減薬の基本は生活習慣の改善から
多剤併用の中でもリスクが高く、断薬が難しいのは、循環器系の薬だ。特に自己判断での断薬は危険。降圧剤「アムロジピン」を長年にわたってのんでいるおくむらメモリークリニック理事長の奥村歩さんが言う。
「自己判断で一気にやめると、脳卒中のリスクが高まります。遺伝や体質によって自力での血圧調整が難しい場合は、薬をのみ続ける必要がある。断薬できるかどうかは、まずは3か月間、食事や運動などの生活改善を行い、それで血圧が改善すれば、減薬を考えてみてもいいでしょう」
減薬で検査数値が多少上がっても、即座に体調が悪化することはほぼない一方で、運動や食生活の改善で、定期薬の数をゼロに近づけることも不可能ではないという。

「血圧の薬を減薬するには、食事に天然塩を使い、野菜や肉をバランスよく摂り、油ものを控え、運動すること。そうして血圧値の上が『年齢+90』で安定したら、医師に減薬、断薬の相談を。そもそも血圧は測る時間帯や精神状態に大きく左右されるため、数値を気にしすぎないことです。医師に相談して効き目の弱いものからやめていくか、1回の用量を減らしていくのです。
どの薬の減薬も、基本は食事や生活習慣の改善、運動に取り組みながら薬を減らし、最終的には断薬をめざすことです」(松田さん・以下同)
減薬、断薬には“減病院”も効果的。「薬をもらうためだけに通う病院」を減らすのだ。
「例えば、目薬や湿布薬は眼科や整形外科に行かなくても内科でも処方してもらえます。あちこちの病院に通えば、薬が増えるだけです。通う病院は絞り込み、困ったときだけ専門医にかかるようにすれば、減薬や断薬をしつつ、時間とお金の節約にもなります」
むやみに頼り続ければ、どんな良薬も毒になる。医師たちに倣ってつきあい方を見極めて、必要なときに正しく頼ること。そうすれば、薬は一生の味方になってくれるはずだ。

(了。前編を読む)
※女性セブン2026年2月5日号