《ひとりで幸せに生きるための「お金の老後戦略」》投資で儲けるより無理せず働いて稼ぐ方が確実 年金額や生活費を試算して収支を“見える化”すれば必要額が見えてくる

どんなに仲のいい夫婦にも、別れは訪れる。生涯ひとりで生きることを決める人もいる。女性の平均寿命は男性より長いぶん、ひとり残される女性は多い。いざ、そのときが来ても慌てないためには「老後戦略」が必要になる。より豊かで楽しい老後を送るために、できることは何か、各分野の専門家にアドバイスしてもらった。【全4回の第1回】
夫が元気なうちから準備を進めることが大切
長い老後をひとりで生きる女性が増えている。
厚労省がまとめた「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯は1754万世帯を超えて過去最多を更新。うち女性の単独世帯は33.2%、男性の単独世帯は20%だった。
内閣府の「令和8年版 高齢社会白書(概要版)」によると、65才以上の人口に占める、ひとり暮らしの女性の割合は1990年は14.7%だったが、2020年に22.1%に達しており、2050年には29.3%になると見込まれる。
未婚の場合や離婚したケースはもちろん、夫がいても男性より平均寿命が長い女性は、老後をひとりで過ごす可能性が高い。実際の女性のひとり暮らしはどんな生活ぶりなのだろう。

「リタイア後、年金暮らしになって3年半ほどですが、いまは本当に楽しい」
そう話すのは、ブログ『70代一人暮らし 大切にしたいこと』で人気を博すブロガーのショコラさん(70才)。42才で夫と別居し、47才のときに正式に離婚してひとりになった彼女は、旅行や趣味のフラダンスなどで70代の独居生活を満喫していると語る。
「50代までは老後を心配してがむしゃらに働いて、周囲から“仕事を辞めたらどうするの?”と心配されました。いまは時間に縛られず好きなことができて幸せです。これも健康と老後への準備のおかげでしょう」
シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどりさんも「備え」の大切さを説く。
「老後のひとり暮らしでいちばん大きな問題は、ひとりで何もできない女性が意外と多いこと。お金の管理や町内会のつきあい、電化製品の修理、ネットの接続まで夫に任せていたという人が多くいます。ひとりになって有意義な毎日を過ごすには“そのときになれば何とかなる”と甘く考えるのではなく、夫が元気なうちからお金や住まい、人間関係などさまざまな準備を進めることが大切です」