
野菜もお肉も一度に摂れる「豚汁」。どの家庭でも似たような食材を使っているはずなのに、味わいは千差万別。じつはその違い、隠し味やちょい足しなどの、ちょっとしたひと工夫にあるのかもしれません。
そこで、「女性セブン倶楽部」の男女1752人を対象にアンケートを実施。「いちばん美味しい豚汁の作り方」を教えてもらいました。
最初に食材を炒めて旨みを引き出す!

「豚バラ肉を“焼き付けて”から煮込む。最初に豚バラ肉を強火で焼き、脂をしっかり引き出してから野菜を投入します。肉の表面に軽い焦げ目をつけることで、メイラード反応(編集部注:食品中のアミノ酸と糖が反応し、焼き色と香ばしい香りを生み出す現象のこと)による香ばしさが加わり、スープに深いコクが出ます」(男性43歳)
「豚肉を炒めるとき、マヨネーズとともに炒めるとコクが出る」(女性59歳)
「豚肉を炒める時に砂糖を加えると美味しさが増すのでオススメです」(女性45歳)
「ごぼうをくたくたになるまで丁寧に炒める。それから他の具材と一緒に入れて煮込む。その方が豚肉の脂の甘味とコクが出て美味しく作れます」(女性39歳)
「長ネギを薄く切り、鍋で炒めてから具材や水を加える。味にコク、香りが出て、臭み消しにもなります」(女性45歳)
「玉ねぎをまずしっかり炒めて、それをベースに作る。玉ねぎの甘さが最高です」(女性59歳)
「豚肉と根菜を炒める際、少量のお醤油で下味をつけてから煮込みます。 具材に味が染み込み、煮込み時間が短くても醤油の香ばしさが重なって美味しい」(女性36歳)
「里芋を醤油炒めする」(男性45歳)
今回のアンケートでもっとも多く寄せられたのが、「最初に食材を炒める」という声でした。炒めることで食材の旨味を引き出すだけでなく、ほどよい焦げ目による香ばしさで、美味しさ格上げ!肉を焼く時に油以外を使う人がいたり、特定の野菜を先に炒めたりとその手法はさまざまで、美味しい豚汁作りへのこだわりが垣間見えます。
メイン食材の豚肉にこだわる!

「豚肉は、絶対に豚バラ。どんなにSALEをしていても小間切れではなく、豚バラが美味しいと思います」(女性71歳)
「普通の豚肉が苦手なので豚ベーコンを使ったら、原料は豚なのに違う肉のようで美味しかった」(女性61歳)
「しゃぶしゃぶ用の肩ロース肉を使うと、汁にコクが出て、豚肉にも味が染み込んで、柔らかく仕上がりオススメです」(女性48歳)
「豚ミンチを使うと子どもも食べやすいし、程よい肉の脂で美味しいです」(女性39歳)
「豚肉を前日から麹に漬ける」(女性29歳)
「豚肉に酒、醤油、胡椒で下味をつけておく。豚肉は香ばしく初めに炒める。あまりいじらず焼き色がつくくらいまで待つ」(女性64歳)
メイン食材となる豚肉にこだわりをもつ人も多く見られました。アンケートでは、豚バラ肉を推す人が圧倒的多数。中には、たとえ他の部位がセールで安くなっていたとしても選ぶは豚バラ!と断言する人まで。また、下味をつけることで味わいをぐっとアップさせる人もいました。
主役は豚肉だけにあらず!絶対に欠かせない具材はコレ

「やはりゴボウがあるのとないのとでは味が違う。うちではゴボウと里芋の入っていない豚汁は、“なんちゃって豚汁”と命名しています」(女性52歳)
「さつま芋ではなく、里芋を入れるのが好みです。程よいとろみがついて美味しいです」(女性35歳)
「さつまいもを入れる!甘さが出て、さつまいもが少し溶けた時に食べると激うまです!」(女性31歳)
「キノコ類、マッシュルームを入れると味が深くなり、旨味が増します」(女性63歳)
「練り物製品を入れるとまろやかな味わいになり旨みが増します!(さつま揚げなど)」(女性51歳)
「最初に具沢山の野菜と豚肉をごま油で炒めます。すいとんを入れるのが定番です」(女性68歳)
「わが家は必ず菊菜を入れています。お餅も入れています。身体が温まります」(女性38歳)
「具材はたくさん。サバ缶も入れる」(女性42歳)
「個人的に好きなのは卵を落とすこと!」(女性37歳)
豚肉以外の具材として、「これは欠かせない!」という声もたくさん。とりわけ人気だったのは、野趣の旨味あふれるゴボウや、甘さがクセになるサツマイモ。さらに、練り物やサバ缶などで魚の旨味をプラスする人もいて、こだわりは多岐に。どれも試してみたくなります!
食材の下準備として湯通し・下茹でする

「豚肉は湯引きしておくと余分な脂が落ちて、さっぱりした味わいで美味しく感じます」(女性59歳)
「豚汁の主役の肉をあらかじめサッとあく抜きしておくと肉の臭みが無くなる」(女性66歳)
「豚スライスを一度湯がいて、脂とアクを捨ててから具を加えて炊いています」(女性41歳)
「以前、野崎洋光さん(編集部注:南麻布の「分とく山」の総料理長を務めた和食料理人)のスッキリした味の豚汁の作り方(野菜類も豚肉もサッと茹でたり湯通しして作る)を真似ていますが、スッキリ・アッサリしていて何杯でも食べられます」(女性72歳)
おもに豚肉の下ごしらえとして、あらかじめ湯通ししている人もいました。余分な脂が落ちることで、臭みや脂っこさが抑えられ、すっきりとした味わいに仕上がるようです。また、少数派ながら、野菜も下茹でする人も。雑味がとれて、上品な一杯となりそうですね。
肉は“後入れ”で柔らかさキープ!

「豚肉は火を通し過ぎると固くなるので別鍋(フライパン)で炒めて食べる少し前に加えるようにしています。洗い物は増えますが、お肉の食感優先で!」(女性57歳)
「私は、豚肉以外のお野菜を全てごま油で炒めて、まずはお野菜の旨味を閉じ込めてからスープに入れます。お肉は硬くなるので一番最後に入れて、少し火が通れば一旦火を止めて蓋をします。余熱でお肉に火が通すのがポイントです」(女性64歳)
「お肉が硬くならないように、食べる直前に薄切りの豚肉を入れる」(女性50歳)
「お肉に薄く小麦粉をまとわせるとかたくなりにくい」(女性52歳)
豚肉の食感を意識して、投入するタイミングにも工夫が見られました。火を通しすぎて肉が硬くならないよう、食べる少し前に鍋に入れる“後入れ”を徹底することで、柔らかくジューシーな仕上がりに。また、小麦粉をまぶして水分の流出を抑え、しっとりとした食感を保つ工夫を取り入れている人もいました。
こだわりの“味噌使い”が味の決め手に!?

「うちは味噌汁は赤味噌ですが、豚汁は白味噌かミックスで、大根や人参など入れます」(男性69歳)
「味噌を二種類使う。麦味噌は甘めなので足すとまろやかになります」(女性52歳)
「なんと言っても基本の味噌!白味噌と赤味噌の絶妙な合わせ味噌が一番」(女性26歳)
「塩味の強い味噌で作ると味がガツンとして美味しい」(女性21歳)
「味噌を白味噌に変えたんだけど…少し甘味も加わってすごくコクもあっておいしかったよ~」(女性71歳)
「手作りのお味噌で作った豚汁が一番おいしかったです!」(女性49歳)
豚汁の味を左右する“味噌選び”も、やはり重要なポイント。味わいに深みをもたせる目的で、異なる種類の味噌を2種類以上ブレンドして使う人が多く見られました。また、自家製味噌で作った豚汁がいちばん!と言う人も。まさしく“家庭の味”の一杯であること間違いなしですね。
美味しさを底上げする“お出汁”を入れる

「しゃぶしゃぶ後の出汁をつかう」(女性47歳)
「鰹と昆布の合わせ出汁をつかうこと」 (女性50歳)
「煮干しと鰹節の両方で出汁をとる」(女性35歳)
「山椒が入った、愛媛の『やすまるだし』を使う。ピリリと旨味が加わり、くせになる味に」(女性53歳)
「野菜の皮から出汁をとってそれを使うと旨味倍増」(女性31歳)
「豚足を煮出し、コラーゲンを出した汁を使う」(男性72歳)
食材の旨味と味噌でも成立する豚汁となりますが、さらにお出汁を加えることで美味しさを底上げ!昆布や煮干しから丁寧に出汁をとる本格派はもちろん、出汁パックを使って手軽に風味を引き出す人も。また、しゃぶしゃぶ後の出汁や野菜の皮を活用するなど、無駄なく旨味を加える工夫も目立ちました。
にんにくや生姜以外にもこんな“隠し味”が

「最後に味噌を溶かし入れるときに、塩麹を小さじ1杯足すと隠し味的にアクセントがつきます」(女性50歳)
「最後にバターを投入。コクと旨味UP!」(男性59歳)
「最後に隠し味として粉チーズを入れます。味がまろやかになり優しい感じに。家族にも好評です」(女性65歳)
「コチュジャンを隠し味で入れるとコクが出て美味しい」(女性30歳)
「ポン酢しょうゆを少し加えてみたら大変美味しかった」(女性74歳)
「ホワイトチョコをひとかけ入れる。コクと甘みが加わる」 (女性72歳)
「最後にマヨネーズを少し加えるとコクが出てまろやかで美味しくなります」(女性37歳)
「隠し味に必ず黒糖を加えている。とてもコクが出て美味しい」(女性54歳)
「バルサミコ酢を入れたりカキソースを入れたりします。余る調味料を使って程よい変化を楽しみます」(女性55歳)
「トマトジュースを入れます。身体に良い気がして、余計においしく感じます」(女性50歳)
豚汁の味をぐっと引き上げる“隠し味”にも、驚きのアイディアが集まりました。優しい甘みやコクを加えてくれる塩麹やバターが人気。その他に、粉チーズやマヨネーズでまろやかさを演出する声も聞かれました。さらに、ポン酢やバルサミコ酢で後味に変化をつけたり、黒糖やホワイトチョコでほのかな甘みを加えたりと、発想はじつに多彩!
王道のねぎや七味唐辛子だけじゃない!意外な“トッピング”

「根菜をたっぷり。お椀に盛ったらキムチをトッピングする」(女性46歳)
「私が豚汁を作る時は必ず最後にラー油をひと振りしています。味が引き締まってアクセントにもなるので気に入っています」(女性40歳)
「最後に山椒を加える」(男性71歳)
「豚汁を食す時に、カボスの果汁を入れると爽やかになってすごく美味しいです」(女性52歳)
「最後に徳島のスダチをスライスして乗せます。それだけで、香りがグンとアップします」(男性64歳)
「食べる直前に刻み海苔を散らす」(女性55歳)
「最後にとろろ昆布を少し後のせするだけで格段に風味と旨味がアップします。簡単すぎて絶品。ありがたいです」(女性45歳)
豚汁を食べるときに楽しむトッピングアイディアも続々!刻みねぎや七味唐辛子は王道ですが、キムチやラー油で辛さとコクを加えたり、カボスやスダチをひと搾りして爽やかさな後味に仕上げるなど、味わい方はさまざま。刻み海苔やとろろ昆布などを添えれば、磯の風味が加わってさらに奥行きのある味わいとなりそうですね。
あえて加えない食材・やらないことがある人も
「とにかく具沢山に」「このひと手間で美味しくなる」という人が多かった中で、厳選食材のみを使う人や、あえてやらないことがある人もいました。
「玉ねぎと豚肉だけの豚汁。玉ねぎを5~6個使います。野菜の水分だけで作ります」(女性63歳)
「大量の玉ねぎと豆腐と豚肉だけで作ります。最初に玉ねぎのかさが半量になるくらいまで炒めるのがコツです。玉ねぎの甘みと旨味が出汁になっておいしさが増します」(男性51歳)
「油を使わない。肉の脂のみ」 (女性48歳)
「アクはあまり取らない。コクにする」(女性65歳)
「豚肉と野菜のうまみが引き立つので、昆布も鰹節も出汁は使わないこと。まず、豚肉を炒めて取り出しておきます。次に野菜を硬いものから順番に炒めて水を入れ、最後に炒めた豚肉と味噌を入れる。できればそのまま半日ほど寝かせると、できたてよりおいしい」(女性50歳)
基本的にアクは取るものだと思っていた筆者。あえて取らずに力強いコクとして活かす、というアイディアに目からウロコでした。
まだまだご紹介しきれなかったアイディアもたくさんありますが、気になる方法はありましたか?アンケート結果をまとめながら、豚汁という料理の懐の深さに驚かされました。地域性や好みはもちろん、各家庭ならではの味があるのが魅力。どの一杯も、間違いなく“ナンバーワン”と言えそうです。