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高須克弥が「わざとコワモテになった」理由【第15話中編】『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』

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すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。

第15話:ついに逆張り成功の話【中編】

『奇跡! 骨折して歩行不可能な90歳がコーヒー風呂で歩けるように!』

 この新聞を見て、テレビ局が取材に来た。この時「僕は美容整形もやるんだよ」と、どさくさに紛れて売り込んでみたのである。克弥は取材時に関係のない話をするのが癖で、本人はサービスのつもりであれこれ話すのだが、大抵は脱線して本筋に戻ってこない。記者泣かせの困った性分なのだが、この時はこれが功を奏した。奇しくも前年に出版した『危ない美容法』という本があり、それを基に美容整形について話すと面白がられ、テレビ出演が決まったのである。当時の克弥の風貌はパンチパーマに薄茶色のグラサン、太もみあげにちょび髭という、医者というよりは「闇金の取り立て」そのもので、その顔で人の顔の良し悪しを語るのだから、詐欺師にしか見えなかった。

高須病院の開院1周年に合わせてコーヒー風呂がスタートした。記念パーティーで話す克弥。(本人提供)
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 克弥が大学生の時からその顔を知っているミユキが、この奇妙な風貌の真意を問いただしたことがある。

「院長はどうしてそんな下品な顔をしているんですか?」

 実に忖度のない直球である。

「僕は童顔でナメられるから、コワモテにしてるんだ。でも外見を変えるとなんだか自信が出るから、見た目って大切だよ」

「院長はそもそも自信満々じゃないですか」

「まあ、そうか。でもね、下品な顔だからこそ人に覚えてもらえるんだよ。医者なんてみんな上品にやろうとする。高須家は上品にやってきて没落した家だから。僕は今後、果てしなく下品に生きていこうと思う」

──どんな宣言だよ。

 ミユキは、克弥が著しく間違った方向に進んでいると確信した。

* * *

 しかし人生とは分からないもので、この顔でテレビに出ると、「医者なのに反社顔」というギャップがウケたのである。すぐに『2時のワイドショー』の準レギュラーになり、同じプロデューサーが担当していた深夜番組『11PM』の準レギュラーも決まった。

 この直後から高須クリニックの電話は鳴り止まなくなった。週に1日しか営業していない名古屋のクリニックに、全国から患者が殺到した。そして時を同じくしてこの年に「美容外科」が正式な診療科目に認められたのである。克弥の人生を懸けた逆張りは、2年遅れて花開いた。「美容外科医 高須克弥」の誕生である。(後編につづく)

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【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。

高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。

※女性セブン2026年10月1・8日号