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【ミステリー作家デビュー】山村紅葉が振り返る“母・山村美紗”の厳しさ 娘の文章にも求めた“作家基準”「親の期待に応えられないつらさがありました」

ミステリー作家デビューした女優・山村紅葉
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「ミステリーの女王」の異名を取った山村美紗さん(享年65)の娘として、時に葛藤も抱えてきた「サスペンスの女王」。母との絆に導かれ、新たな一歩を踏み出した山村紅葉が、その胸の内を語った。【前後編の前編】

「執筆に没頭したこの3、4か月で、これまで何十年も理解できなかった母とつながった気がしました」

 そう語るのは、女優の山村紅葉(65才)だ。このほど、「ミステリーの女王」と呼ばれた母・山村美紗さん(享年65)が急逝したのと同じ年齢で初めての小説を完成させた。

 6月17日に刊行された『祇園の秘密 血のすり替え』(双葉社)は、京都の歌舞伎の名門一家と祇園の老舗置屋の2つの家族の間で、後継者をめぐって運命が交錯する物語だ。

 男性でなければ継げない芸の道と女性でなければ継げない店の看板。そんな名門の血の宿命に左右される当事者たちの前に“禁断の選択”が現れて──。

 京都で生まれ育った紅葉にとって、歌舞伎と置屋は慣れ親しんだ世界だった。

『祇園の秘密 血のすり替え』(双葉社)
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「母が歌舞伎役者さんと仲よしで、よく家にいらしていたんです。母とお酒や食事をご一緒されている中で、楽屋では聞けないような本音や悩みを私も聞くことがありました。

 名門に生まれることはすごく恵まれていて、他人から見れば、喉から手が出るほどほしい条件でデビューするけれど、半面すごくプレッシャーもある。容姿を含めた才能が必要で、なかなか親を抜くこともできません。ファンからは親に似ることも求められ、何かにつけて『似てないね』と言われて傷つくという話を聞いていたんです。

 お茶屋には20才のときに母に連れて行ってもらって、置屋から派遣される芸妓さんや舞妓さんの舞を見て、お話を聞くこともできました。母のお気に入りの置屋さんでは、女の子が生まれなくて、やっと1人生まれたと思ったら、(性格的に)舞妓にはまったく向いていない子で家を出てしまい、その置屋さんは廃業したんです。芸妓さんをいっぱい抱えていたけれど、その人たちでは継げなかったんですよね。そういう“跡継ぎの悲哀”を間近で見てきました」(紅葉・以下同)

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