
不世出の名司会者・みのもんたさん(享年80)がこの世を去って約1年。誰よりも働き、誰よりもよく飲んだ彼の遺産もまた、規格外だった。しかし、その財産を巡っていま、遺族間では疑心と葛藤が渦巻いているという──みのさん一家が直面した相続問題を詳報する。【前後編の前編】
古都・鎌倉から相模湾を一望する広大な住宅は、近隣住民から邸宅の主の名を冠して“みの城”と呼ばれ親しまれていた。テレビ史にその名を燦然と刻む名司会者の居城が空っぽになって約1年。主の富と成功の証であったはずの豪邸はいま、残された子供たちにとって“重荷”となっているという──。
2020年にパーキンソン病を患い、セミリタイア生活を送っていたみのさん(本名・御法川法男)に異変が生じたのは昨年1月16日だった。
「東京・港区にある行きつけの焼き肉店で食事中、牛タンの大きな肉片を喉に詰まらせて窒息状態になりました。都内の大学病院に救急搬送されましたが、そのまま意識が戻ることなく昨年3月1日に旅立ちました」(芸能関係者)
芸能界で“視聴率男”と呼ばれ、最盛期には『午後は◯◯おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)をはじめ、週に16本ものレギュラー番組を抱えていたみのさん。家業の水道メーター会社「ニッコク」の経営者としても辣腕を振るったが、晩年に心を砕いたのが「生前整理」だった。
「終活という言葉を『生きるエネルギーが奪われる』と言って嫌う一方、生前整理は積極的に行っていました。手塩にかけて育てた子供たちが揉めないよう、会社名義で所有していた複数の不動産の持ち分を少しずつ息子や孫に書き換えるなど、相続対策に苦心していました」(前出・芸能関係者)

みのさんが利用していたのが、相続時精算課税制度。
「60才以上の人が子や孫に財産を贈与する際、合計2500万円までは贈与税がかからない制度です。贈与者が亡くなったときに相続財産と合算して相続税が計算されます。
一般的に、高齢で近い将来相続が発生する可能性が高い人や、株式や不動産など、将来値上がりが見込まれる資産を持っている人にメリットが大きいとされます。2024年からは年間110万円の基礎控除も新設され、富裕層にとって非常に使いやすい形に制度変更されました。家族にできるだけ財産を残すにはどうすればいいか検討を重ね、この制度を選択したのでしょう」(経済ジャーナリスト)
しかし一周忌を迎えた現在、みのさんの親心は徒労に帰している。
「“1週間で最も多くの生番組に出演する司会者”としてギネス認定されたこともあるみのさんは、稼ぎも別格。最盛期の年収は5億円以上で、長者番付の常連でした。預貯金と各地に所有する不動産や株式などを合わせた遺産は40億円以上とされますが、この莫大な遺産をめぐってみのさんの3人の子供の間に不協和音が生じているのです」(前出・芸能関係者)
みのさんは最愛の妻、靖子さんを2012年5月にがんで亡くしている。そのため相続人は、専属スタイリストの長女、TBS局員の長男、元日本テレビ局員で現ニッコク社長の次男の3人だ。
「みのさんの死後、3人はともに代理人を立てて相続協議を始めたそうです。40億円を等分すると1人あたり約13億円になり、相続税は1人7億円近い計算になります。
問題はその13億円の遺産の内訳で、『すでに生前贈与されている分』や『不動産で受け取った分』、『株で受け取る分』などの分け方が問題になっているようなのです。生前贈与のもらい方にきょうだいの間で差があり、それぞれの主張の整理や贈与分の算出に時間を要しているのだとか」(前出・芸能関係者)
(後編へ続く)
※女性セブン2026年3月26日・4月2日号