
「何事のおはしますをばしらねどもかたじけなさに涙こぼるる」。伊勢神宮を訪れた鎌倉時代の歌人・西行は、神への畏敬の念をこう詠み上げた。それから約900年、伊勢の地を踏んだ令和の皇女は、何を見て、何を語ったのか──本誌『女性セブン』だけが書ける、現地徹底取材をお届けする。【前後編の前編】
松阪牛のすき焼き弁当に舌鼓
プリンセスの来訪を目前に控えた伊勢神宮の玄関口は、異様な熱気と高揚感に包まれていた──。8月1日の午後の盛り、愛子さま(24才)は三重県伊勢市の近鉄宇治山田駅に降り立たれた。
「猛暑の中、駅のロータリーは愛子さまをお出迎えしようと200人ほどの人々が集まり、黒山の人だかりができていました。中には、愛子さまをぜひとも近くで見ようと、ご到着の6時間前から場所取りをしていたという人も。大人だけでなく、地元の保育所の子供たちも来ていて、“あいこさまー! 出ておいでー!”というかわいらしい声も響いていました。
午後3時過ぎ、愛子さまが駅頭に姿を見せられると、わあっという歓声があちこちから沸き、周囲の空気がぱっと明るくなったようでした」(皇室記者)
袖の部分がレースになったクリーム色のワンピースに、真珠のイヤリングを合わせられた愛子さま。暑さを忘れさせるかのような爽やかな装いには、“愛子さまらしさ”が光っていたという。地元関係者が語る。
「皇族方のアクセサリーといえば真珠ですが、伊勢は養殖真珠発祥の地。“皇室御用達”といわれる老舗宝飾店『ミキモト』の創業地も近くにあり、いわばお膝元です。そのため地元では、皇族方がどんなアクセサリーを着用されるのかが、毎回大きな話題になる。今回愛子さまがお召しになっていたのは、小粒のパールが4粒連なった可憐なイヤリング。若々しいデザインで、愛子さまにとてもよくお似合いでした」
ご到着の直前、伊勢へと向かう列車の車内で、愛子さまは三重県の特産品にも舌鼓を打たれていたという。
「昼食として用意された数種類の駅弁の中から愛子さまが選ばれたのは、松阪牛のすき焼き弁当だったそう。お弁当の蓋を開けると、童謡の『ふるさと』が流れる仕組みになっていて、うれしそうに召し上がっていたと聞いています」(皇室ジャーナリスト)
駅での熱狂的な歓待を受けられた愛子さまは、沿道の人々の声に車の窓を開けお手振りで応えられながら、熟練の宮大工が集う「山田工作場」へ。伊勢神宮の社殿に使われる木材の加工現場を視察された。そして県知事による県勢概要説明を受けられた後は、夕刻に閉園後の「鳥羽水族館」へ──ここは昨年11月、両陛下が三重県を訪問された際にも、足を運ばれた場所である。
実際に愛子さまへの説明を担当した職員は、その知識の深さに驚嘆したという。
「愛子さまに、淡水魚が生息するため池の保全についてご説明したときのことです。“ご苦労はありますか?”と愛子さまが質問されましたので、“ここ最近はイノシシが増えていて、池の周辺の土を崩してしまうことがございます”と申し上げました。
ため池に泥が混ざり濁ってしまうと、魚たちの生育環境にも影響を与えてしまいます。すると愛子さまはすかさず、“沼田場ですか?”とおっしゃったのです。沼田場とは、まさにイノシシが泥浴びをする場所を指す言葉。さらに、愛子さまは“なぜですか?”と背景を深掘りするようなご質問を重ねられ、最後は名残惜しそうな表情で次の場所へと歩みを進められました。探究心が旺盛で、普段から、何事にも興味を持って生活していらっしゃるんだなと……」(水族館の職員)
さらに、昨年両陛下へのご説明を担当した若井嘉人館長は、「愛子さまは雅子さまと本当によく似ていらっしゃる」と語る。
「愛子さまの声のトーンや話し方、表情までもが雅子さまにそっくりで、驚きました。普段からよくご一家でお話しされているのでしょう、知識量や質問の角度も、ご両親譲りであるように感じました」