《腸内環境》「やせ菌」を増やすための食生活 菌類や食物繊維は効果的、悪玉菌による炎症を抑える「さば」「いわし」も重要 高脂肪のものや加工食品は注意、サプリは非効率

石原さんが注意を促すのは、揚げ物や加工食品だ。
「スーパーのお総菜などは酸化した古い油を使っているケースもあり、腸内環境を悪化させてデブ菌を増やす原因になります。揚げ物をするなら、せめて新しくいい油を使って。また加工食品に含まれるリン酸塩などの添加物は腸内環境を悪化させてしまいます」
何を食べるかだけでなく、食べ方でも差がつく。辨野腸内フローラ研究所理事長で腸内細菌学者の辨野義己さんが推奨するのはゆっくりよく噛んで食べること。よく噛むことで消化・吸収が助けられ、腸内環境が整いやすくなるからだ。
「食物繊維の多いものを、丸のみせずによく噛んで食べる習慣を身につけましょう。噛めば噛むほど満腹中枢が刺激されて、食べる量も減るはず。早食いすると噛む回数が減るだけでなく大量に食べてしまうので、その面でも太りやすくなり危険です」(辨野さん)
量だけでなく、食べる間隔をしっかりあけるのも大事なポイントだ。
「間食や食べすぎによって、常に腸に食べ物が入っている状態だと、腸が休む時間がなくなったり、腸内の食べ物が消化されず腐敗して腸内環境が悪化しデブ菌が増えやすくなります。規則正しくきちんと食べること。なるべく多くの種類の食材を摂ることも重要です。1週間で30品目は摂ることを心がけましょう」(川本さん)
サプリメントは効率が悪い
多様な食材を摂る必要性について、岩崎さんは菌の多様性がかかわると話す。
「菌にはそれぞれエサになる食物繊維が違います。そのため多様な食材を摂らないと元気な菌が偏ってしまい、理想的なバランスではなくなります。サプリメントでは多様な食物繊維とファイトケミカル(食物性化学物質)は摂れないため、サプリばかりに頼ることも推奨しません。効率的に栄養を補っているようで、1回の食事の多様性と比べると実は非効率であるからです」
やせ菌が増えやすく、作用しやすい腸であるかどうかを知る目安になるのは、お通じの状態だ。辨野さんはトイレに入ったときに「便座に座るとストーンと気持ちよく便が出る」のが理想的だと話す。
「野菜を中心とした食生活が大切で、例えば肉を食べるなら、肉1に対して野菜3ぐらいの割合で食べる。焼き肉でも、サンチュのように野菜で肉を包んで食べるよう工夫しましょう。また、便を出す力も必要で、そのためにはウオーキングなどの運動習慣も欠かせません」(辨野さん)

やせ菌を増やしてデブ菌を減らすにはお腹を温めることが重要だと石原さんは説く。
「体にいるすべての細胞は体温が上がる方が、働きがよくなります。同じく腸にいる菌も温かい方が活性化するので、私は一年中腹巻きをしています。0.5℃や1℃の差ですが、菌にとっては腸内で働きやすくなるんです」
そして何より、ストレスを抱えないことを目指したい。脳腸相関といい、脳と腸は密接に関係している。そのためストレスを受けて脳が疲弊すると、腸内細菌にも悪影響が及ぶ。
「どれだけ腸内環境を整えても、ストレスにより自律神経が乱れると、腸のぜん動運動や血流が低下し、腸内細菌のバランスが崩れていきます。ストレスを緩和するためにも、朝日をしっかり浴び、38〜40℃ほどの湯船にもつかり1日7時間の睡眠を心がけましょう。そうした生活の基本を見直すことも腸寿命を延ばすためには大切です」(岩崎さん)
腸内を直接見ることはできない。しかし、そこに棲む多様な菌たちを生かすも殺すも、自分次第。「やせ菌が居心地のいい腸」を作ることはすなわち“長寿腸”を作ること。今日からやせ菌を育てよう。
※女性セブン2026年9月17日号