エンタメ

「YES!高須クリニック」のキャッチコピーはこうして生まれた!【第14話後編】『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』

写真15枚

すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。

第14話:逆張り失敗の話【後編】

「『親からもらった大事な体にメスを入れるなんて親不孝だ』っていう儒教の教えが根強くて……この国では美容整形は無理なのかな」

 克弥は生まれて初めてシヅに愚痴をこぼした。シヅはこの頃、3人目の子供を産み、子育てに専念していた。

「儒教なんて誰が広めたんだよ」

 この種の八つ当たりはよくあるが、こんな弱気な克弥は初めて見る。シヅは戸惑いながらも、寄り添った。

3人の息子と。後列は左から、妻のシヅ、母の登代子、克弥。(本人提供)
写真15枚

「でも、親からもらった大切な命だからこそ、思いっきり楽しむことが本当の親孝行なんじゃないのかな?」

──確かにそうだ。

 克弥の中で何かが弾けた。

「自分を楽しむために整形するんだ。コンプレックスを抱えたままじゃ楽しめない」

「そうよ」

 この時生まれたのが、今も使われている『自分を楽しんでいますか? YES!高須クリニック』というキャッチコピーである。

 シヅは久々に明るい表情の克弥を見たのが嬉しくて、さらなる優しさを出した。

「私だって、無茶苦茶なあなたと生活をする自分を楽しんでいるもの」

「ありがとう! シヅさん。ところでクリニックの黒大理石が水商売っぽくていけないと思うんだ。白に変える資金を銀行に借りるから、保証人になってくれない?」

 この男は恩を仇で返す天才である。シヅは二度と優しくしないと心に決めた。

 この後、大理石の色は関係ないと思うが、ついに初めての患者がやって来た。

「今度結婚するので処女に戻せませんか?」

 処女膜再生である。あの論文を代わりに書いてあげた“下”専門の医者に教わった秘術がここで生きた。人助けは自分に返ってくるものである。手術時間1分。患者が股を開いた瞬間に終わっていた。料金は15万円にした。いくらとっていいか分からずに感覚で決めた値段である。

 これがきっかけとなり、患者が来始めた。腟を狭くする、ペニスを大きくする、真珠を入れるなど、“下”ばかりだったが、開業から2年後、ついに回り始めたのである。高須克弥33歳。文春砲を食らう12年前の話である。(第15話につづく)

最新話は発売中の女性セブン本誌に掲載!
バックナンバーはWEBにて週2回、木曜・月曜AM8:00に更新中!!
<<エピソード一覧はこちら>>

【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。

高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。

※女性セブン2026年9月24日号