《軽井沢の思い出》上皇ご夫妻「70年目のテニスコート」 初対戦では美智子さまが勝利、試合後に喫茶店へ 風景を撮る振りをして美智子さまを撮影、助手席に乗せてドライブも

避暑地のテニスコートで偶然試合をした相手が“運命の人”だった──そんなロマンチックな出会いから来年で70年を迎えられる上皇ご夫妻。いまの願いは、もう一度、おふたりの“原点”に足を運ぶことだという。【前後編の後編】
甘酸っぱいテニスコートの恋
「もはや戦後ではない」という流行語が象徴するように、戦後復興期から高度経済成長期へと移行しつつあった1957年夏。由緒ある会員制テニスクラブ「軽井沢会」の所有するコートでは、毎夏恒例の「ABCDトーナメント」が行われていた。
「クラブ会員だけで行う親善試合の4回戦で対戦したのが上皇さまと美智子さまでした。第一セットを先取されたのは上皇さま率いる男子ペア。しかし美智子さまは粘り強いショットで上皇さまを翻弄し、逆転で勝利を収められた。上皇さまにとって、コートを縦横無尽に躍動する美智子さまの印象は鮮烈だったようで、試合後、おふたりは喫茶店に場所を移し、親睦を深められました」(皇室ジャーナリスト)
おふたりの交流はわずか数時間だったが、気立てがよい美智子さまに上皇さまが惹かれるには充分だった。
「その年の秋には、上皇さまが美智子さまを都内のテニスコートに誘われ、ここでおふたりは初めてペアに。試合中は息の合ったプレーを見せられ、休憩中は初々しい笑顔を浮かべながら談笑されました。このとき上皇さまはコートに趣味のカメラを持参。風景を撮る振りをしながら、こっそりとレンズを向けていたのが美智子さまでした。
上皇さまは現像した写真の中から美智子さまのベストショットを厳選し、同年11月の写真展に出品しています。ファインダーを覗きながら、美智子さまを意識せずにはいられなかったのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
甘酸っぱいテニスコートの恋が実ったのはそれから約2年後のことだった。
「初めて民間から嫁がれた皇太子妃、しかも“恋愛結婚”ということで、新時代の象徴として祝福されました。ご成婚後もおふたりは毎年のように軽井沢を訪問されましたが、即位後は多忙を極め、一時期足が遠のいた。2003年、13年ぶりに足を運ばれた際には感慨深い表情を浮かべられ、旧知のご友人たちとテニスに興じられました」(前出・皇室ジャーナリスト)
軽井沢では上皇さまがハンドルを握る車の助手席に美智子さまが座り、ドライブされるのも恒例だった。
「日々、皇后としての重圧の中で生活されていた美智子さまですが、人目を気にせず行動でき、気心の知れた友人に会える軽井沢は、美智子さまにとって“皇后”から“正田美智子さん”に戻ることのできる特別な地だったのかもしれません」(別の宮内庁関係者)
その後も折に触れて軽井沢を訪問されてきた上皇ご夫妻。2009年にはテニスコートで70代とは思えぬ健脚ぶりを発揮された。
「テニスをプレーするのが難しくなられてからも、コートには定期的に足を運ばれてきました。おふたりはここ数年“思い出の地”の訪問を大切にされています。2024年には上皇さまが戦時中に疎開されていた栃木県の日光を訪れ、2025年に軽井沢を訪問された際は、戦後80年に際して先の戦争の記憶が刻まれた大日向開拓地を視察されました。今年も軽井沢へのご訪問を心待ちにされていたのですが……。
おふたりの“次こそはテニスコートに”という思いは強い。しかも来年は運命の出会いを果たされてからちょうど70年ですから、来夏は何としても軽井沢へ、といまから気持ちを高められているようです」(前出・別の宮内庁関係者)
70年の時を超え、再びコートで支え合うおふたりの姿を誰もが待ち望んでいる。
※女性セブン2026年9月3日号