
1400年の歴史を持ち、「日本始まりの地」である奈良にはこの国を形作った「教え」がいまもそこかしこに残される。それらを見て、聞いて、触れて、五感で体験するのは旅の醍醐味だ。仏教伝来のはるかなる旅に想いをはせ、最上の和菓子に舌鼓、奈良公園と興福寺が眼前に広がる静謐な空間で極上ステイ。新緑が広がる奈良へいざいざ━━。
街を歩けば、その土地の歴史を感じることができる。「日本はじまりの地」である奈良を歩いて体感できるのは、1400年前から現代につながる悠久の歴史だ。それは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった「五感」のすべてを使ってよりリアルに体験することができる。日本で初めて「伽藍配置」を採用した薬師寺は創建時から残る東塔や薬師如来像を「見る」だけでなく、月に1回行われる「転読」で僧侶たちの読経、経典が風を切る音など耳からも、そして心へも国の安寧を願う思いが伝わってくるだろう。
連綿たる歴史に思いを寄せながら、明日からの日々を未来につなぐための活力を得るため、大人の旅に出かけよう。
法相宗大本山 薬師寺:600巻の『大般若経』をめくり転読する圧巻の大迫力

680年に天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈って発願された薬師寺。持統天皇即位後、新都・藤原京に造営された。710年の平城京遷都に合わせ現在の地に移った。金堂を中心とし東西に2つの塔がそびえる「伽藍配置」は薬師寺が日本で初めて。東塔は創建時から唯一現存する国宝だ。金堂には創建当時からの姿を残す薬師如来像、日光菩薩像と月光菩薩像が鎮座し、昼夜を問わず私たちを照らしてくれる。



▪️法相宗大本山 薬師寺
住所:奈良県奈良市西ノ京町457
茶の湯:「宇治茶」「米ぬか」の足湯でリラックス。体をいたわるドリンクとともにほっと一息

ならまちの景観に溶け込む隠れ家のような店内では、足湯をしながらのランチや喫茶が人気。

▪️茶の湯
住所:奈良県奈良市元興寺町20-3
ホトケノネドコ:郷土食「茶粥」は心も体も温まるやさしい味

薬師寺から歩いて5分ほどに位置し、僧堂を改築した古民家カフェ。「地元のおかあさん」たちが作り継いできた茶粥や、奈良県で1200年の歴史を持つ三輪そうめんはやさしく安心する味わい。


▪️ホトケノネドコ
住所:奈良県奈良市五条町18-8
萬御菓子誂處 樫舎:目の前で仕上がる「できたて和菓子」極上体験

ならまちにたたずむ、薬師寺など奈良の神社仏閣御用達の和菓子店ではカウンター席で「和菓子のコース」(要予約)が堪能できる。店主・喜多誠一郎さんの丁寧な手仕事からなせる、シンプルで上質な和菓子は絶品。



▪️萬御菓子誂處 樫舎
住所:奈良県奈良市中院町22-3
登大路ホテル:世界遺産「興福寺」に隣接する極上ホテル

興福寺の旧境内に位置し、奈良公園を借景にする贅沢な立地で自然と歴史を体感。素材の旨みを引き出す繊細なフレンチや、定期的に開催される音楽サロンなど「食」と「音楽」にこだわったホテルステイはここでしか経験できない。

▪️登大路ホテル
住所:奈良県奈良市登大路町40-1
撮影/小倉雄一郎(本誌)
※女性セブン2026年5月7日・14日号