰宅してから自宅の家事をこなし、夕方に近所の家庭を訪問するパターンが多いという。

「区内のご家庭を訪問するので、通勤時間が短いこともありがたい。
一度自宅に戻って洗濯物をたたんだり、夕食の下ごしらえをしたりと時間が有効活用できます」

村上さんにも幼い2人の孫がいるが、遠方に暮らしているため頻繁には会えず、寂しく思っていた。育児サポートの仕事を始めてからは毎日が楽しいと話す。

「最近ではリピートの訪問が多いので、成長していくお子さんたちの姿を見られることが楽しくて。『もうこんなことができるようになったの?』と、会うたびに感動しています」

「パソナライフケア」によると、育児サポーター制度は全国の多くの自治体で展開中。育児や家事の経験を生かせるため、専業主婦や仕事のブランクがある人にもおすすめだという。

取材・文/植木淳子

※女性セブン2026年1月22日号