健康・医療

《”天然のサプリメント”とも称される》美と健康、老化予防も!「トマトジュース」の効果、栄養素、選び方を解説

トマトとトマトジュース
トマトジュースの健康効果を解説(写真/PIXTA)
写真2枚

つらい運動も食事制限もしたくないけど若々しさを保ちたい──こんなわがままを叶えてくれるのが、トマトジュースだ。“天然のサプリメント”とも称される健康&美容パワーを解き明かす。

「現代人は、細胞レベルで大きなストレスを抱えている」と語るのは、医学博士で管理栄養士の岩崎真宏さんだ。過食や運動不足、精神的ストレスなど複合的な要因によって炎症反応が起こり、健康寿命が縮まっているという。

「そもそも人間は130才まで生きられる可能性があるといわれながら、現状の平均寿命は70才に留まっている。その理由は、体の炎症反応による細胞の老化にあります。現代人は日々の忙しさからくるストレスが強いにもかかわらず、睡眠不足で神経を休めることもできない。さらに添加物の多い食べ物によって体内で炎症反応が起こり、細胞に様々な負荷がかかることで慢性的な炎症が残ったままになってしまっているのです」(岩崎さん・以下同)

炎症反応を抑えて寿命を延ばすための方法のひとつは野菜を食べること。

「緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンやビタミン、玉ねぎに豊富なケルセチン、ブロッコリーやブロッコリースプラウトに含有されるスルフォラファンなどを総称する『ファイトケミカル』を摂ることは抗炎症、抗酸化など老化予防に効果があると期待されています」

飲むだけで体脂肪や内臓脂肪が減少

なかでも岩崎さんが強くおすすめするのがトマトだ。必要な栄養素が多く含まれているうえに、ほかの野菜に比べて摂取しやすく、ジュースにしても栄養素が失われないと太鼓判を押す。

「たとえばケールも抗酸化物質を多く含みますが、独特の苦みがあり、毎日食べるのは難しいと感じる人も多いはず。その点、トマトはリコピンやβ-カロテンなどの抗酸化物質、ビタミンなどの栄養素が豊富で、そのまま食べてもおいしいうえにジュースにしてもその栄養素が失われません。ジュースなら季節を問わずより手軽に習慣化できて、料理にも活用しやすいなど利点が多いのです」

ジュースにすることでリコピンなどの吸収率が上昇し、生で食べるよりも効率的に摂ることができるのだ。SAWAKO CLINIC x YS統括院長の日比野佐和子さんは「トマトジュースはアンチエイジングに役立つ」と続ける。

「赤い色素で抗酸化作用の強い成分であるリコピンが多く含まれています。細胞を傷つけて動脈硬化やがん、糖尿病など生活習慣病のリスクを上げる活性酸素を取り除いてくれるほか、悪玉コレステロールの酸化を抑える効果もあります」(日比野さん・以下同)

様々な病気のリスクを下げるだけでなく、便秘や下痢など、女性の多くの悩みに直結する腸内環境を整える働きもあるという。

「ペクチンという食物繊維が善玉菌のえさになり、短鎖脂肪酸の生成をサポートして腸内環境を整え、腸を若々しく保つ働きが期待されます。腸内環境が整うことで便通が改善したり、免疫力が上がり感染症にかかるリスクを低下させ、大腸がんなどのリスクも下げるとされます」

飲み続けるだけで「ダイエット効果が表れた」という報告もある。

「ある調査で若い女性が1日90gのトマトを摂取することで体脂肪の減少が見られたという報告があります。また別の研究では、若い女性を対象に毎日280mlのトマトジュースを2か月間、毎日摂取させたことで、体脂肪とウエストサイズの減少、コレステロール値と炎症レベルの低下が確認されました」(岩崎さん)

女性にうれしいダイエット効果の仕組みを日比野さんが解説する。

「トマトに含まれる『13-oxo-ODA』という成分が脂肪燃焼のスイッチを入れる働きを持ちます。加えて肝臓の脂質代謝が改善することで、中性脂肪値を低下させる働きもあり、ダイエット効果が期待できるのです。動物実験の研究レベルでは内臓脂肪も減少傾向があり、メタボリックシンドローム改善も期待できる。“天然の脂肪燃焼サプリメント”ともいえる働きです」(日比野さん・以下同)

むくみや紫外線による肌の老化への対策にも効果が期待でき、見た目のアンチエイジングにもつながる。

「カリウムが含まれているので、塩分を摂りすぎたときにナトリウムを排出してむくみを改善。前述のリコピンは紫外線による光老化への対策にもなるという研究が報告されています」

ひとくちにトマトジュースと言ってもいくつもの種類があるが、選び方を間違えるとかえって不健康になる可能性もある。まず気をつけるべきなのは、無添加、無糖、無塩のタイプを選ぶことだという。

「できるだけシンプルな原材料の製品を選ぶのが大切です。糖分の多い製品は過剰摂取により肥満や血糖コントロールへの影響が懸念され、塩分の摂りすぎは血圧上昇などのリスクにつながる可能性があります」

濃縮還元タイプではなく、ストレートを選ぶべきだと指摘するのは岩崎さんだ。

「メーカーは輸送コストを下げるために濃縮還元するのですが、その際に栄養素が壊れて抗酸化活性が10%以上、ビタミンCが20%以上も、失われてしまいます」

毎日飲むと飽きてしまうこともあるが、工夫すればおいしく飲み続けられる。

「摂取量としてはコップ1杯程度の200mlを目指しましょう。朝食前に飲むと血糖値が上がりにくくなり、満腹感も得られるので食べすぎを抑制できます。オリーブオイルを入れるとリコピンの吸収率がアップするほか、豆乳で割るとたんぱく質の補充もできるのでおすすめです」(日比野さん)

いろいろな商品の飲み比べをするのもいいだろう。“最強のジュース”で健康も美容も手に入れて。

リスト
トマトに含まれる成分
写真2枚

ジュースで効率的に摂る!トマトに含まれるスゴい成分

リコピン:強い抗酸化作用があるため、紫外線によるシミやしわなどの光老化を防ぐ。

β-カロテン:リコピンと同じく抗酸化作用があり、動脈硬化やがんの予防に効果があるとされている。体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、視機能の維持などにも役立つ。

ビタミンC:鉄分などの吸収を助ける働きがあり、健康維持や肌のコンディションを整える効果が期待できる。

ペクチン:食物繊維の一種で、腸内バリア機能をサポートして腸内環境を整える働きがある。

カリウム:体内のナトリウムを排出して、むくみの改善や高血圧の予防に有効とされている。

GABA(ギャバ):脳や脊髄に多く存在するアミノ酸の一種で、交感神経を抑制しストレス緩和や血圧低下、睡眠の質への関与が示唆されている。

13-oxo-ODA(13-オキソ-オーディーエー):不飽和脂肪酸の一種で体内の脂肪燃焼を促進する働きを持つ。肥満で糖尿病のマウスに4週間与えたところ、通常のマウスに比べ血中の中性脂肪が約30%減少したという研究結果がある。

※女性セブン2026年5月21・28日号