
体の不調の9割が腸と関係しているといわれるほど、全身の健康を支えている腸。夏の暑さや冷えは、腸の“砂漠化”を招くほどの大敵だった。過酷な夏を越えダメージを負ったカサカサの腸を、秋にリフレッシュするために難しいことは必要ない。日々のちょっとした習慣を意識して、いきいき元気な腸にしよう。キーワードは「うるおす」「温める」。若々しさを保つために、腸の健康を守る最強のルーティンをチェックしていこう。【前後編の後編】
朝一番の炭酸水が腸を目覚めさせる
日々の生活習慣にも気を配りたい。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが言う。
「ぜん動運動を促して腸の動きをよくする生活習慣を取り入れましょう。小腸は常に動いていますが、大腸は普段あまり激しく動きません。そのため、大腸が動かずに便がずっと留まっていると、水分だけがどんどん吸収されてカチカチの硬い便になってしまい、腸内環境がより悪化していきます。特に大腸の動きを活性化させるルーティンが重要です」
そこでまず取り入れたいのが、「朝起きてコップ1杯の水を飲むこと」。水分補給はもちろん、腸に水分が入ることで刺激が腸を動かす。ハーバード大学医学客員教授で、医師・医学博士の根来秀行さんが言う。
「寝ている間は気づかないうちに大量の汗をかいています。特におすすめなのは炭酸水。胃腸を刺激して、大腸が便を送り出そうとする胃結腸反射を起こしてくれます。大腸のぜん動運動を促すためにも朝一番の水分補給はしっかり行いましょう」(根来さん)
水分だけでなく、朝食もしっかりとるようにしたい。松生クリニック院長の松生恒夫さんが言う。
「大ぜん動と呼ばれる大腸の収縮運動がいちばん大きく起こるのは、朝食の後。朝食を抜くと大ぜん動のタイミングを逃し、便秘や腸の不調を招いてしまいます」
一方、飲食する際に気をつけたいのは冷たいものを摂りすぎないこと。管理栄養士の望月理恵子さんが言う。
「夏から秋への季節の変わり目は、冷たい飲み物や生ものに偏ると胃腸が疲れやすくなります。常温や温かいものを口にすることを意識的に増やす。特に朝や夜は温かい汁物や煮物をメニューに加えると胃腸が冷えにくいです」

腸を冷えから守るため、秋からは腹巻きでお腹を温めることも欠かせない。アメリカ在住の内科医師・大西睦子さんが言う。
「保温効果以外に注目したいのは、体温調節の負担が減り、自律神経の消耗を防げること。腸の動きは自律神経に支配されているので腸も動きやすくなります。腹巻き以外にも羽織るものを一枚持ち歩く、首・手首・足首を冷やさないことも対策になります」
腸の働きを元気にするために、運動習慣にも目を向けたい。よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆さんが言う。
「腸の働きを活発にするには運動が不可欠です。ただ、筋トレは交感神経を刺激してしまうので、腸の調子を整えるうえではあまりよくありません。室内なら汗ばむ程度のストレッチがおすすめです」
室内で簡単に実践でき、腸活に直結する運動として、石原さんがイチオシするのは「お尻歩き」だ。
「床に座って足をまっすぐ前に伸ばし、その体勢のまま、お尻を使って前に進んでいく。この運動が腸をとてもよく動かしてくれます」(石原さん)
自分が無理なくできるルーティンを毎日取り入れて、何才になっても元気に動く腸をつくりたい。

※女性セブン2026年10月1・8日号