健康・医療

《専門家が教える最新「腸年齢」若返り習慣》「食事を抜かないこと」が不可欠、発酵食品や緑黄色野菜を積極的に摂取、骨盤と太ももをつなぐ「腸腰筋」を鍛えることも重要

腸の老化を止めるには、まず食事を抜かないことが不可欠だ(写真/PIXTA)
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「昔から便秘だし、そんなに気にしていない」「年をとれば、誰だって高血圧になるよね」──腸と血管の不調に対して楽観的な考えだと、老化を早め、寿命に大きなダメージを与えるかもしれない。そのリスクを減らし、健康寿命を延ばすために何より大事なのは、自分の「腸年齢」と「血管年齢」をきちんと把握しておくこと。そのためにすべきことは何か、専門家に取材した。前編では腸についてレポートする。【前後編の前編】

認知機能、免疫力、生活習慣病、美容にもかかわる「腸」

 年齢が同じだったとしても、見た目はもちろん、体内の老化には個人差がある。なかでも健康寿命を大きく左右するのが、「腸」の老化だ。

 みなと芝クリニック名誉院長の川本徹さんは、腸内環境の悪化は便秘や下痢にとどまらず、全身の不調につながると指摘する。

「認知機能や免疫力、代謝の低下を招くほか、動脈硬化などの生活習慣病との関連も指摘されています。さらに、肌荒れやくすみなど、美容面にもかかわっています」

 一方、古くから「人は血管とともに老いる」といわれるように、「血管」の老化も健康寿命を縮める要因になる。京都府立医科大学特任教授で池田病院院長の池田宏二さんが解説する。

「血管の老化は、心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる血管系の病気のリスクを著しく高めます」

 実年齢だけではわからない「腸の老化」「血管の老化」は、「腸年齢」「血管年齢」として推し量ることができる。今回、腸と血管の年齢を若返らせるための秘訣を探った。

腸にたまった便や悪玉菌が作った有害物質が大腸がんの原因に

 前述の通り、体の健康を考えるうえで腸は極めて重要だ。「腸年齢」という言葉の生みの親である、辨野腸内フローラ研究所理事長で腸内細菌学者の辨野義己さんが解説する。

「腸にはさまざまな腸内細菌がすみついています。ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌などの善玉菌が多く、腸内で活発に働いていれば、体にいい物質が作られ、腸を若く保つことができる。健康長寿にもつながります。

 反対にウェルシュ菌など体によくない悪玉菌が増えて善玉菌の働きが弱まると、腸内が『腐敗状態』となり、毒素や有害物質が作られます。その結果、腸の老化が進み、病気の要因にもなるのです」

腸年齢チェックリスト
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 腸が老化する原因は、大きく分けて加齢と生活習慣の2つだ。

「腸もほかの臓器と同様、年齢を重ねるにつれて細胞が老化し、消化吸収の働きが低下します。腸の内容物を送り出す『ぜん動運動』も弱くなるため、便秘になりやすくもなる。

 また、70〜80代になると若い頃の10分の1程度にまで善玉菌が減少する人もいます。食事や運動、睡眠など生活習慣が乱れることで一度腸の動きが悪くなると、それが次の老化を呼んで悪循環に陥ります」(川本さん・以下同)

 腸の老化が怖いのは、便秘や下痢といったお腹の不調にとどまらないことだ。

「悪玉菌が増えて作られた有害物質が、腸壁から吸収されて血液とともに全身を巡ります。そのため肌のターンオーバーが乱れ、にきびや肌荒れ、くすみの原因にもなる。腸内環境が悪化すると、セロトニンなど神経伝達物質のバランスが崩れ、うつや認知症のリスクも高くなります」

 辨野さんは、命にかかわる病気の危険性について警鐘を鳴らす。

「腸にたまった便や悪玉菌が作った有害物質は、日本人女性のがん死亡者数1位でもある大腸がんの原因になります。大腸は、食事や生活習慣によってある程度自分でコントロールが可能だからこそ、日頃から腸内環境や腸年齢を意識することが必要です」

 腸年齢を知る方法のひとつが、腸内にいる細菌の種類や割合を調べる「腸内フローラ検査」だ。腸内フローラとは、多種多様な腸内細菌が集まった状態を指す。

「クリニックで検査できるほか、市販の検査キットがあります。便を採取して送ることで、善玉菌の多さなど腸内環境の状態を調べることができ、価格は1.5万〜2万円程度のものが多い。菌の種類まで細かく調べる検査もありますが、高額になります」(川本さん)

 別掲の「腸年齢チェックリスト」でも、腸の老化を簡易的に把握できる。

「腸内環境を知るには日頃の便の状態や排便習慣、食生活、生活習慣を振り返ることが第一歩です。チェックリストは生活習慣を見直すための指標として活用するといいでしょう。

 該当項目は少ないほどいいので、『該当ゼロ』を目指してください」(辨野さん・以下同)

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