
すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。
第9話:「闇雀荘 アイソ」の話【中編】

不真面目極まりない悩みである。そんな時、麻雀仲間のレントゲン技師長が「いい所、見つけました!」と提案してきたのが、地下のアイソトープ室だった。
アイソトープ室とは、人体に影響のない微量の放射性物質を用いた検査をする部屋で、当時は使われていなかったらしく、空調もあり、何より防音であった。克弥は「レン長、よくやった!」と、思わず10歳以上年上のレントゲン技師長を抱きしめるほど喜んだ。
医局には呼び出し要員を一人置き、克弥は昼夜問わず「雀荘 アイソ」に入り浸った。数日は快適だったが異変が起きる。なぜか一緒に麻雀をやっている仲間が弱っていくのだ。見れば顔色もかなり悪い。
──おかしいぞ。
克弥が仲間の血液を調べると、皆貧血になっている。仲間たちが不安になる。
「祟りじゃないか?」
「いや、そういうのは霊安室とかだろう?」
「でも霊安室の奴らはピンピンしてるぜ。俺たちだけが具合が悪いんだよな……」
黙って聞いていた克弥が口を開く。
「僕たち、もしかしてあのアイソトープ室で被曝しているんじゃないか?」
部屋を雀荘に変える際、全ての機器は外に出したので、「そんな訳ない」と思いながらもフィルムパッチを貼って麻雀をやってみた。なぜそこまでして麻雀をやるのかはさておき、数時間後にパッチを外すと真っ黒になっていた。
「やっぱり被曝してるぞ!」
どこかに放射性物質があるに違いないと、血眼になって探すと、机の引き出しの中に原子力マークの入った小さな箱が見つかった。
「こ、これか?」
中を見たら針がたくさん入っている。がん細胞に放射性物質を入れて破壊するための針だった。
「こんな小さなもので被曝するのか?」
仲間の問いに克弥が答える。
「する。実際にこれらを使う手術の時には医者も看護師も被曝してるんだけど、それは短時間だろ。僕たちは一日中、ほぼ毎日だから。とんでもない放射線量だと思う」(後編につづく)
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【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。
高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。
※女性セブン2026年8月13日号